公開番号2024056769 公報種別公開特許公報(A) 公開日2024-04-23 出願番号2024014993,2022111373 出願日2024-02-02,2018-05-08 発明の名称ベータ脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的に活性なカソード材料を含む電池 出願人デュラセル、ユーエス、オペレーションズ、インコーポレーテッド 代理人個人,個人,個人,個人 主分類H01M 4/52 20100101AFI20240416BHJP(基本的電気素子) 要約【課題】電池用の電気化学的に活性なカソード材料を提供する。 【解決手段】電気化学的に活性なカソード材料は、非化学量論的なベータ脱リチウム化層状酸化ニッケルを含む。非化学量論的なベータ脱リチウム化層状酸化ニッケルは化学式を有する。化学式は、LixAyNi1+a-zMzO2・nH2Oであり、式中、xは約0.02から約0.20までであり、yは約0.03から約0.20までであり、aは約0.02から約0.2までであり、zは約0から約0.2までであり、nは約0から約1までである。化学式中、Aはアルカリ金属である。アルカリ金属は、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびこれらの任意の組み合わせを含む。化学式中、Mはアルカリ土類金属、遷移金属、非遷移金属、およびこれらの任意の組み合わせを含む。 【選択図】図1 特許請求の範囲【請求項1】 カソード材料を調製する方法であって、 ペルオキシ二硫酸ナトリウム、ペルオキシ二硫酸カリウム、ペルオキシ二硫酸アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、二クロム酸ナトリウム、二クロム酸カリウム、およびそれらの組み合わせの群から選択される酸化剤を用いて、一般式Li 1-a Ni 1+a-z M z O 2 を構成する非化学量論的なニッケル酸リチウムを酸化することであって、当該式中、0.02≦a<0.2および0≦z<0.2であり、一般式Li x H w Ni 1+a-z M z O 2 を構成する非化学量論的なアルファ脱リチウム化層状酸化ニッケルを提供し、この式中、0.02≦x≦0.2、0≦w≦0.2、および0.02≦a≦0.2、0≦z<0.2である、こと、を含む、方法。 続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】 前記非化学量論的なニッケル酸リチウムが式Li x H w Ni 1+a O 2 を構成するように、zが0であり、この式中、0.02≦x≦0.2、0≦w≦0.2、および0.02≦a≦0.2である、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記酸化剤が、ペルオキシ二硫酸ナトリウム、ペルオキシ二硫酸カリウム、ペルオキシ二硫酸アンモニウム、およびそれらの組み合わせの群から選択される、請求項1または請求項2に記載の方法。 【請求項4】 aが0.03から0.15までである、請求項1または2に記載の方法。 【請求項5】 xが0.05から0.12までである、請求項1または2に記載の方法。 【請求項6】 前記非化学量論的なアルファ脱リチウム化層状酸化ニッケルを水酸化物水溶液で処理することをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。 【請求項7】 前記水酸化物水溶液が、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、またはそれらの組み合わせを含む、請求項6に記載の方法。 【請求項8】 前記水酸化物水溶液の濃度が約0.5Mから約10Mである、請求項6に記載の方法。 【請求項9】 アルカリ一次電池を製造する方法であって、 ペルオキシ二硫酸塩、一過硫酸塩、または、それらの組み合わせを含む酸化剤を用いて、一般式Li x H w Ni 1+a-z M z O 2 を構成する非化学量論的なニッケル酸リチウムを酸化することを含む処理によってカソード活物質を調製することであって、この式中、0.02≦a<0.2および0≦z<0.2であり、一般式Li x H w Ni 1+a-z M z O 2 を構成するアルカリ金属欠陥酸化ニッケル電気化学的に活性なカソード材料を提供し、この式中、0.02≦x≦0.2、0≦w≦0.2、および0.02≦a≦0.2、0≦z<0.2である、ことと、 前記カソード材料をカソードに組み込むことと、 前記カソードを前記電池に組み込むことと、 アノードを前記電池に組み込むことと、 水系アルカリ電解質を前記電池に組み込むことと、を含む方法。 【請求項10】 前記非化学量論的なニッケル酸リチウムが式Li x H w Ni 1+a O 2 を構成するように、zが0であり、この式中、0.02≦x≦0.2、0≦w≦0.2、および0.02≦a≦0.2である、請求項9に記載の方法。 (【請求項11】以降は省略されています) 発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 関連出願の相互参照 本出願は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、2017年5月9日に出願された米国仮特許出願第62/503,829号の米国特許法119条(e)に基づく利益を主張する。 続きを表示(約 3,000 文字)【0002】 本発明は、電気化学的に活性なカソード材料に関し、より具体的には、非化学量論的なベータ脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的に活性なカソード材料およびこれを含む電池に関する。 【背景技術】 【0003】 電気化学セル、すなわち電池は、電気エネルギー源として一般に使用されている。電池は、通常アノードと呼ばれる負極と、通常カソードと呼ばれる正極とを含む。アノードは、酸化され得る電気化学的に活性なアノード材料を含む。カソードは、還元され得る電気化学的に活性なカソード材料を含む。電気化学的に活性なアノード材料は、電気化学的に活性なカソード材料を還元することができる。アノードとカソードの間には、セパレータが配置されている。イオン伝導性電解質溶液が、カソード、アノード、およびセパレータと密接な接触状態にある。電池の構成要素は、典型的には金属で作られた缶、すなわちハウジング内に配置される。 【0004】 電池が、電子装置において電気エネルギー源として使用される場合、アノードおよびカソードに電気的に接続されて、装置に電子を流し、各極の酸化反応および還元反応を発生させて電子装置に電力を提供する。電解質が、アノード、カソードおよびセパレータと接触している。電解質は、放電中に電池全体の荷電平衡を維持するように、アノードとカソードとの間でセパレータを通って流れるイオンを含む。 【0005】 電池を、玩具、リモコン、オーディオ装置、懐中電灯、デジタルカメラおよび写真撮影の周辺装置、電子ゲーム、歯ブラシ、ラジオ、時計などの最新の電子装置への電力供給により適した電池を製造することがますます必要とされている。この必要を満たすために、電池は、容量および耐用寿命を増加させるように、高充填量の電気化学的に活性なアノードおよび/またはカソード材料を含み得る。しかしながら、電池はまた、決まった外形寸法および制約された内容積を有する、単3、単4、単6、単2および単1の電池サイズなどの、共通のサイズで提供される。よって、より性能の良好な電池を達成するために電気化学的活物質の充填量のみを増加させる能力は限られている。 【0006】 電池の電気化学的に活性なカソード材料は、性能を高めるために調整され得るもう1つの設計上の特徴である。例えば、より大きい体積容量および重量容量を有する電気化学的活物質は、より性能の良好な電池をもたらし得る。同様に、より高い酸化状態を有する電気化学的活物質もまた、より性能の良好な電池をもたらし得る。しかしながら、選択される電気化学的活物質は、電池が電力供給し得る装置に許容される閉路電圧、すなわち動作電圧の範囲を提供しなければならない。電池の開路電圧(OCV)または動作電圧が高すぎる場合、装置が損傷する可能性がある。反対に、電池の動作電圧が低すぎる場合、装置が全く機能しない可能性がある。 【0007】 加えて、高酸化状態の遷移金属酸化物などの電気化学的に活性なカソード材料は、反応性が高い場合がある。そのような電気化学的に活性なカソード材料の高い反応性は、電気化学的に活性なカソード材料が電池内に組み込まれ、電解質溶液と接触したときにガス発生の原因となり得る。発生したガスは、カソード内の導通などの構造的完全性の問題、および/または電池からの電解質の漏出をもたらす電池内の圧力の増加につながり得る。高酸化状態の遷移金属酸化物は、他の電池構成要素、導電性炭素添加剤、例えばグラファイト、他の添加剤、例えば(1つまたは複数の)界面活性剤、および/またはセパレータなどとの有害な反応も引き起こし得る。高酸化状態の遷移金属酸化物はまた、電解質と反応する傾向を有する場合もあり、これは、カソード膨張などの電池内の他の構造的な問題や、電池内の好ましくない水分バランスをもたらす水の消費につながり得る。また、電気化学的に活性なカソード材料として高酸化状態の遷移金属酸化物を含む電池は、例えば、電池が長期間にわたって保管されると熱力学的不安定性を呈し、高い自己放電率を呈する場合がある。加えて、電池の電気化学的活物質の含有量に対する含水量と水酸化カリウム含有量の両方の比率を、電気化学的に活性な電極材料の両方の利用を最大化するために適切にバランスさせる必要がある。さらに、電気化学的活物質の含有量に対する含水量と水酸化カリウム含有量の両方の適切な比率を選択することによって、複数の放電率レジームにわたって電池性能が向上し得る。 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 上述した必要に対処する電池用の電気化学的に活性なカソード材料を提供する必要がある。本発明の非化学量論的なベータ脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的に活性なカソード材料は、とりわけ、これらの必要に対処する。 【課題を解決するための手段】 【0009】 一実施形態において、本発明は電池を対象とする。電池は、カソードと、アノードと、カソードとアノード間のセパレータと、電解質とを含む。カソードは、導電性添加剤と電気化学的に活性なカソード材料とを含む。電気化学的に活性なカソード材料は、非化学量論的なベータ脱リチウム化層状酸化ニッケルを含む。非化学量論的なベータ脱リチウム化層状酸化ニッケルは化学式を有する。化学式は、Li x A y Ni 1+a-z M z O 2 ・nH 2 Oであり、式中、xは約0.02から約0.20までであり、yは約0.03から約0.20までであり、aは約0.02から約0.2までであり、zは約0から約0.2までであり、nは約0から約1までである。化学式中、Aはアルカリ金属である。アルカリ金属は、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびこれらの任意の組み合わせを含む。化学式中、Mはアルカリ土類金属、遷移金属、非遷移金属、およびこれらの任意の組み合わせを含む。アルカリ土類金属は、マグネシウム、カルシウム、およびそれらの組み合わせを含むことができる。遷移金属は、コバルト、マンガン、チタン、イットリウム、およびこれらの組み合わせを含むことができる。非遷移金属は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、スズ、およびこれらの任意の組み合わせを含むことができる。アノードは、電気化学的に活性なアノード材料を含む。電気化学的に活性なアノード材料は、亜鉛、亜鉛合金、およびこれらの任意の組み合わせを含む。 【0010】 別の実施形態において、本発明は、層状結晶構造を有する非化学量論的なベータ脱リチウム化層状酸化ニッケルを含む電気化学的に活性なカソード材料を対象とし、層状結晶構造は複数のNiO 2 層を含む格子を特徴とし、NiO 2 格子は、秩序化O1型層積層構成と、少なくとも1つのO3型層積層欠陥と、少なくとも1つのガンマオキシ水酸化ニッケル(γ-NiOOH)様の層積層欠陥とを含む。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する