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公開番号2025065168
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2025009291,2024574618
出願日2025-01-22,2024-07-17
発明の名称液状腐植酸、及び液状腐植酸の製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人
主分類C05F 11/02 20060101AFI20250410BHJP(肥料;肥料の製造)
要約【課題】安定して長期保存が可能な液状腐植酸を提供することを目的とする。
【解決手段】硝酸根の濃度が、2,000μg/g以下であり、塩酸を加えて前記液状腐植酸のpHを1に調整することにより、沈殿部と可溶部とに分離し、前記沈殿部の全有機炭素濃度をAmg/Lとし、前記可溶部の全有機炭素濃度をBmg/Lとしたとき、B/A×100の値が15~1000である液状腐植酸である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
液状腐植酸であって、
硝酸根の濃度が、2,000μg/g以下であり、
塩酸を加えて前記液状腐植酸のpHを1に調整することにより、沈殿部と可溶部とに分離し、前記沈殿部の全有機炭素濃度をAmg/Lとし、前記可溶部の全有機炭素濃度をBmg/Lとしたとき、B/A×100の値が15~1000である液状腐植酸。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
フミン酸及びフルボ酸を含有する液状腐植酸であって、
硝酸根の濃度が、2,000μg/g以下であり、
塩酸を加えて前記液状腐植酸のpHを1に調整することにより、前記フミン酸を含む沈殿部と前記フルボ酸を含む可溶部とに分離し、前記沈殿部の全有機炭素濃度をAmg/Lとし、前記可溶部の全有機炭素濃度をBmg/Lとしたとき、B/A×100の値が15~1000である液状腐植酸。
【請求項3】
フミン酸及びフルボ酸を含有する液状腐植酸であって、
硝酸根の濃度が、2,000μg/g以下であり、
前記フミン酸の全有機炭素濃度をCmg/Lとし、前記フルボ酸の全有機炭素濃度をDmg/Lとしたとき、D/C×100の値が15~1000である液状腐植酸。
【請求項4】
前記フミン酸の全有機炭素濃度及び前記フルボ酸の全有機炭素濃度の合計の全有機炭素濃度が、4,000~150,000mg/Lである、請求項2又は3に記載の液状腐植酸。
【請求項5】
前記フミン酸の全有機炭素濃度が、2,000~148,000mg/Lである、請求項2又は3に記載の液状腐植酸。
【請求項6】
前記フルボ酸の全有機炭素濃度が、2,000~50,000mg/Lである、請求項2又は3に記載の液状腐植酸。
【請求項7】
前記液状腐植酸中のタングステンの濃度が、5μg/g以上500μg/g以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の液状腐植酸。
【請求項8】
前記液状腐植酸中のナトリウムの濃度が、200μg/g以上3,000μg/g以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の液状腐植酸。
【請求項9】
pHが5~10である請求項1から3のいずれか1項に記載の液状腐植酸。
【請求項10】
水により希釈された請求項1から3のいずれか1項に記載の液状腐植酸。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液状腐植酸、及び液状腐植酸の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
腐植酸とは土壌中や陸水中に存在する天然の高分子有機物である。腐植酸としては、褐炭や泥炭中に含まれる腐植酸、細菌群の代謝産物由来や動植物由来の天然腐植酸等がある。腐植酸は植物に対して生育促進等の効果があるとされ、肥料用途として腐植酸を用いることが提案されている。
【0003】
腐植酸は、不溶性の画分であるヒューミンと、アルカリ可溶で酸不溶のフミン酸(腐植酸ともいう)と、酸可溶のフルボ酸に分類する事ができる。フミン酸とフルボ酸の違いは、pH1.0における溶解性の違いのみで規定されている。
【0004】
腐植酸を液体肥料として使用するために、腐植酸の効果的な抽出方法が提案されており、例えば、この腐植酸抽出液は、褐炭、亜炭等の若年炭を硝酸で酸化し得られる腐植酸粗製物から抽出することにより製造されることが記載されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-71522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液状腐植酸の製造は、特許文献1に記載されるように、亜炭と硝酸を反応させる工程を有するが、硝酸を用いて製造を行うため、製造される液状腐植酸の中に、硝酸根が残る場合がある。液状腐植酸中に硝酸根が存在すると、長期の保存により硝酸根が、硝酸ガスとして、発生することが懸念される。そのため、直射日光を避け、換気の良い冷暗所に保管する等といった、煩雑な保管対策を行う必要があった。そこで、安全に保管することができる液状腐植酸が求められていた。
また、硝酸を用いて製造を行うため、反応時にNO

ガスが発生し、環境負荷が高くなることが懸念されていた。そのため、直射日光を避け、換気の良い冷暗所に保管する等といった、煩雑な保管対策を行う必要があった。さらに、近年は環境意識の高まりから、化学肥料の削減などの動きがあり、将来的には、製造工程もよりクリーンなものを求められることが想定される。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、安定して長期保存が可能な液状腐植酸を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、環境負荷を低減した液状腐植酸の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、硝酸根の濃度を所定の濃度以下とすることで、長期保存による硝酸ガスの発生を抑制することができ、かつ、沈殿部と可溶部との全有機炭素濃度の比を所定の範囲とすることで、作物の育成にとってさらに良好なものとすることを見出し、本発明を完成させた。
また、若年炭と過酸化水素と、を金属触媒の存在下で酸化反応させる反応工程を有することで、液状腐植酸を製造することができ、NO

ガスの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]液状腐植酸であって、硝酸根の濃度が、2,000μg/g以下であり、塩酸を加えて前記液状腐植酸のpHを1に調整することにより、沈殿部と可溶部とに分離し、前記沈殿部の全有機炭素濃度をAmg/Lとし、前記可溶部の全有機炭素濃度をBmg/Lとしたとき、B/A×100の値が15~1000である液状腐植酸。
[2]フミン酸及びフルボ酸を含有する液状腐植酸であって、硝酸根の濃度が、2,000μg/g以下であり、塩酸を加えて前記液状腐植酸のpHを1に調整することにより、前記フミン酸を含む沈殿部と前記フルボ酸を含む可溶部とに分離し、前記沈殿部の全有機炭素濃度をAmg/Lとし、前記可溶部の全有機炭素濃度をBmg/Lとしたとき、B/A×100の値が15~1000である液状腐植酸。
[3]フミン酸及びフルボ酸を含有する液状腐植酸であって、硝酸根の濃度が、2,000μg/g以下であり、前記フミン酸の全有機炭素濃度をCmg/Lとし、前記フルボ酸の全有機炭素濃度をDmg/Lとしたとき、D/C×100の値が15~1000である液状腐植酸。
[4]前記フミン酸の全有機炭素濃度及び前記フルボ酸の全有機炭素濃度の合計の全有機炭素濃度が、4,000~150,000mg/Lである、[2]又は[3]に記載の液状腐植酸。
[5]前記フミン酸の全有機炭素濃度が、2,000~148,000mg/Lである、[2]又は[3]に記載の液状腐植酸。
[6]前記フルボ酸の全有機炭素濃度が、2,000~50,000mg/Lである、[2]又は[3]に記載の液状腐植酸。
[7]前記液状腐植酸中のタングステンの濃度が、5μg/g以上500μg/g以下である、[1]から[6]のいずれかに記載の液状腐植酸。
[8]前記液状腐植酸中のナトリウムの濃度が、200μg/g以上3,000μg/g以下である、[1]から[7]のいずれかに記載の液状腐植酸。
[9]pHが5~10である[1]から[8]のいずれかに記載の液状腐植酸。
[10]水により希釈された[1]から[9]のいずれかに記載の液状腐植酸。
[11]若年炭と、過酸化水素と、を金属触媒の存在下で酸化反応させる反応工程を有する、液状腐植酸の製造方法。
[12]前記若年炭が亜炭である、[11]に記載の液状腐植酸の製造方法。
[13]前記金属触媒がタングステン酸ナトリウムである、[11]又は[12]に記載の液状腐植酸の製造方法。
[14]前記反応工程は、腐植酸粗製物を調製する工程であり、前記腐植酸粗製物からアルカリにより腐植酸を抽出し、腐植酸抽出液を得る工程と、前記腐植酸抽出液を固液分離し、液状腐植酸を得る工程と、を有する、[11]から[13]のいずれかに記載の液状腐植酸の製造方法。
[15]前記若年炭と、前記過酸化水素と、の配合比を調整することで、液状腐植酸中のフルボ酸とフミン酸の量を調整する、[11]から[14]のいずれかに記載の液状腐植酸の製造方法。
[16]前記過酸化水素に対して前記若年炭の配合量を増やすことで、前記液状腐植酸中のフミン酸の量を増やし、前記若年炭に対して前記過酸化水素の配合量を増やすことで、フルボ酸の量を増やす、[15]に記載の液状腐植酸の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、安定して長期保存が可能な液状腐植酸を提供することができる。
また、環境負荷を低減した液状腐植酸の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
栽培試験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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