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公開番号2024179578
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023098539
出願日2023-06-15
発明の名称グラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C04B 28/02 20060101AFI20241219BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】流動性が高く、ブリーディングを抑制し、自己治癒効果をより高めることができ、かつ、耐火性や受熱後の中性化抵抗性が向上するグラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体を提供する。
【解決手段】顕微鏡観察により測定される平均粒子径が5~100μmであり、かつ、(長軸径/短軸径)で表される平均アスペクト比が1.3以上であるダイカルシウムシリケート化合物を含むグラウト用混和材、セメント、膨張材及び/又は急硬材、ガス発泡物質、減水剤、及び細骨材を含むグラウト材料である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
顕微鏡観察により測定される平均粒子径が5~100μmであり、かつ、(長軸径/短軸径)で表される平均アスペクト比が1.3以上であるダイカルシウムシリケート化合物を含むグラウト用混和材、セメント、膨張材及び/又は急硬材、ガス発泡物質、減水剤、及び細骨材を含むグラウト材料。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記ダイカルシウムシリケート化合物の(4×円周率π×面積/(周長の2乗))で表される真円度の平均値が0.8以下である、請求項1に記載のグラウト材料。
【請求項3】
前記グラウト用混和材の化学組成がCaO、SiO

、Al



、MgO、およびSO

の合計100質量部に対して、CaOが44~75質量部、SiO

が18~55質量部、Al



が1~3質量部、MgOが0~5質量部、SO

が0~2質量部であり、前記ダイカルシウムシリケート化合物のブレーン比表面積値が2,000~6,000cm

/gである、請求項1に記載のグラウト材料。
【請求項4】
前記細骨材の含有割合は、前記セメント100質量部に対して、40質量部以上300質量部以下である請求項1に記載のグラウト材料。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のグラウト材料と水とを含有するグラウトモルタル組成物。
【請求項6】
請求項5に記載のグラウトモルタル組成物を用いてなる硬化体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、土木・建築業界において使用されるグラウト材料、グラウトモルタル組成物及びグラウトモルタル組成物を用いてなる硬化体に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
グラウト材料は、モルタル、コンクリートの作業性や充填性を改善し、グラウト工事を円滑に行うために使用されている。
主な用途としては、地下構造物の施工、橋梁支承部の据付け、各種機械類の据付け、耐震補強における壁、柱の間隙充填等であり、構造物の間隙を充填して一体化するために、(1)充填箇所および充填方法等に応じた所要の流動性、(2)充填後にブリーディング、沈下および空隙を発生させない無収縮性、(3)構造物の使用条件に応じた所要の各種強度などが要求される(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
セメント硬化体は、セメントの水和又は乾燥に伴って体積が減少することから、ひび割れが発生したり、既存構造体との付着性能が低下したりする危険性がある。ひび割れの発生は美観を損ねるばかりか、構造物の安定性、防水性及び水密性に悪影響を与える危険性がある。
そのため、セメントの収縮を補償し、ひび割れ発生抑制や、構造体との付着性能を保持する目的で、使用される膨張材としては、例えば、3CaO・3Al



・CaSO

(アウイン)、CaSO

及びCaOを主成分とするカルシウムサルホアルミネート系(アウイン系膨張材)、遊離石灰を主成分とする石灰系(石灰系膨張材)のほか、遊離石灰-水硬性物質-セッコウ類を含有してなる膨張材等がある。
【0004】
セメント、膨張材の他、特定の減水剤を組み合せることにより、温度依存性が少なく、流動性・充填性保持効果が著しく高く、長期に亘り強度増進効果を付与したグラウト材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、優れた流動性、泡発生の抑制、最適な長さ変化率、体積膨張率を保持した高強度グラウト材料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、従来のグラウト材料は、流動性が低く、硬化体にひび割れが発生し、またひび割れ発生後も、自己治癒効果が低い課題がある。また、従来のグラウト材料を用いた構造物は、火災などで温度上昇が急速に進行する場合、グラウト材料による施工箇所が爆裂し、内部に取り残された人を安全に外部へ誘導する際に支障が生じる可能性がある。そのため、特許文献3に記載されているような乳剤を配合し80N/mm

以上の圧縮強度を有する耐火性セメント組成物や、特許文献4に記載されているようなセメントと水を混合した後、セルロース繊維を投入し均一に分散させてから、細骨材を混合する耐爆裂性セメントモルタルの製造方法などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第3894780号公報
国際公開第2007/029399パンフレット
特開2014-076917号公報
特許第4878086号公報
【非特許文献】
【0007】
新セメント・コンクリート用混和材料、304-307頁、笠井芳夫・坂井悦郎著、技術書院、平成19年1月15日発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、特許文献3には、乳剤を配合し80N/mm

以上の圧縮強度を有する耐火性セメント組成物が提案されているが、グラウトモルタルとするには作業性に難があり、グラウト材料としての用途に適用するのは困難である。また、特許文献4に記載される製造方法は、セメントと水を混合した後、セルロース繊維を投入し均一に分散させてから、細骨材を混合する方法であり、施工現場での作業に手間がかかる方法であって、グラウト材料としての用途に適用するには課題があった。
そこで、本発明は、流動性が高く、ブリーディングを抑制し、自己治癒効果をより高めることができ、かつ、耐火性や受熱後の中性化抵抗性が向上するグラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明者らは、上記課題を解決すべく、種々の努力を重ねた結果、顕微鏡観察により測定される特定の平均粒子径、および、平均アスペクト比のダイカルシウムシリケート化合物を含むグラウト用混和材を含有することで、流動性が高く、ブリーディングを抑制し、自己治癒効果をより高めることができ、かつ、耐火性や受熱後の中性化抵抗性が向上することを知見し、本発明を完成するに至った。本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]顕微鏡観察により測定される平均粒子径が5~100μmであり、かつ、(長軸径/短軸径)で表される平均アスペクト比が1.3以上であるダイカルシウムシリケート化合物を含むグラウト用混和材、セメント、膨張材及び/又は急硬材、ガス発泡物質、減水剤、及び細骨材を含むグラウト材料。
[2]前記ダイカルシウムシリケート化合物の(4×円周率π×面積/(周長の2乗))で表される真円度の平均値が0.8以下である、上記[1]に記載のグラウト材料。
[3]前記グラウト用混和材の化学組成がCaO、SiO

、Al



、MgO、およびSO

の合計100質量部に対して、CaOが44~75質量部、SiO

が18~55質量部、Al



が1~3質量部、MgOが0~5質量部、SO

が0~2質量部であり、前記ダイカルシウムシリケート化合物のブレーン比表面積値が2,000~6,000cm

/gである、上記[1]又は[2]に記載のグラウト材料。
[4]前記細骨材の含有割合は、前記セメント100質量部に対して、40質量部以上300質量部以下である上記[1]~[3]のいずれかに記載のグラウト材料。
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載のグラウト材料と水とを含有するグラウトモルタル組成物。
[6]上記[5]に記載のグラウトモルタル組成物を用いてなる硬化体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、流動性が高く、ブリーディングを抑制し、自己治癒効果をより高めることができ、かつ、耐火性や受熱後の中性化抵抗性が向上するグラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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