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公開番号2024127529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023036739
出願日2023-03-09
発明の名称球状金属Siフィラー、及びその製造方法、並びに樹脂組成物
出願人デンカ株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類C01B 33/02 20060101AFI20240912BHJP(無機化学)
要約【課題】熱伝導率に優れた樹脂組成物を与えることができる球状金属Siフィラー、及びその製造方法、並びにその球状金属Siフィラーを含む樹脂組成物を提供する。
【解決手段】粒子表面にN-Si結合が存在し、X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.02以上である、球状金属Siフィラーとする。X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.06以上であることが好ましい。平均円形度が0.70以上であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
粒子表面にN-Si結合が存在し、X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.02以上である、球状金属Siフィラー。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.06以上である、請求項1に記載の球状金属Siフィラー。
【請求項3】
平均円形度が0.70以上である、請求項1又2に記載の球状金属Siフィラー。
【請求項4】
比表面積が1.0m

/g以下である、請求項1又2に記載の球状金属Siフィラー。
【請求項5】
JIS Z8729による色差b
*
値が1以上かつ10未満である、請求項1又2に記載の球状金属Siフィラー。
【請求項6】
Feの含有量が3000ppm以下である、請求項1又は2に記載の球状金属Siフィラー。
【請求項7】
樹脂と、請求項1又は2に記載の球状金属Siフィラーとを含む、樹脂組成物。
【請求項8】
熱プラズマ法により金属Siの球状化をすること、及び
分級により粒径1μm未満の微粒を除去することを含む、球状金属Siフィラーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、球状金属Siフィラー、及びその製造方法、並びに樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、5G高速通信下での通信量の増大に伴い通信機器の発熱量が増加しているなど、より高性能な各種放熱部材が求められている。放熱部材に用いる樹脂充填剤(フィラー)として、アルミナフィラー等の酸化物フィラーや、窒化アルミニウムや窒化ケイ素等の窒化物フィラーが広く用いられている。
【0003】
しかし、酸化物フィラーは、熱伝導率が低いため、樹脂との混合物として5W/mK以上の熱伝導率を達成することが難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、熱伝導性に優れた樹脂組成物を与えることができる球状金属Siフィラー、及びその製造方法、並びにその球状金属Siフィラーを含む樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、球状金属Siフィラーの粒子表面にN-Si結合が存在し、特定の数値以上の原子組成比N/Siを有する球状金属Siフィラーであれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1]粒子表面にN-Si結合が存在し、X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.02以上である、球状金属Siフィラー。
[2]X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.06以上である、[1]に記載の球状金属Siフィラー。
[3]平均円形度が0.70以上である、[1]又は[2]に記載の球状金属Siフィラー。
[4]比表面積が1.0m

/g以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の球状金属Siフィラー。
[5]JIS Z8729による色差b
*
値が1以上かつ10未満である、[1]~[4]のいずれかに記載の球状金属Siフィラー。
[6]Feの含有量が3000ppm以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の球状金属Siフィラー。
[7]樹脂と、[1]~[6]のいずれかに記載の球状金属Siフィラーとを含む、樹脂組成物。
[8]熱プラズマ法により金属Siの球状化をすること、及び分級により粒径1μm未満の微粒を除去することを含む、球状金属Siフィラーの製造方法。特に、熱プラズマ法により金属Siの球状化をすること、及び分級により粒径1μm未満の微粒を除去することを含む、[1]~[7]のいずれかに記載の球状金属Siフィラーの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、熱伝導性に優れた樹脂組成物を与えることができる球状金属Siフィラー、及びその製造方法、並びにその球状金属Siフィラーを含む樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。また、特定のパラメータについて、複数の上限値及び下限値が記載されている場合、これらの上限値及び下限値の内、任意の上限値と下限値とを組合せて好適な数値範囲とすることができる。一実施形態について記載した特定の説明が他の実施形態についても当てはまる場合には、他の実施形態においてはその説明を省略している場合がある。本開示において数値範囲についての「X~Y」との表現は、「X以上Y以下」であることを意味している。
【0008】
[球状金属Siフィラー]
本実施形態に係る球状金属Siフィラーは、粒子表面にN-Si結合が存在し、X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.02以上である。粒子表面にN-Si結合が存在し、X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.02以上であることにより、本実施形態に係る球状金属Siフィラーは、熱伝導性に優れた樹脂組成物を与えることができる。本明細書において「フィラー」とは、充填剤を意味する。本明細書において「球状金属Siフィラー」とは、充填剤として用いられる球状金属Si粒子単体及びその集合体の両方を意味する。すなわち、「球状金属Siフィラー」は物質として球状金属Si粒子と同じものを意味する。本明細書において、「球状」とは、走査型電子顕微鏡を用いて10,000倍で観察したときに円形状又は丸みを帯びた粒形状に観察されることを意味する。
【0009】
球状金属Siフィラーは、原料である金属Siを球状化して得られる。原料金属Siは、不純物を含み得るが、純度が98%以上のものが好ましく、純度が99%以上のものがより好ましく、純度が99.5%以上のものがさらに好ましく、純度が99.9%以上のものであってもよい。球状化の方法については後述する。
【0010】
(X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Si)
X線光電子分光法により測定したN
1s
ピーク強度から算出した半定量値とSi
2s
ピーク強度から算出した半定量値のN/Si比が0.02以上である球状金属Siフィラーは、驚くべきことに、充填剤として用いたときに熱伝導性により優れた樹脂組成物を与えることができる。
本明細書において、「X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Si」とは、シャーリー法でバックグラウンドを取り、N
1s
及びSi
2s
ピーク強度から算出した半定量値を算出し、N
1s
/Si
2s
比を算出することにより求められる値を意味する。
本明細書において、「シャーリー法」とは、バックグラウンドの原因となる非弾性散乱電子に対し、エネルギー依存性は無いこと、又、非弾性散乱する電子数はピーク強度に比例するということを仮定して、差し引かれるバックグラウンドの形状を決定する方法を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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