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公開番号2025061459
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2025007291,2020122106
出願日2025-01-20,2020-07-16
発明の名称簡易鼻腔粘膜表面付着粘液の採取方法および該検体中の被検出物を検出するための検査キット
出願人デンカ株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類G01N 33/543 20060101AFI20250403BHJP(測定;試験)
要約【課題】本発明は、点鼻デバイスを用いることで非侵襲的に簡便に鼻腔粘膜表面の付着粘液を採取し、これを検体として用いることで、迅速かつ簡便で精度の高い検体中の被検出物の分析方法を提供することを目的とする。
【解決手段】感染症の疑われる被験体の鼻腔内に洗浄液を添加して鼻腔粘膜表面を洗浄して得られた鼻腔粘膜表面付着粘液を含む洗浄液を検体として用いて、感染症を検出する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
感染症の疑われるヒト被験体の鼻腔内に洗浄液を添加して鼻腔粘膜表面を洗浄して得られた鼻腔粘膜表面付着粘液を含む洗浄液を検体として用いて、ラテラルフロー式アッセイにより感染症を検出する方法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
鼻腔内に添加する洗浄液の量が300~500μLである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
鼻腔内に洗浄液を添加する方法が噴霧である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
感染症がインフルエンザウイルス感染症である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
感染症の疑われるヒト被験体の鼻腔内に洗浄液を添加して鼻腔粘膜表面を洗浄して得られた鼻腔粘膜表面付着粘液を含む洗浄液を検体として用いる感染症を検出するための検査キットであって、感染症を検出するためのラテラルフロー式アッセイ検査試薬、および鼻腔粘膜を洗浄するための洗浄液を含む点鼻デバイスを含む検査キット。
【請求項6】
点鼻デバイスは1回使い切りタイプの点鼻デバイスであり、該デバイス中に、鼻腔内に添加する洗浄液が1回分として300~500μL含まれる、請求項5記載の検査キット。
【請求項7】
鼻腔内に洗浄液を添加する方法が噴霧である、請求項5または6に記載の検査キット。
【請求項8】
感染症がインフルエンザウイルス感染症である、請求項5~7のいずれか1項に記載の検査キット。
【請求項9】
感染症の疑われるヒト被験体の鼻腔内に洗浄液を添加して鼻腔粘膜表面を洗浄することにより、鼻腔粘膜表面付着粘液を含む洗浄液を含む検体を採取する方法。
【請求項10】
鼻腔内に添加する洗浄液の量が300~500μLである、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、点鼻デバイスを用いて得られる鼻腔粘膜表面の付着粘液を検体として採取する方法および該方法により得られた検体中の被検出物を検出するための分析方法を提供するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、臨床検査、感染症等の検査を実施するために人体から検体を採取する場合、検体種として、血液、唾液、便、生検組織、角結膜ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、鼻腔吸引液、鼻腔洗浄液、鼻かみ鼻汁液など、様々な検体が利用されている。
【0003】
例えば、インフルエンザウイルスを代表とする感染症の検査においては、鼻腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、鼻腔吸引液、鼻かみ鼻汁液が広く利用され、採取した検体を用いた検査キットにより検体中のインフルエンザウイルス抗原の有無を迅速且つ簡便に判定できるため、インフルエンザウイルスの流行期には日常的に検体が採取され、検査に利用されている(特許文献1を参照)。
【0004】
鼻腔ぬぐい液は、医科用の滅菌綿棒を用いた採取が一般的であるが、綿棒を用いた検体採取は低侵襲性であると言われている一方で、検査に十分な検体を得るために鼻咽頭まで綿棒を入れ、且つ粘膜から十分な検体を採取するために強く擦過する必要があり、時に強い痛みと出血を伴うことがある。また、咽頭ぬぐい液の採取においては、口蓋扁桃や咽頭後壁を十分に擦過して検体を採取する必要があり、時に嘔吐反射を起こし、嘔吐とともに十分な量の検体を採取することは困難な場合がある。また、鼻腔吸引液は専用の吸引装置を持つ一部の医療機関でしか利用できず、また、患者の状態によっては鼻水がほとんどなく、十分な量の検体を採取することが困難な場合がある。鼻腔洗浄液はシリンジで液体を多量に鼻腔内部に挿入し、流れ出てくる液体を紙コップや鼻腔吸引液と同様に吸引装置を使って回収するが、多量に液体を鼻腔内に入れることで患者は息苦しく感じ、場合によっては挿入した液体が鼻から喉に流れてしまうことがあり、その採取は容易ではない。鼻かみ鼻汁液は鼻をかむことのできる年齢以上の患者に対してしか利用できず、鼻腔吸引液と同様に患者の状態によっては十分な量の検体を採取することが困難な場合がある。上記の理由より、インフルエンザウイルスの検査に利用される上記の鼻腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、鼻腔吸引液、鼻腔洗浄液および鼻かみ鼻汁液の5つの検体種およびその採取方法は、総じて患者への負担は決して軽いものではなく、また、患者の状態によっては所定の検体量が得られず、検査の精度への影響があるため、より侵襲性が低く、一定量の検体を安定的に採取できる検体の採取方法、検査キットが求められていた。
【0005】
また、上記のインフルエンザウイルスの検査に利用される5つの検体種およびその採取方法は、生体成分の持ち込み量が多くなり、生体成分による偽陽性、偽陰性または判定不可といった非特異反応が起きやすく、特に鼻腔洗浄液は多量の洗浄液により検体が希釈化され感度が低下する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第WO2005/121794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、点鼻デバイスを用いることで非侵襲的に簡便に鼻腔粘膜表面の付着粘液を採取し、これを検体として用いることで、迅速かつ簡便で精度の高い検体中の被検出物の分析方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、点鼻デバイスを用いて所定量の生理食塩水液を鼻腔内に噴霧し、鼻腔粘膜表面を洗って得られる付着粘液を採取することで、非侵襲的に簡便かつ安定的に該検体を採取することができ、該採取物を検体として検体中の病原体を検出するときに十分な感度が得られる測定系を確立することで、該検体の臨床検体としての有用性を見出し、簡便かつ非侵襲的な検体採取による検体中の被検出物の分析が可能となる本発明を完成した。
【0009】
本発明の態様は、以下のとおりである。
[1] 感染症の疑われる被験体の鼻腔内に洗浄液を添加して鼻腔粘膜表面を洗浄して得られた鼻腔粘膜表面付着粘液を含む洗浄液を検体として用いて、感染症を検出する方法。
[2] 鼻腔内に添加する洗浄液の量が200~800μLである、[1]の方法。
[3] 鼻腔内に洗浄液を添加する方法が噴霧である、[1]または[2]の方法。
[4] 感染症がインフルエンザウイルス感染症である、[1]~[3]のいずれかの方法。
[5] 免疫学的検出法である、[1]~[4]のいずれかの方法。
[6] 遺伝子増幅法である、[1]~[4]のいずれかの方法。
[7] 感染症の疑われる被験体の鼻腔内に洗浄液を添加して鼻腔粘膜表面を洗浄して得られた鼻腔粘膜表面付着粘液を含む洗浄液を検体として用いる感染症を検出するための検査キットであって、感染症を検出するための検査試薬、および鼻腔粘膜を洗浄するための洗浄液を含む点鼻デバイスを含む検査キット。
[8] 点鼻デバイスは1回使い切りタイプの点鼻デバイスであり、該デバイス中に、鼻腔内に添加する洗浄液が1回分として200~800μL含まれる、[7]の検査キット。
[9] 鼻腔内に洗浄液を添加する方法が噴霧である、[7]または[8]の検査キット。
[10] 感染症がインフルエンザウイルス感染症である、[7]~[9]のいずれかの検査キット。
[11] 免疫学的検査キットである、[7]~[10]のいずれかの検査キット。
[12] 遺伝子増幅用検査キットである、[7]~[10]のいずれかの検査キット。
[13] 感染症の疑われる被験体の鼻腔内に洗浄液を添加して鼻腔粘膜表面を洗浄することにより、鼻腔粘膜表面付着粘液を含む洗浄液を含む検体を採取する方法。
[14] 鼻腔内に添加する洗浄液の量が200~800μLである、[13]の方法。
[15] 鼻腔内に洗浄液を添加する方法が噴霧である、[13]または[14]の方法。
[16] 感染症がインフルエンザウイルス感染症である、[13]~[15]のいずれかの方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の方法により、鼻腔粘膜表面を洗って得られる付着粘液を含む検体から感染症の診断をおこなう方法を確立することができた。
(【0011】以降は省略されています)

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