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公開番号2025063576
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-16
出願番号2023172910
出願日2023-10-04
発明の名称樹脂組成物、絶縁性樹脂硬化体、積層体、及び回路基板
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20250409BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高温(150℃)条件下における直流高電圧印加に対して優れた絶縁信頼性を有する絶縁層を形成可能な樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】熱硬化性樹脂と、無機充填材と、無機イオン捕捉剤と、を含有し、無機充填材が、鱗片状の粒子である第一の粒子と、鱗片状の粒子の凝集粒子である第二の粒子と、を含み、第一の粒子の含有量が、第一の粒子及び第二の粒子の合計の含有量に対して、1体積%以上60体積%以下であり、無機イオン捕捉剤の含有量が、熱硬化性樹脂の全量に対して、0.1~50質量%である、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱硬化性樹脂と、無機充填材と、無機イオン捕捉剤と、を含有し、
前記無機充填材が、鱗片状の粒子である第一の粒子と、鱗片状の粒子の凝集粒子である第二の粒子と、を含み、
前記第一の粒子の含有量が、前記第一の粒子及び前記第二の粒子の合計の含有量に対して、1体積%以上60体積%以下であり、
前記無機イオン捕捉剤の含有量が、前記熱硬化性樹脂の全量に対して、0.1~50質量%である、樹脂組成物。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記第一の粒子の平均アスペクト比が1~200であり、前記第二の粒子の平均アスペクト比が1~2である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記第一の粒子が窒化ホウ素粒子であり、X線回折測定における(002)面のピーク強度I(002)と(100)面のピーク強度I(100)の比I(002)/I(100)が50~1000であり、
前記第二の粒子が窒化ホウ素粒子であり、X線回折測定における(002)面のピーク強度I(002)と(100)面のピーク強度I(100)の比I(002)/I(100)が1~20である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記第一の粒子の平均粒子径と前記第二の粒子の平均粒子径との比が1.5以上20以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記第一の粒子の平均アスペクト比と前記第二の粒子の平均アスペクト比との比が0.01以上0.8以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記無機充填材の熱伝導率が20W/m・K以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記無機充填材の含有量が、前記樹脂組成物の全体積に対して30~70体積%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記無機イオン捕捉剤が、陰イオン交換体及び陽イオン交換体の両方、又は両イオン交換体を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記無機イオン捕捉剤が、Al、Mg、Bi、Zr、Sb、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記無機イオン捕捉剤が、Bi、Zr、Sb、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板(金属ベース回路基板)の絶縁層の製造に好適に用いられる樹脂組成物、絶縁性樹脂硬化体、積層体、及び回路基板に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
半導体素子をはじめとする電子・電気部品を搭載して混成集積回路を形成するための回路基板として、これまで様々な回路基板が実用化されている。回路基板は、基板材質に基づいて、樹脂回路基板、セラミックス回路基板、金属ベース回路基板等に分類されている。
【0003】
樹脂回路基板は、安価ではあるが基板の熱伝導性が低いので比較的小さな電力で利用される用途に制限される。セラミックス回路基板は、電気絶縁性及び耐熱性が高いというセラミックスの特徴から、比較的大きな電力で利用される用途に適するが、高価であるという欠点を有している。一方、金属ベース回路基板は、両者の中間的な性質を有し、比較的大きな電力で利用される汎用的な用途、例えば、冷蔵庫用インバーター、業務用空調用インバーター、産業用ロボット用電源、自動車用電源等の用途に好適である。
【0004】
例えば、特許文献1には、特定のエポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を必須成分とする回路基板用組成物を用いて、応力緩和性、耐熱性、耐湿性及び放熱性に優れる回路基板を得る方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-266533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セラミックス回路基板を金属ベース回路基板に代替することができれば、生産性の向上が期待できる。また、セラミックス回路基板は、ヒートサイクル時に基板上ではんだクラックが生じやすいという課題があるが、金属ベース回路基板への代替により、はんだクラックの発生抑制が期待できる。一方、セラミックス回路は、比較的大きな電力で利用される用途に適しているため、セラミックス回路基板を金属ベース回路基板に代替するにあたって、金属ベース回路基板には直流高電圧印加に対する絶縁信頼性(特に高温条件下における絶縁信頼性)の向上が求められている。
【0007】
そこで、本発明は、高温(150℃)条件下における直流高電圧印加に対して優れた絶縁信頼性を有する絶縁層を形成可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、当該樹脂組成物の硬化体である絶縁性樹脂硬化体、当該絶縁性樹脂硬化体を用いた積層体及び回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の[1]~[13]を含む。
[1] 熱硬化性樹脂と、無機充填材と、無機イオン捕捉剤と、を含有し、
前記無機充填材が、鱗片状の粒子である第一の粒子と、鱗片状の粒子の凝集粒子である第二の粒子と、を含み、
前記第一の粒子の含有量が、前記第一の粒子及び前記第二の粒子の合計の含有量に対して、1体積%以上60体積%以下であり、
前記無機イオン捕捉剤の含有量が、前記熱硬化性樹脂の全量に対して、0.1~50質量%である、樹脂組成物。
[2] 前記第一の粒子の平均アスペクト比が1~200であり、前記第二の粒子の平均アスペクト比が1~2である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記第一の粒子が窒化ホウ素粒子であり、X線回折測定における(002)面のピーク強度I(002)と(100)面のピーク強度I(100)の比I(002)/I(100)が50~1000であり、
前記第二の粒子が窒化ホウ素粒子であり、X線回折測定における(002)面のピーク強度I(002)と(100)面のピーク強度I(100)の比I(002)/I(100)が1~20である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記第一の粒子の平均粒子径と前記第二の粒子の平均粒子径との比が1.5以上20以下である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[5] 前記第一の粒子の平均アスペクト比と前記第二の粒子の平均アスペクト比との比が0.01以上0.8以下である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[6] 前記無機充填材の熱伝導率が20W/m・K以上である、[1]~[5]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[7] 前記無機充填材の含有量が、前記樹脂組成物の全体積に対して30~70体積%である、[1]~[6]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[8] 前記無機イオン捕捉剤が、陰イオン交換体及び陽イオン交換体の両方、又は両イオン交換体を含む、[1]~[7]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[9] 前記無機イオン捕捉剤が、Al、Mg、Bi、Zr、Sb、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、[1]~[8]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[10] 前記無機イオン捕捉剤が、Bi、Zr、Sb、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、[1]~[9]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[11] X線回折測定において2θ=11~15°の範囲内にピークを有する、[1]~[10]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[12] 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、[1]~[11]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[13] 共重合体を更に含有し、
前記共重合体がアニオン性基を有する(メタ)アクリル系単量体単位Aと、カチオン性基を有する(メタ)アクリル系単量体単位Bと、(メタ)アクリル系単量体単位A及び(メタ)アクリル系単量体単位B以外の(メタ)アクリル系単量体単位Cを有する、[1]~[12]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[14] [1]~[13]のいずれか一つに記載の樹脂組成物の硬化体である、絶縁性樹脂硬化体。
[15] 第一の金属層と、前記第一の金属層の一方の面上に配置された絶縁層と、前記絶縁層の前記第一の金属層とは反対側の面上に配置された第二の金属層と、を備え、
前記絶縁層が、[14]に記載の絶縁性樹脂硬化体である、積層体。
[16] 金属層と、前記金属層の一方の面上に配置された絶縁層と、前記絶縁層の前記金属層とは反対側の面上に配置された金属回路部と、を備え、
前記絶縁層が、[14]に記載の絶縁性樹脂硬化体である、回路基板。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高温(150℃)条件下における直流高電圧印加に対して優れた絶縁信頼性を有する絶縁層を形成可能な樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、当該樹脂組成物の硬化体である絶縁性樹脂硬化体、当該絶縁性樹脂硬化体を用いた積層体及び回路基板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
積層体の一実施形態を示す断面図である。
回路基板の一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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