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公開番号2024143286
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023055880
出願日2023-03-30
発明の名称土台水切りの遮水装置
出願人日本化学産業株式会社,デンカ株式会社
代理人弁理士法人中川国際特許事務所
主分類E04B 1/70 20060101AFI20241003BHJP(建築物)
要約【課題】建物が水に浸かった状態であっても十分な遮水性能を有するとともに、土台水切りの遮水装置の設計において、床下空間への通気口の設計自由度を高くすることができる土台水切りの遮水装置を提供する。
【解決手段】本発明の土台水切りの遮水装置は、建築物の土台と、土台を支持する基礎との間に配置される、建築物の床下空間と外気とを連通する通気口2を有する土台水切りAにおいて、通気口2が形成された本体1と、通気口2を開閉可能な遮水板4と、本体1と遮水板4とを係合し、遮水板4が通気口2を開放する開放位置と通気口2を塞ぐ閉鎖位置間の回動を許容するヒンジ6と、ヒンジ6を挟んで反対側かつ遮水板4の下方に配置されるフロート5と、を有し、フロート5が水に浸ると、フロート5は、ヒンジ6により遮水板4を開放位置から閉鎖位置へ、フロート5の移動方向と異なる方向に移動させ、閉鎖位置で遮水板4を保持することを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
建築物の土台と、前記土台を支持する基礎との間に配置される、建築物の床下空間と外気とを連通する通気口を有する土台水切りの遮水装置であって、
前記通気口が形成された本体と、前記通気口を開閉可能な遮水板と、前記本体と前記遮水板とを係合し、前記遮水板が前記通気口を開放する開放位置と前記通気口を塞ぐ閉鎖位置間の回動を許容するヒンジと、前記ヒンジを挟んで反対側かつ前記遮水板の下方に配置されるフロートと、を有し、
前記フロートが水に浸ると、前記フロートは、前記ヒンジにより前記遮水板を前記開放位置から前記閉鎖位置へ、前記フロートの移動方向と異なる方向に移動させ、前記閉鎖位置で前記遮水板を保持することを特徴とする土台水切りの遮水装置。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
請求項1記載の土台水切りの遮水装置であって、
前記遮水板と前記フロートは、前記ヒンジを境として屈曲して断面くの字型形状に連結されてることを特徴とする土台水切りの遮水装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の土台水切りの遮水装置であって、
前記ヒンジは、断面円形の溝と前記溝に篏合する断面円形の突条とによって構成され、前記溝は前記遮水板または前記フロートの一方に形成され、前記突条は前記遮水板または前記フロートの他方に形成されていることを特徴とする土台水切りの遮水装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の土台水切りの遮水装置であって、
前記ヒンジを挟んで前記遮水板の反対側に延長アームが形成され、前記フロートは前記延長アームの下方に配置され、前記フロートの浮力は前記延長アームを押し上げることで前記遮水板を回動させることを特徴とする土台水切りの遮水装置。
【請求項5】
請求項4記載の土台水切りの遮水装置であって、
前記延長アームと前記フロートとは、両者の相対的な角度を変えることができるジョイントによって連結されることを特徴とする土台水切りの遮水装置。
【請求項6】
請求項1または2記載の土台水切りの遮水装置であって、
土台水切りの遮水装置は、前記本体に着脱自在であって、少なくとも前記フロートを覆うカバーをさらに有することを特徴とする土台水切りの遮水装置。
【請求項7】
請求項1または2記載の土台水切りの遮水装置であって、
前記換気口は、外壁と建物躯体との間の外壁換気通路に連通する換気口を兼ねることを特徴とする土台水切りの遮水装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、浸水時、建築物基礎と土台との間に設置される床下空間の換気口を塞いで浸水被害を防ぐ土台水切りの遮水装置に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
建築物の床下空間は、湿気がこもるため、建築物の土台と、それを載せる基礎との間にスペーサを配置し、その間に通気口を設ける構造が一般的である。
【0003】
一方、近年の気候変動に伴って各地で水害が発生することが多発しているが、集中豪雨や河川の氾濫などにより建築物が水に浸かった場合、この通気口から水が浸入すると、床下空間に水が溜まることになり、水損被害が大きくなるという課題が生じている。
【0004】
この課題を解決するため、建築物が水に浸かった場合に通気口を自動的に塞ぐ装置として、次のような従来技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-132869号公開公報
特開2017-95999号公開公報
【0006】
特許文献1には、建築物の基礎101と土台103との間に形成される床下換気口108aの近傍に取り付けられる土台水切1(建物基礎の土台水切りの遮水装置)が開示されている。この土台水切1は、床下換気口108aと野外側との通気を可能にする開口33c(通気口)が形成されており、この開口33cを塞ぐことが可能な可動式の止水弁20cが設けられいる。
【0007】
そして、豪雨や河川の氾濫などにより建築物に水が押し寄せると、止水弁33cは屋外側から受ける水圧によりヒンジを中心に回動して開口33cを塞ぎ、床下換気口108aへの水の侵入を防止する構造となっている。
【0008】
また、特許文献2には、同様に建築物の基礎102と土台104との間に形成される床下換気通路Aの近傍に取り付けられる土台水切10(建物基礎の土台水切りの遮水装置)が開示されている。この土台水切10は、特許文献1と同様に、床下換気通路Aに連通するスリット状の開口部20(通気口)を有しており、この開口部20の下方には、開口部20を塞ぐシール部24が取り付けられた可動部材22が配置されている。
【0009】
そして、建築物が水に浸かると、可動部材22が浮上し、シール部24が下方から開口部20を塞ぐように接触することで、床下換気通路Aへの水の侵入を防ぐ構造となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の土台水切りの遮水装置においては、止水弁20cによる、床下換気口への開口の閉鎖は、押し寄せる水の水圧に頼るため、水が引かず水勢のない状態では、止水弁20cが重いと、水圧差があるとしても自重で下方に回動してしまう可能性がある。
(【0011】以降は省略されています)

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