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公開番号2024065752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022174768
出願日2022-10-31
発明の名称試験片の裁断装置
出願人個人
代理人弁理士法人豊栖特許事務所
主分類B26F 1/44 20060101AFI20240508BHJP(切断手工具;切断;切断機)
要約【課題】試験片の試験領域の上下の横幅の寸法誤差を減少して、試験領域を高い寸法精度で裁断する。
【解決手段】裁断装置は、受け台5と、試験素材6を試験領域7Xの両端に連結部7Yを有する試験片7に裁断する打抜刃物1と、駆動機構4とを備える。打抜刃物1は、試験片7の両側縁を裁断する一対の長い刃2と、試験片7の両端縁を裁断する短い刃3とを備え、一対の長い刃2は、試験領域7Xの両側を裁断する中央の刃部2Xと、連結部2Yの両側を裁断する両端の刃部2Yとを備え、中央の刃部2Xは、刃先部10に外側刃面11を設けてなる片刃の刃物であり、一対の中央の刃部2Xは裁断された試験片7が案内される圧入スペース16の内側間隔(d)が、刃先10aから上に向かって狭くなる上窄みテーパー部15を有してなり、長い刃2は裁断されて圧入される試験片7で外側に押圧されて、上窄みテーパー部15の内側間隔(d)が弾性的に拡開する金属板である。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
打抜刃物で試験素材を試験片に裁断する装置であって、
以下の全ての構成を備えることを特徴とする試験片の裁断装置。
(1)前記試験素材をセットする受け台と、
前記受け台にセットされた前記試験素材を、試験領域の両端に連結部を有する前記試験片に裁断する打抜刃物と、
前記打抜刃物の刃先を前記試験素材に押し付け前記試験片に裁断する駆動機構とを備える。
(2)前記打抜刃物は、
前記試験片の両側縁を裁断する一対の長い刃と、
前記長い刃の両端部に連結されて前記試験片の両端縁を裁断する短い刃とを備える。
(3)一対の前記長い刃は、前記試験領域の両側を裁断する中央の刃部と、
前記連結部の両側を裁断する両端の刃部とを備える。
(4)前記中央の刃部は、刃先部に外側刃面を設けてなる片刃の刃物である。
(5)一対の前記中央の刃部は、
裁断された前記試験片が案内される圧入スペースの内側間隔(d)が、
前記刃先から上に向かって狭くなる上窄みテーパー部を有する。
(6)前記長い刃は、
裁断されて前記上窄みテーパー部に圧入される前記試験片で外側に押圧されて、
前記上窄みテーパー部の前記内側間隔(d)が弾性的に拡開する金属板である。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
請求項1に記載の裁断装置であって、
前記中央の刃部の内面全体が、
前記上窄みテーパー部であることを特徴とする試験片の裁断装置。
【請求項3】
請求項1に記載の裁断装置であって、
前記上窄みテーパー部の上下幅が、
前記中央の刃部の上下幅の1/3以上の領域であることを特徴とする試験片の裁断装置。
【請求項4】
請求項1に記載の裁断装置であって、
前記上窄みテーパー部の上下幅が、
裁断される前記試験片の厚さよりも広いことを特徴とする試験片の裁断装置。
【請求項5】
請求項1に記載の裁断装置であって、
前記上窄みテーパー部の傾斜角(α)が0.2度以上であることを特徴とする試験片の裁断装置。
【請求項6】
請求項1に記載の裁断装置であって、
前記上窄みテーパー部の傾斜角(α)が0.3度以上であることを特徴とする試験片の裁断装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の裁断装置であって、
前記打抜刃物の前記刃先が、
内面に微少刃面を設けてなる片刃であることを特徴とする試験片の裁断装置。
【請求項8】
請求項7に記載の裁断装置であって、
前記微少刃面の上下幅が、
前記上窄みテーパー部の上下幅の1/3以下である試験片の裁断装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムやプラスチック等の試験素材を試験片に裁断する装置に関し、とくに厚い試験素材を高い寸法精度で試験片に裁断できる裁断装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
種々の用途に使用される試験素材は、JIS規格に基づいて引張試験や衝撃試験等の各種試験が行われる。たとえば、タイヤやコンベアベルトなどに使用されるゴム状弾性体、あるいは地中に埋設されるプラスチック製の埋設管等に使用される素材は、引張試験の測定において、試験素材を試験片に裁断する必要がある。ゴム状弾性体やプラスチックなどの試験素材は、横幅をJIS規格に適合する寸法に裁断して物性がテストされる。
【0003】
試験片は、主として、中央部の試験領域の両端部に横幅の広い連結部を設けているダンベル形状に裁断して使用される。ダンベル形状の試験片は、幅の広い連結部を引張試験器などで掴んで、一定の横幅に裁断している試験領域の引張強度を測定できるので、試験領域の横幅が狭い試験片においても、試験機に確実に連結できる。試験素材をダンベル形状の試験片に裁断する装置はすでに開発されている(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載する裁断装置は、基台上に前後にスライド移動可能に配設されたスライドベースと、スライドベース上に水平回転可能に配設された回転ベースと、回転ベースの上に試験素材を固定保持するクランプ機構と、回転ベースの上方に位置して基台に取り付けられ、試験素材の打ち抜き加工を行うカッター装置とから試験片打ち抜き装置が構成される。カッター装置は、基台に固定されて下方に伸縮可能なシリンダロッドを有する昇降シリンダと、シリンダロッドの下端部に長手方向に延びて取り付けられた薄刃状の打抜刃物とを有する。
【0005】
以上の公報に記載される裁断装置は、試験片の両側を1枚の刃物で別々に裁断するので、ひとつの試験片を裁断するために、2回の裁断工程が必要である。とくに、ダンベル形状の試験片を裁断するには、試験素材又は打抜刃物のいずれかを180度回転して2回に裁断する必要がある。したがって、裁断装置が複雑となり、さらに試験片を裁断するタクトタイムも長くなって能率よく多量生産できない。さらに、ダンベル形状の試験片の両側を別々に裁断するので、裁断されるダンベル形状の寸法誤差、とくにダンベル形状の中央部に設けている試験領域の横幅を高い精度で裁断するのが難しい。それは、2回に裁断工程において、刃物が試験素材を裁断する位置ずれが、試験領域の横幅の寸法精度を低下させる原因となるからである。刃物の裁断位置を高い寸法精度とする装置は、機械的に可動する刃物や試験素材の移動位置を高い精度とすることから、高い加工精度が要求され製造コストが高くなる。また、以上の装置は機構も複雑になって製造コストはさらに高くなる欠点がある。
【0006】
さらに、従来の裁断装置は、ダンベル形状の試験片は、両側が直線状でなく中央部に凹部を設けて形状であるので、刃物を変形して試験素材を裁断する必要がある。したがって、弾性変形できる薄い刃物を使用して裁断するので、刃物の寿命が短く、刃物交換などのメンテナンスにも手間がかかる欠点がある。
【0007】
本発明者は以上の欠点を解消することを目的として、1回の裁断で試験素材を試験片に裁断できる筒状の打抜刃物を開発した(特許文献2)。この打抜刃物901は、1回のプレスで試験素材906を試験片に打ち抜きして能率よく試験片を裁断できることに加えて、さらに、試験片の全周を同時に裁断して、試験片全体を高い寸法精度で裁断できる。この打抜刃物901は、刃先で試験素材906を裁断しながら、裁断された試験片を刃先の内側に挿入する。試験片を刃先の内側にスムーズに挿入するので、刃物は内周面を同一平面の筒状として、外側の下端縁部には外側刃面911を設けた片刃とする必要がある。この打抜刃物901は、筒状の刃先が試験素材906に押し付けられて、外形を規定の寸法とする試験片を裁断し始めるが、試験素材906が厚くなるに従って、試験領域907Xの下部の横幅(W2)が次第に狭くなり、試験領域907Xの上部の横幅(W1)と下部の横幅(W2)の差が大きくなる弊害がある。それは、図11に示すように、片刃の刃物が試験素材906を裁断する状態で、矢印Aで示すように、試験素材6が刃物を外側から内側に向けた水平方向に押圧する側圧が作用するからである。打抜刃物901は、刃先910aを試験素材906の表面に押し付け、試験素材906を打抜刃物901の厚さに相当する分だけ変位させながら食い込ませながら試験素材906を裁断していく。その際、片刃の打抜刃物901は、外側の外側刃面911の方が内側の垂直面よりも大きな抵抗を受ける。刃先部10の外側刃面911に、試験素材906の外側から内側に押圧する側圧(矢印A)が作用し、刃先910aの裁断進行方向を垂直方向よりも内側にずらせ、刃先910aを鎖線矢印の方向に向かわせる。側圧は、刃先910aの裁断方向を垂直方向から内側にずらせて試験領域907Xの横幅(W)を狭くする。その結果、試験領域907Xの上部の横幅(W1)と下部の横幅(W2)の差、各々の誤差が大きくなる。試験片は、引張試験などの試験対象の領域である試験領域の横幅の寸法精度が特に重要である。試験領域の横幅の寸法誤差が引張試験などにおいて、測定強度などの誤差の原因となるからである。厚みのある試験素材において、試験領域の横幅の寸法精度をJIS規定の誤差範囲内に収めることができない場合に、厚みを薄くして誤差を小さくするため、例えば半分の厚みのものを2枚重ねて試験片とする対応では、正確な引張試験などデータを得ることはできない。打抜刃物で裁断する試験片の寸法精度、とくに試験領域の寸法精度を高くするために、打抜刃物では試験領域の横幅を規定の寸法よりも広く裁断し、後加工で試験領域の側面を除去して、規定の寸法に修正している。したがって、打抜刃物は能率よく試験片を裁断できるが、規定の寸法に修正するのに手間がかかる欠点がある。
【0008】
以上の弊害を解消するために、特許文献2の打抜刃物901は、試験領域907Xの横幅(W)を所定の寸法に近づけるために、刃先910aの内周縁部に、極めて微少な微少刃面912を設けている。この打抜刃物901は、微少刃面912を設けない片刃の刃先に比べ、裁断される試験片の下部の横幅(W2)の縮小を抑制できる。しかしながら、この打抜刃物901は、厚みのある試験素材906を裁断して、試験片の横幅(W)を規定の寸法とすることが難しい。それは、厚い試験素材906を裁断して、試験片の横幅(W)を規定の寸法にするには、微少刃面912を外側刃面911に近似する状態として、片刃の刃先を両刃の刃先とする必要があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2000-210899号公報
特開2022-66073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
打抜刃物は、試験素材を裁断された試験片が内側に挿入されることから、裁断した試験片をスムーズに取り出しできるように、刃先を片刃とするが、片刃の刃先は試験素材を垂直方向には裁断できず、裁断された試験片の下部の横幅が上部の横幅よりも狭くなって、上下を同一寸法に打ち抜きできない。
(【0011】以降は省略されています)

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