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公開番号2024054613
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022160949
出願日2022-10-05
発明の名称ハイブリッド車の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類B60W 10/06 20060101AFI20240410BHJP(車両一般)
要約【課題】燃料に含まれるアルコールの霧化あるいは揮発の活発化による電動機の回転数の過回転を防止する。
【解決手段】電動機をフィードフォワード制御とフィードバック制御とによって行うコントローラを有し、コントローラは、内燃機関1の温度を検出する温度検出部(ステップS2)と、温度検出部によって検出された前記内燃機関の温度が予め定めた所定温度より低温の場合に補正値を算出する補正値算出部(ステップS3)と、補正値によってフィードフォワード制御による制御量を補正値によって増大補正する補正部(ステップS4)と、温度検出部によって検出された前記温度が前記所定温度以上の場合には前記補正部による前記補正を解除する補正解除部(ステップS5)とを備えている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
アルコールを含む燃料を使用する内燃機関と、前記内燃機関の回転数を制御する発電機能のある電動機とを駆動力源として備え、前記電動機による前記内燃機関の制御を前記内燃機関の運転状態に基づくフィードフォワード制御と前記内燃機関もしくは前記電動機の目標回転数と実回転数との偏差に基づくフィードバック制御とによって行うハイブリッド車の制御装置であって、
前記電動機を前記フィードフォワード制御と前記フィードバック制御とによって行うコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記内燃機関の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部によって検出された前記内燃機関の温度が予め定めた所定温度より低温の場合に補正値を算出する補正値算出部と、
前記補正値によって前記フィードフォワード制御による制御量を前記補正値によって増大補正する補正部と、
前記温度検出部によって検出された前記温度が前記所定温度以上の場合には前記補正部による前記補正を解除する補正解除部と
を備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関(エンジン)と電動機とを駆動力源として備えているハイブリッド車の制御装置に関し、特にアルコールを一部添加している燃料を使用するエンジンを搭載しているハイブリッド車における電動機の回転数を制御する装置に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
アルコールを含む燃料を使用するエンジンと、モータとを駆動力源としたハイブリッド車の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたハイブリッド車は、エンジンとモータ・ジェネレータとをクラッチを介して連結し、かつモータ・ジェネレータと変速機とを他のクラッチによって連結し、その変速機から駆動輪に駆動力を出力するように構成されている。これらエンジンとモータ・ジェネレータとからなる駆動力源の出力トルクは、概略、以下のように制御される。駆動力源の目標トルクは、アクセル開度に基づいて求める。その目標トルクに、エンジンの目標トルク(エンジン目標トルク)とモータ・ジェネレータの目標トルク(モータ目標トルク)との和が一致するように、エンジン目標トルクおよびモータ目標トルクを制御する。エンジンを制御する制御部は、例えば所定の満充填時理論噴射量とエンジン負荷率とに基づいて基本噴射量を算出する。また、そのエンジン制御部は、空燃比と目標空燃比とに基づいて、燃料噴射量を補正するための空燃比補正値を算出するフィードバック制御を実施する。そして、これら基本噴射量と、空燃比補正値とに加えて希釈学習値に基づいて燃料噴射量を算出する。なお、希釈学習値は、エンジンオイルに混入してエンジンオイルを希釈する燃料の量に基づく学習値であり、希釈燃料量が所定値以上であり、かつ空燃比補正値がリッチ判定値以下であれば、エンジンオイルから蒸発して吸気側に戻る燃料の量が増えるので、空燃比に影響が出る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-189026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載されている装置では、エンジンオイルから蒸発することにより吸気に供給される燃料の量を考慮して燃料噴射量を補正している。したがって空燃比あるいは燃料噴射量を、駆動要求に即して制御し、過不足のない出力トルクとすることができる。しかしながら、アルコールの含有量がある程度多い燃料を使用する場合、シリンダの内部で霧化あるいは蒸発するアルコールの量が温度によって大きく変化するので、エンジン温度の変化によって実質的な空燃比が急激に変化して、エンジン回転数やその出力トルクが急激に変化し、そのためにエンジン回転数を制御しているモータ・ジェネレータの回転数が急激に増大するなどのおそれがある。例えば、エンジンの出力側にモータ・ジェネレータを連結し、あるいは遊星歯車機構からなる動力分割機構を介してエンジンとモータ・ジェネレータとを連結したハイブリッド車において、モータ・ジェネレータを発電機として機能させることにより、エンジンに対して負荷トルクを掛けてその回転数を制御している場合、エンジンの温度が低くて燃料に含まれるアルコールが十分に霧化あるいは蒸発しない状態から、エンジン温度が次第に上昇すると、所定の温度に達した時点にアルコールの霧化あるいは蒸発が活発に生じて実質的な燃料量が増えて空燃比がリッチ側に変化する。その結果、出力トルクが増大してエンジン回転数が増大しようとするのに対して、モータ・ジェネレータによる回転数制御は、エンジン回転数が目標回転数から外れたことに基づいて実行されるので、その回転数制御に遅れが生じ、結局、モータ・ジェネレータの回転数が一時的に過剰に増大し、ひいてはハイブリッド車としての燃費あるいは電費が悪化する可能性がある。
【0005】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、エンジンの回転数を制御する電動機の回転数が、燃料に含まれるアルコールの霧化あるいは蒸発の状態の変化に起因して異常になることを回避もしくは抑制することのできるハイブリッド車の制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明は、アルコールを含む燃料を使用する内燃機関と、前記内燃機関の回転数を制御する発電機能のある電動機とを駆動力源として備え、前記電動機による前記内燃機関の制御を前記内燃機関の運転状態に基づくフィードフォワード制御と前記内燃機関もしくは前記電動機の目標回転数と実回転数との偏差に基づくフィードバック制御とによって行うハイブリッド車の制御装置であって、前記電動機を前記フィードフォワード制御と前記フィードバック制御とによって行うコントローラを有し、前記コントローラは、前記内燃機関の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部によって検出された前記内燃機関の温度が予め定めた所定温度より低温の場合に補正値を算出する補正値算出部と、前記補正値によって前記フィードフォワード制御による制御量を前記補正値によって増大補正する補正部と、前記温度検出部によって検出された前記温度が前記所定温度以上の場合には前記補正部による前記補正を解除する補正解除部とを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明では、アルコールを含む燃料を使用する内燃機関の回転数を電動機によって制御する。その回転数の制御は、内燃機関の出力トルクに基づくフィードフォワード制御と、目標回転数と実回転数との偏差に基づくフィードバック制御とによって行う。内燃機関の温度が低温である場合には、フィードフォワード制御での制御量が、補正値によって増大補正される。すなわち、フィードバック制御によって制御する量が、上記の補正を行わない場合より少なくなる。これに対して内燃機関の温度が所定温度以上に高い場合には、上記の補正値による補正が解除される。したがって、内燃機関の運転を開始してその温度が次第に高くなり、内燃機関の温度が所定温度を超える時点では、電動機の制御量のうちフィードバック制御による制御量が小さくなっている。そのため、内燃機関の温度の上昇によってアルコールの霧化あるいは蒸発が活発になり、それに伴って内燃機関の出力トルクが増大した場合、内燃機関の出力トルクに基づくフィードフォワード制御量が大きくなっているので、電動機の制御量が内燃機関の出力トルクの増大に対して特に遅れを生じることなく追従して増大する。その結果、電動機の回転数が一時的であっても過剰に増大することを回避もしくは抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
この発明の実施形態を説明するための模式的なブロック図である。
この発明の実施形態での制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
つぎに、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態はこの発明を実施した場合の一例に過ぎないのであって、この発明を限定するものではない。
【0010】
図1にこの発明で対象とするハイブリッド車における内燃機関(以下、エンジンと記す)1の一例を示しており、シリンダ2の内部を図1の上下方向に上下動するピストン3とシリンダヘッド4との間の部分が燃焼室であり、そのシリンダヘッド4には吸気管5と排気管6とが連通している。また、吸気管5の開口端である吸気ポートを開閉する吸気バルブ7が設けられ、排気管6の開口端である排気ポートを開閉する排気バルブ8が設けられている。なお、図1で符号「9」は点火栓である。
(【0011】以降は省略されています)

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