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公開番号2024140658
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051914
出願日2023-03-28
発明の名称組成物及び表面保護方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人
主分類C09D 133/00 20060101AFI20241003BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】多孔質体表面に対する単位面積当たりの付着力に優れた塗膜を形成できる組成物を提供する。
【解決手段】本発明の組成物は、多孔質体の表面に塗布するために用いられる組成物であって、反応性シリル基を有する構造単位Nを分子中に備えるシリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂を含み、所定の押し抜き試験により測定される、乾燥時における剥離周囲(変位:40mm)が、700mm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
多孔質体の表面に塗布するために用いられる組成物であって、
反応性シリル基を有する構造単位Nを分子中に備えるシリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂を含み、
下記の手順に従って測定される、乾燥時における剥離周囲(変位:40mm)が、700mm以下である組成物。
(剥離周囲の測定手順)
JIS A 5372 付属書E(1種、300)に規定する上ぶた式U形側溝の上ぶた形状のコンクリート板(多孔質体)を作製する。
続いて、得られたコンクリート板について、表面から5mmの位置に到達するまで裏面側から研削加工して、直径:100mmφ×厚み:55mm±3mmの円筒状の押し抜き圧子を試験用基板に形成した。
続いて、試験用基板の表面を、ディスクサンダーを用いてケレンした後、脱脂を施す。
ここで、変成シリコーン樹脂(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:XB502)80重量部、変成シリコーン樹脂(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:E30)20重量部、及びシリカ粒子(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:H18)6重量部を加えて、5分間撹拌して主剤を得る。得られた主剤と、架橋剤である3-アミノプロピルトリメトキシシランとを、質量比で100:4となるように混合して、表面保護用組成物を調製する。
続いて、試験用基板の表面に、当該組成物を、ローラーを用いて塗工量0.15[kg/m

]で塗布し、23±2℃、相対湿度50±20%で、1日間養生して、乾燥した状態の下地層を形成する。
その層の上に、上記で得られた表面保護用組成物を塗工量1.50[kg/m

]で塗布し、23℃、相対湿度50%、7日間静置し、表面保護層を形成した。下地層及び表面保護層を備えるサンプルを得る。
続いて、JSCE K 533に準拠して、室温23℃下、試験用基板と押し抜き圧子との接合部を破壊するまで1mm/minで載荷し、その後、5mm/minで押し抜き圧子をサンプル側に向かって載荷した。このとき、荷重及び変位量を経時的に測定する。
この押し抜き試験において、変位が40mmのときのサンプルにおける剥離周囲(mm)を測定する。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
多孔質体の表面に塗布するために用いられる組成物であって、
反応性シリル基を有する構造単位Nを分子中に備えるシリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂を含み、
下記の手順に従って測定される、|乾燥時の平均付着力-湿潤時の平均付着力|が、1.0N/mm

以下である組成物。
(付着力の測定手順)
・試験用基板の作製
JIS R 5201の10.4(供試体の作り方)に規定する方法によって調製したモルタルを、内のり寸法70mm×70mm×20mmの金属製型枠を用いて成形し,温度20±2℃、湿度80%以上の状態で24時間静置した後、脱型し、その後6日間20±2℃の水中で養生し,更に7日間以上養生室で静置した後,成形時の下面をJIS R 6252に規定するP180研磨紙を用いて研磨し、離型剤及び表面ぜい弱部分を取り除き、表面を清掃して、試験用基板を作製する。
・試験体の作製
ここで、変成シリコーン樹脂(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:XB502)80重量部、変成シリコーン樹脂(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:E30)20重量部、及びシリカ粒子(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:H18)6重量部を加えて、5分間撹拌して主剤を得る。得られた主剤と、架橋剤である3-アミノプロピルトリメトキシシランとを、質量比で100:4となるように混合して、表面保護用組成物を調製する。
試験用基板を水中に1日浸漬させ、水から取り出し、表面の水分を拭き取る(湿潤処理)。
直後、湿潤状態の試験用基板の表面に、当該組成物を塗工量0.15[kg/m

]で塗布し、23℃、相対湿度50%で、24時間乾燥させて、下地層を形成する。その下地層の上に、上記で得られた表面保護用組成物を塗工量1.5[kg/m

]で塗布し、23℃、相対湿度50%、7日間静置し、表面保護層を形成して、湿潤状態の試験体を作製する。
また、湿潤処理を施さずに、乾燥した状態の試験用基板の表面に対して、同様にして、組成物及び表面保護用組成物を塗布して、乾燥状態の試験体を作製する。
・付着強さの測定
湿潤状態の試験体を、養生室内に水平に静置し、プライマー層形成面に接着剤を塗り、上部引張り用鋼製ジグを静かに載せ、軽くすり付けるように接着し取り付け、周辺にはみ出した接着剤を拭き取り、24時間静置した後、試験体面に対して鉛直方向に引張力を加えて、3個の試験体についてそれぞれの最大引張荷重(N)を求める。
破断するまでの荷重速度は、1500N/minとする。
付着強さ(N/mm

)は、式「最大引張り荷重(N)/1600」によって算出し、3つの測定値の平均値で表す。
ただし、試験体に接着した上部引張り用鋼製ジグの周り4辺に、基板に達するまで40mm×40mmの方形の切込みを入れた後、下部引張り用鋼製ジグ及び鋼製当て板を用いて、最大引張荷重を求める。
乾燥状態の試験体を用いて得られた付着強さを「乾燥時の平均付着力」とし、湿潤状態の試験体を用いて得られた付着強さを「湿潤時の平均付着力」とする。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の組成物であって、
ブルックフィールド粘度計を用いて、25℃、回転数10rpmの条件下で測定した粘度が、50mPa・s以上3000mPa・s以下である、組成物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の組成物であって、
前記シリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂が、末端ヒドロキシル基を有する構造単位Oを分子中に備える、組成物。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の組成物であって、
前記シリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂が、パーフルオロアルキル基を有する構造単位Pを分子中に備える、組成物。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の組成物であって、
前記シリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂が、(メタ)アクリル基を有する構造単位Mを分子中に備える、組成物。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の組成物であって、
前記シリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂の重量平均分子量(Mw)が、500以上50000以下である、組成物。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の組成物であって、
前記多孔質体がコンクリート構造体である、組成物。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の組成物であって、
プライマー組成物である、組成物。
【請求項10】
多孔質体の表面に、請求項1又は2に記載の組成物を塗布し、乾燥して、層を形成する工程を含む、表面保護方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物及び表面保護方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
これまで多孔質体の表面保護方法について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、コンクリート構造体の表面にシランカップリング剤とウレタン樹脂とを含むプライマー層を形成し、そのプライマー層上にウレタン樹脂を含む主材層を形成するhが記載されている(特許文献1の表1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-017762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のプライマーなどの組成物において、多孔質体表面に対する付着力(密着性)の点で改善の余地があることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は更に検討したところ、シリコーン変成(メタ)アクリル共重合体を含む組成物において、乾燥時における剥離周囲や|乾燥時の平均付着力-湿潤時の平均付着力|を指標として採用し、これらを適切に制御することにより、多孔質体の表面に対する組成物の単位面積当たりの密着性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の一態様によれば、以下の組成物及び表面保護方法が提供される。
1. 多孔質体の表面に塗布するために用いられる組成物であって、
反応性シリル基を有する構造単位Nを分子中に備えるシリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂を含み、
下記の手順に従って測定される、乾燥時における剥離周囲(変位:40mm)が、700mm以下である組成物。
(剥離周囲の測定手順)
JIS A 5372 付属書E(1種、300)に規定する上ぶた式U形側溝の上ぶた形状のコンクリート板(多孔質体)を作製する。
続いて、得られたコンクリート板について、表面から5mmの位置に到達するまで裏面側から研削加工して、直径:100mmφ×厚み:55mm±3mmの円筒状の押し抜き圧子を試験用基板に形成した。
続いて、試験用基板の表面を、ディスクサンダーを用いてケレンした後、脱脂を施す。
ここで、変成シリコーン樹脂(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:XB502)80質量部、変成シリコーン樹脂(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:E30)20重量部、及びシリカ粒子(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:H18)6重量部を加えて、5分間撹拌して主剤を得る。得られた主剤と、架橋剤である3-アミノプロピルトリメトキシシランとを、質量比で100:4となるように混合して、表面保護用組成物を調製する。
続いて、試験用基板の表面に、当該組成物を、ローラーを用いて塗工量0.15[kg/m

]で塗布し、23±2℃、相対湿度50±20%で、1日間養生して、乾燥した状態の下地層を形成する。
その層の上に、上記で得られた表面保護用組成物を塗工量1.50[kg/m

]で塗布し、23℃、相対湿度50%、7日間静置し、表面保護層を形成した。下地層及び表面保護層を備えるサンプルを得る。
続いて、JSCE K 533に準拠して、室温23℃下、試験用基板と押し抜き圧子との接合部を破壊するまで1mm/minで載荷し、その後、5mm/minで押し抜き圧子をサンプル側に向かって載荷した。このとき、荷重及び変位量を経時的に測定する。
この押し抜き試験において、変位が40mmのときのサンプルにおける剥離周囲(mm)を測定する。
2. 多孔質体の表面に塗布するために用いられる組成物であって、
反応性シリル基を有する構造単位Nを分子中に備えるシリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂を含み、
下記の手順に従って測定される、|乾燥時の平均付着力-湿潤時の平均付着力|が、1.0N/mm

以下である組成物。
(付着力の測定手順)
・試験用基板の作製
JIS R 5201の10.4(供試体の作り方)に規定する方法によって調製したモルタルを、内のり寸法70mm×70mm×20mmの金属製型枠を用いて成形し,温度20±2℃、湿度80%以上の状態で24時間静置した後、脱型し、その後6日間20±2℃の水中で養生し,更に7日間以上養生室で静置した後,成形時の下面をJIS R 6252に規定するP180研磨紙を用いて研磨し、離型剤及び表面ぜい弱部分を取り除き、表面を清掃して、試験用基板を作製する。
・試験体の作製
ここで、変成シリコーン樹脂(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:XB502)80重量部、変成シリコーン樹脂(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:E30)20重量部、及びシリカ粒子(旭化成ワッカーシリコーン社製、品名:H18)6重量部を加えて、5分間撹拌して主剤を得る。得られた主剤と、架橋剤である3-アミノプロピルトリメトキシシランとを、質量比で100:4となるように混合して、表面保護用組成物を調製する。
試験用基板を水中に1日浸漬させ、水から取り出し、表面の水分を拭き取る(湿潤処理)。
直後、湿潤状態の試験用基板の表面に、当該組成物を塗工量0.15[kg/m

]で塗布し、23℃、相対湿度50%で、24時間乾燥させて、下地層を形成する。その下地層の上に、上記で得られた表面保護用組成物を塗工量1.5[kg/m

]で塗布し、23℃、相対湿度50%、7日間静置し、表面保護層を形成して、湿潤状態の試験体を作製する。
また、湿潤処理を施さずに、乾燥した状態の試験用基板の表面に対して、同様にして、組成物及び表面保護用組成物を塗布して、乾燥状態の試験体を作製する。
・付着強さの測定
湿潤状態の試験体を、養生室内に水平に静置し、プライマー層形成面に接着剤を塗り、上部引張り用鋼製ジグを静かに載せ、軽くすり付けるように接着し取り付け、周辺にはみ出した接着剤を拭き取り、24時間静置した後、試験体面に対して鉛直方向に引張力を加えて、3個の試験体についてそれぞれの最大引張荷重(N)を求める。
破断するまでの荷重速度は、1500N/minとする。
付着強さ(N/mm

)は、式「最大引張り荷重(N)/1600」によって算出し、3つの測定値の平均値で表す。
ただし、試験体に接着した上部引張り用鋼製ジグの周り4辺に、基板に達するまで40mm×40mmの方形の切込みを入れた後、下部引張り用鋼製ジグ及び鋼製当て板を用いて、最大引張荷重を求める。
乾燥状態の試験体を用いて得られた付着強さを「乾燥時の平均付着力」とし、湿潤状態の試験体を用いて得られた付着強さを「湿潤時の平均付着力」とする。
3. 1.又は2.に記載の組成物であって、
ブルックフィールド粘度計を用いて、25℃、回転数10rpmの条件下で測定した粘度が、50mPa・s以上3000mPa・s以下である、組成物。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載の組成物であって、
前記シリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂が、末端ヒドロキシル基を有する構造単位Oを分子中に備える、組成物。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の組成物であって、
前記シリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂が、パーフルオロアルキル基を有する構造単位Pを分子中に備える、組成物。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載の組成物であって、
前記シリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂が、(メタ)アクリル基を有する構造単位Mを分子中に備える、組成物。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の組成物であって、
前記シリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂の重量平均分子量(Mw)が、500以上50000以下である、組成物。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載の組成物であって、
前記多孔質体がコンクリート構造体である、組成物。
9. 1.~8.のいずれか一つに記載の組成物であって、
プライマー組成物である、組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多孔質体表面に対する単位面積当たりの付着力に優れた塗膜を形成できる組成物、及びそれを用いた表面保護方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
付着試験を説明するための図である。
押し抜き試験に用いる試験装置の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態の組成物について説明する。
【0010】
本実施形態の一形態の組成物は、シリコーン変成(メタ)アクリル共重合樹脂を含むものであり、下記の手順に従って測定される、乾燥時における剥離周囲(変位:40mm)の上限が、700mm以下、好ましくは690mm以下、より好ましくは680mm以下を満たすものである。
また、乾燥時における剥離周囲(変位:40mm)の下限は、とくに限定されないが、例えば、300mm以上でもよく、400mm以上でもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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