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公開番号2025060354
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023210125
出願日2023-12-13
発明の名称ポリクロロプレンラテックス接着剤、ポリオレフィン樹脂接着用ポリクロロプレンラテックス接着剤、接合体、及び接合体の製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類C09J 111/02 20060101AFI20250403BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】スプレー性に優れ、接着剤使用時に、接着層の乾燥時間を短くし湿潤状態であっても、ポリオレフィン樹脂と優れた接着力を有するポリクロロプレンラテックス接着剤を提供する。
【解決手段】本発明によれば、クロロプレン重合体ラテックス、粘着付与樹脂エマルジョン、及びpH調整剤を含有するポリクロロプレンラテックス接着剤であって、前記ポリクロロプレンラテックス接着剤に含まれる、前記クロロプレン重合体ラテックスを固形分換算で100質量部としたとき、前記粘着付与樹脂エマルジョンを固形分換算で1~100質量部含有し、前記pH調整剤は、有機酸であり、前記ポリクロロプレンラテックス接着剤のpHは、7~10であり、前記ポリクロロプレンラテックス接着剤を固形分濃度53質量%に調整して試験用ポリクロロプレンラテックス接着剤を得た時、前記試験用ポリクロロプレンラテックス接着剤をマーロン式試験装置を用いて荷重1.0kg、回転数1000rpmのせん断力を2分間加えて凝集物を生成し、生成した凝集物をSUS80メッシュ金網上に採取し、純水洗浄、減圧乾燥を行って質量を計測し、以下の式により算出される凝集物発生率が1~20%である、
凝集物発生率(%)=凝集物乾燥質量[g]/試験用ポリクロロプレンラテックス接着剤の固形分質量[g]×100
ポリクロロプレンラテックス接着剤が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
クロロプレン重合体ラテックス、粘着付与樹脂エマルジョン、及びpH調整剤を含有するポリクロロプレンラテックス接着剤であって、
前記ポリクロロプレンラテックス接着剤に含まれる、前記クロロプレン重合体ラテックスを固形分換算で100質量部としたとき、
前記粘着付与樹脂エマルジョンを固形分換算で1~100質量部含有し、
前記pH調整剤は、有機酸であり、
前記ポリクロロプレンラテックス接着剤のpHは、7~10であり、
前記ポリクロロプレンラテックス接着剤を固形分濃度53質量%に調整して試験用ポリクロロプレンラテックス接着剤を得た時、
前記試験用ポリクロロプレンラテックス接着剤をマーロン式試験装置を用いて荷重1.0kg、回転数1000rpmのせん断力を2分間加えて凝集物を生成し、生成した凝集物をSUS80メッシュ金網上に採取し、純水洗浄、減圧乾燥を行って質量を計測し、以下の式により算出される凝集物発生率が1~20%である、
凝集物発生率(%)=凝集物乾燥質量[g]/試験用ポリクロロプレンラテックス接着剤の固形分質量[g]×100
ポリクロロプレンラテックス接着剤。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記クロロプレン重合体ラテックスが、トルエン不溶分が20質量%以下である、請求項1に記載のポリクロロプレンラテックス接着剤。
【請求項3】
前記粘着付与樹脂エマルジョンは、ロジン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、及び石油系樹脂からなる群から選択される1種以上を含む、請求項2に記載のポリクロロプレンラテックス接着剤。
【請求項4】
前記pH調整剤は、ヒドロキシ酸、ホウ酸、及びアミノ酸からなる群から選択される1種以上を含む、
請求項1に記載のポリクロロプレンラテックス接着剤。
【請求項5】
前記ポリクロロプレンラテックス接着剤に含まれる、前記クロロプレン重合体ラテックスを固形分換算で100質量部としたとき、
前記pH調整剤を固形分換算で0.1~30質量部、
含有する、請求項1に記載のポリクロロプレンラテックス接着剤。
【請求項6】
前記ポリクロロプレンラテックス接着剤に含まれる、前記クロロプレン重合体ラテックスを固形分換算で100質量部としたとき、
可塑剤を固形分換算で0.1~100質量部、
含有する、請求項1に記載のポリクロロプレンラテックス接着剤。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載のポリクロロプレンラテックス接着剤であって、被着体の少なくとも一方をポリオレフィン樹脂とする、ポリオレフィン樹脂接着用ポリクロロプレンラテックス接着剤。
【請求項8】
請求項7に記載のポリクロロプレンラテックス接着剤であって、被着体の一方をポリオレフィン樹脂とし、被着体の他方を不織布とする、ポリオレフィン樹脂接着用ポリクロロプレンラテックス接着剤。
【請求項9】
ポリオレフィン樹脂により構成される被着体と、不織布により構成される被着体と、を請求項1~請求項6の何れか1つに記載のポリクロロプレンラテックス接着剤によって貼り合わせた接合体。
【請求項10】
塗布工程と、乾燥工程と、接合工程と、を備え、
前記塗布工程では、被着体の少なくとも一方に請求項1~請求項6の何れか1つに記載のポリクロロプレンラテックス接着剤を塗布し、
前記乾燥工程では、前記ポリクロロプレンラテックス接着剤が塗布された被着体を所定時間放置し、
前記接合工程では、前記所定時間放置した被着体を他の被着体と貼り合わせて接合体とし、
前記所定時間は、1分以上~10分未満である、
接合体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリクロロプレンラテックス接着剤、ポリオレフィン樹脂接着用ポリクロロプレンラテックス接着剤、接合体、及び接合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
ポリクロロプレンラテックスは土木建築、合板、家具、靴、ウェットスーツなどの水系接着剤、作業用手袋、実験用手袋、医療用手袋、風船などの浸漬成型品、土木、建築などの防水塗膜など、様々な分野で利用されている。このうち水系接着剤(ポリクロロプレンラテックス接着剤)は、水系であるため安全性が高く、被着体適応性の広さや接着性のバランスの良さから種々の用途への検討が盛んに行われている。
【0003】
ポリオレフィン樹脂は耐水性、耐薬品性を有し、軽量かつ強靭であることから、自動車内装材料や電気絶縁材料、日用雑貨などの各種成型品の材料として幅広く用いられているが、ポリオレフィン樹脂のような、表面に極性基が存在せず分極性の小さい物質に対しては、極めて接着が困難である。また、ポリオレフィン樹脂等の接着ができないと、ポリクロロプレンラテックス接着剤を適用可能な製品や製造工程が非常に制限されるなどの課題がある。
【0004】
また、一般に、ポリクロロプレンラテックス接着剤は、接合する被着体の双方に塗布し、これら接着層を乾燥した後に貼り合わせることにより、貼り合わせ直後から高い接着性を発現する。こうした特徴から、水系コンタクト型接着剤として利用が期待されている反面、乾燥時間が必要となるために、接着剤を塗布してから接着するのに時間を要すること、また乾燥時間を短縮するには特殊な乾燥設備が必要となりコストアップにつながるなどの課題があった。
【0005】
ポリオレフィン樹脂との接着性を向上させる手段として、クロロプレン重合体ラテックスに塩素化ポリオレフィン樹脂エマルジョンを添加したクロロプレンゴムラテックス接着剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、ポリクロロプレンラテックス接着剤は、被着体への塗布をスプレーにより行うことがあり、スプレー性が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2018/043586号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、スプレー性に優れ、接着剤使用時に、接着層の乾燥時間を短くし湿潤状態であっても、ポリオレフィン樹脂と優れた接着力を有するポリクロロプレンラテックス接着剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、クロロプレン重合体ラテックスに特定の粘着付与樹脂エマルジョン、及び特定のpH調整剤を加え、pH及び機械的安定性を所定の範囲としたポリクロロプレンラテックス接着剤により、前記課題が達成されることを見出した。
【0010】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
[1]クロロプレン重合体ラテックス、粘着付与樹脂エマルジョン、及びpH調整剤を含有するポリクロロプレンラテックス接着剤であって、
前記ポリクロロプレンラテックス接着剤に含まれる、前記クロロプレン重合体ラテックスを固形分換算で100質量部としたとき、前記粘着付与樹脂エマルジョンを固形分換算で1~100質量部含有し、前記pH調整剤は、有機酸であり、
前記ポリクロロプレンラテックス接着剤のpHは、7~10であり、
前記ポリクロロプレンラテックス接着剤を固形分濃度53質量%に調整して試験用ポリクロロプレンラテックス接着剤を得た時、前記試験用ポリクロロプレンラテックス接着剤をマーロン式試験装置を用いて荷重1.0kg、回転数1000rpmのせん断力を2分間加えて凝集物を生成し、生成した凝集物をSUS80メッシュ金網上に採取し、純水洗浄、減圧乾燥を行って質量を計測し、以下の式により算出される凝集物発生率が1~20%である、
凝集物発生率(%)=凝集物乾燥質量[g]/試験用ポリクロロプレンラテックス接着剤の固形分質量[g]×100
ポリクロロプレンラテックス接着剤。
[2]前記クロロプレン重合体ラテックスが、トルエン不溶分が20質量%以下である、[1]に記載のポリクロロプレンラテックス接着剤。
[3]前記粘着付与樹脂エマルジョンは、ロジン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、及び石油系樹脂からなる群から選択される1種以上を含む、[1]又は[2]に記載のポリクロロプレンラテックス接着剤。
[4]前記pH調整剤は、ヒドロキシ酸、ホウ酸、及びアミノ酸からなる群から選択される1種以上を含む、[1]~[3]の何れか1つに記載のポリクロロプレンラテックス接着剤。
[5]前記ポリクロロプレンラテックス接着剤に含まれる、前記クロロプレン重合体ラテックスを固形分換算で100質量部としたとき、前記pH調整剤を固形分換算で0.1~30質量部、含有する、[1]~[4]の何れか1つに記載のポリクロロプレンラテックス接着剤。
[6]前記ポリクロロプレンラテックス接着剤に含まれる、前記クロロプレン重合体ラテックスを固形分換算で100質量部としたとき、可塑剤を固形分換算で0.1~100質量部、含有する、[1]~[5]の何れか1つに記載のポリクロロプレンラテックス接着剤。
[7][1]~[6]の何れか1つに記載のポリクロロプレンラテックス接着剤であって、被着体の少なくとも一方をポリオレフィン樹脂とする、ポリオレフィン樹脂接着用ポリクロロプレンラテックス接着剤。
[8][1]~[7]の何れか1つに記載のポリクロロプレンラテックス接着剤であって、被着体の一方をポリオレフィン樹脂とし、被着体の他方を不織布とする、ポリオレフィン樹脂接着用ポリクロロプレンラテックス接着剤。
[9]ポリオレフィン樹脂により構成される被着体と、不織布により構成される被着体と、を[1]~[8]の何れか1つに記載のポリクロロプレンラテックス接着剤によって貼り合わせた接合体。
[10]塗布工程と、乾燥工程と、接合工程と、を備え、前記塗布工程では、被着体の少なくとも一方に[1]~[8]の何れか1つに記載のポリクロロプレンラテックス接着剤を塗布し、前記乾燥工程では、前記ポリクロロプレンラテックス接着剤が塗布された被着体を所定時間放置し、前記接合工程では、前記所定時間放置した被着体を他の被着体と貼り合わせて接合体とし、前記所定時間は、1分以上~10分未満である、接合体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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