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公開番号
2024148850
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-18
出願番号
2023062343
出願日
2023-04-06
発明の名称
シアン化水素の製造方法
出願人
株式会社レゾナック
代理人
主分類
C01C
3/02 20060101AFI20241010BHJP(無機化学)
要約
【課題】従来よりも使用される熱媒の温度を低くすることができ、熱媒コスト及び設備コストが抑えられるシアン化水素の製造方法を提供する。
【解決手段】モリブデンの酸化物を含有する触媒の存在下、反応器にメタノールと酸素とを供給しながら、気相で反応させる工程(A)と、
前記工程(A)に続いて、前記反応器にメタノールと酸素とアンモニアとを供給しながら、気相でアンモ酸化反応させる工程(B)と、を有し、
前記工程(A)及び前記工程(B)が、モリブデンの含有量が50モル%超97モル%以下である、モリブデンとチタンの混合酸化物触媒存在下、流通形式で行われることを特徴とする、シアン化水素の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
モリブデンの酸化物を含有する触媒の存在下、反応器にメタノールと酸素とを供給しながら、気相で反応させる工程(A)と、
前記工程(A)に続いて、前記反応器にメタノールと酸素とアンモニアとを供給しながら、気相でアンモ酸化反応させる工程(B)と、を有し、
前記工程(A)及び前記工程(B)が、モリブデンとチタンの合計量に対するモリブデンの含有量が50モル%超97モル%以下である、モリブデンとチタンの混合酸化物触媒存在下、流通形式で行われることを特徴とする、シアン化水素の製造方法。
続きを表示(約 270 文字)
【請求項2】
前記工程(A)における、反応開始温度が200~300℃であり、
前記工程(B)における、前記アンモ酸化反応の反応温度が270~600℃である、請求項1に記載のシアン化水素の製造方法。
【請求項3】
前記工程(A)において、熱媒によって加熱した状態で、前記メタノールと酸素との反応を開始する、
請求項1または2に記載のシアン化水素の製造方法。
【請求項4】
前記工程(A)及び前記工程(B)における気相反応が固定床流通型反応装置で行われる、請求項3に記載のシアン化水素の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シアン化水素の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ニトリル化合物は、医農薬中間体を始め、機能性樹脂の原料、染料及び顔料の原料等に有用な化合物である。これらのもっとも安価な製造方法として、アルキル基を有する有機化合物の気相アンモ酸化法が知られている。従来、アンモ酸化用触媒は種々検討され、数多くの改良が提案されてきた。
シアン化水素は、多くの精密化学品及び特殊化学品の生成に使用される重要な化合物であり、シアン化水素もアンモ酸化で製造される。シアン化水素は、例えば、メタノール、アンモニア、及び空気を原料とし、触媒を用いて流動床反応装置で製造される。
メタノールのアンモ酸化に使用される触媒については、様々な報告がある。例えば、特許文献1には、複合酸化物触媒として、モリブデン-ビスマス(Mo-Bi)系触媒を用いたシアン化水素の製造方法が提案されており、特許文献2には、鉄-アンチモン(Fe-Sb)含有の金属酸化物を焼成した触媒を用いたシアン化水素の製造方法が提案されている。また、特許文献3には、マンガン(Mn)とリン(P)とを主成分とする触媒を用いたシアン化水素の製造方法が提案されており、特許文献4には、バナジウム(V)とリン(P)とを主成分とする触媒を用いたシアン化水素の製造方法が提案されている。
前記メタノールのアンモ酸化は、いずれも400℃以上の高温で実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-97017号公報
特開平10-251012号公報
特表2010-531290号公報
特開平7-206427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、炭化水素類の気相アンモ酸化反応では、高い反応温度が必要である。メタノールのアンモ酸化は、400℃以上の高温で反応を行う。このため、反応開始前に熱媒によって反応容器を400℃以上に加熱する。そのため、アンモ酸化で反応初期に使用される熱媒は、400℃以上の高温に加熱可能な特殊なものが必要である。したがって、設備コストが増大する。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、従来よりも使用される熱媒の温度を低くすることができ、熱媒コスト及び設備コストが抑えられるシアン化水素の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、下記の発明により前記課題を解決できることを見出した。
【0007】
すなわち、本願発明は、以下に関する。
[1]モリブデンの酸化物を含有する触媒の存在下、反応器にメタノールと酸素とを供給しながら、気相で反応させる工程(A)と、
前記工程(A)に続いて、前記反応器にメタノールと酸素とアンモニアとを供給しながら、気相でアンモ酸化反応させる工程(B)と、を有し、
前記工程(A)及び前記工程(B)が、モリブデンの含有量が50モル%超97モル%以下である、モリブデンとチタンの混合酸化物触媒存在下、流通形式で行われることを特徴とする、シアン化水素の製造方法。
[2]前記工程(A)における、反応開始温度が200~300℃であり、
前記工程(B)における、前記アンモ酸化反応の反応温度が270~600℃である、上記[1]に記載のシアン化水素の製造方法。
[3]前記工程(A)において、熱媒によって加熱した状態で、前記メタノールと酸素との反応を開始する、上記[1]または[2]に記載のシアン化水素の製造方法。
[4]前記工程(A)及び前記工程(B)における気相反応が固定床流通型反応装置で行われる、上記[3]に記載のシアン化水素の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来よりも使用される熱媒の温度を低くすることができ、熱媒コスト及び設備コストが抑えられるシアン化水素の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について、一実施形態を参照しながら詳細に説明する。
<シアン化水素の製造方法>
本実施形態のシアン化水素の製造方法は、モリブデンの含有量が45モル%以上97モル%以下であるモリブデンとチタンの混合酸化物触媒存在下、反応器にメタノールと酸素とを供給しながら、気相で反応させる工程(A)と、前記工程(A)に続いて、前記反応器にメタノールと酸素とアンモニアとを供給しながら、気相でアンモ酸化反応させる工程(B)と、を有し、前記工程(A)及び前記工程(B)が流通形式で行われることを特徴とする。
【0010】
〔工程(A)〕
工程(A)では、モリブデンの酸化物を含有する触媒の存在下、反応器にメタノールと酸素とを供給しながら、気相で反応させる。当該反応は発熱反応であり、下記式(1)で示される。
CH
3
OH+O
2
→HCHO+H
2
O (1)
前記反応で生じた反応熱により反応器が加熱され、当該反応器の温度は、続く工程(B)の反応が可能な温度まで上昇する。これにより、反応初期に使用される熱媒の温度を従来よりも低くすることができる。したがって、本実施形態では、溶融塩などの高温で使用可能な特殊な熱媒を用いる必要がない。このため、低コストでシアン化水素を製造することができる。いったん、反応器の温度が、工程(B)の反応が可能な温度にまで上昇すれば、工程(B)は、反応熱により温度が保たれるので、通常の制御を行えば良く、新たに工程(A)を行う必要はない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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