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公開番号2024146155
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058890
出願日2023-03-31
発明の名称α型サイアロン蛍光体、発光装置およびα型サイアロン蛍光体の製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人
主分類C09K 11/64 20060101AFI20241004BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】例えば白色LEDの波長変換部材として用いたときに、高温環境下においても発光特性が変化しにくいα型サイアロン蛍光体を提供すること。
【解決手段】結晶欠陥の密度が、25℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、1.0×1015spins/g以下である、Eu元素を含有するα型サイアロン蛍光体。また、結晶欠陥の密度が、200℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、1.0×1015spins/g以下である、Eu元素を含有するα型サイアロン蛍光体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Eu元素を含有するα型サイアロン蛍光体であって、
前記α型サイアロン蛍光体における結晶欠陥の密度が、25℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、1.0×10
15
spins/g以下であるα型サイアロン蛍光体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
Eu元素を含有するα型サイアロン蛍光体であって、
前記α型サイアロン蛍光体における結晶欠陥の密度が、200℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、1.0×10
15
spins/g以下であるα型サイアロン蛍光体。
【請求項3】
請求項2に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
前記α型サイアロン蛍光体における結晶欠陥の密度が、25℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、1.0×10
15
spins/g以下であるα型サイアロン蛍光体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
前記α型サイアロン蛍光体における結晶欠陥の密度が、300℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、1.0×10
15
spins/g以下であるα型サイアロン蛍光体。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
前記α型サイアロン蛍光体における結晶欠陥の密度が、600℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、9.5×10
15
spins/g以下であるα型サイアロン蛍光体。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
200℃における内部量子効率が87%以上であるα型サイアロン蛍光体。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
300℃における内部量子効率が80%以上であるα型サイアロン蛍光体。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
{(24℃における内部量子効率)/(300℃における内部量子効率)}×100[%]で表される内部量子効率維持率が89%以上であるα型サイアロン蛍光体。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
{(24℃における外部量子効率)/(300℃における外部量子効率)}×100[%]で表される外部量子効率維持率が88%以上であるα型サイアロン蛍光体。
【請求項10】
発光素子と、
請求項1~3のいずれか1項に記載のα型サイアロン蛍光体を含み、前記発光素子から発せられた光を長波長化する波長変換部と、
を備える発光装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、α型サイアロン蛍光体、発光装置およびα型サイアロン蛍光体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
Euなどの希土類元素が賦活されたα型サイアロン蛍光体は、青色光を長波長光に効率よく変換できるため、白色LEDの波長変換部材に適用されている。
【0003】
α型サイアロン蛍光体は、通常、α型窒化ケイ素結晶のSi-N結合が部分的にAl-N結合とAl-O結合で置換され、電気的中性を保つために、結晶格子間に特定の元素(Ca、並びにLi、Mg、Y、又はLaとCeを除くランタニド金属)が格子内に侵入固溶した構造を有している。侵入固溶する元素の一部を発光中心となる希土類元素とすることにより蛍光特性が発現する。中でも、Caを固溶させ、その一部をEuで置換したα型サイアロン蛍光体は、紫外から青色領域の幅広い波長域で比較的効率よく励起され、黄色または橙色発光を示す。
【0004】
α型サイアロン蛍光体の蛍光特性をさらに向上させるため。様々な試みが提案されている(例えば特許文献1~3等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-96882号公報
特許第6667025号公報
特許第6785333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
α型サイアロン蛍光体を波長変換部材として用いた白色LEDを、車載用途に適用することが考えられる。
車載用途では高温下でも白色LEDの各種特性が変化しないことが求められる。しかし、本発明者らの予備的検討の結果、従来のα型サイアロン蛍光体を波長変換部材として用いた白色LEDは、高温環境下において、発光特性の変化が大きいことが明らかとなった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的の1つは、白色LEDの波長変換部材として用いたときに、高温環境下においても発光特性が変化しにくいα型サイアロン蛍光体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、以下に提供される発明を完成させ、上記課題を解決した。
【0009】
1.
Eu元素を含有するα型サイアロン蛍光体であって、
前記α型サイアロン蛍光体における結晶欠陥の密度が、25℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、1.0×10
15
spins/g以下であるα型サイアロン蛍光体。
2.
Eu元素を含有するα型サイアロン蛍光体であって、
前記α型サイアロン蛍光体における結晶欠陥の密度が、200℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、1.0×10
15
spins/g以下であるα型サイアロン蛍光体。
3.
2.に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
前記α型サイアロン蛍光体における結晶欠陥の密度が、25℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、1.0×10
15
spins/g以下であるα型サイアロン蛍光体。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載のα型サイアロン蛍光体であって、
前記α型サイアロン蛍光体における結晶欠陥の密度が、300℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、1.0×10
15
spins/g以下であるα型サイアロン蛍光体。
5.
1.~4.のいずれか1つに記載のα型サイアロン蛍光体であって、
前記α型サイアロン蛍光体における結晶欠陥の密度が、600℃において、電子スピン共鳴測定で検出されるg=2付近のシグナルのスピン密度の値として、9.5×10
15
spins/g以下であるα型サイアロン蛍光体。
6.
1.~5.のいずれか1つに記載のα型サイアロン蛍光体であって、
200℃における内部量子効率が87%以上であるα型サイアロン蛍光体。
7.
1.~6.のいずれか1つに記載のα型サイアロン蛍光体であって、
300℃における内部量子効率が80%以上であるα型サイアロン蛍光体。
8.
1.~7.のいずれか1つに記載のα型サイアロン蛍光体であって、
{(24℃における内部量子効率)/(300℃における内部量子効率)}×100[%]で表される内部量子効率維持率が89%以上であるα型サイアロン蛍光体。
9.
1.~8.のいずれか1つに記載のα型サイアロン蛍光体であって、
{(24℃における外部量子効率)/(300℃における外部量子効率)}×100[%]で表される外部量子効率維持率が88%以上であるα型サイアロン蛍光体。
10.
発光素子と、
1.~9.のいずれか1つに記載のα型サイアロン蛍光体を含み、前記発光素子から発せられた光を長波長化する波長変換部と、
を備える発光装置。
11.
焼成により、Eu元素を含有する塊状のα型サイアロン蛍光体を得る焼成工程と、
前記塊状のα型サイアロン蛍光体を粉砕して、粉末状のα型サイアロン蛍光体を得る粉砕工程と、
窒素ガス雰囲気下で、1200℃以上1700℃以下の温度範囲および5時間以上30時間以下の時間範囲で、前記粉末状のα型サイアロン蛍光体をアニールするN

アニール工程と、
水素ガス雰囲気下で、1200℃以上1700℃以下の温度範囲および5時間以上30時間以下の時間範囲で、前記粉末状のα型サイアロン蛍光体をアニールするH

アニール工程と、
前記H

アニール工程後の前記粉末状のα型サイアロン蛍光体に対して酸性水溶液を用いて酸処理を実施する酸処理工程と、
を含むα型サイアロン蛍光体の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のα型サイアロン蛍光体を波長変換部材として用いた白色LEDは、高温環境下においても発光特性が変化しにくい。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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