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公開番号2024053772
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022160189
出願日2022-10-04
発明の名称蓄電デバイスの製造方法及び蓄電デバイス
出願人プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社,トヨタ自動車株式会社,プライムアースEVエナジー株式会社
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類H01M 50/184 20210101AFI20240409BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】蓋部材と端子部材との間を絶縁する樹脂部材の外表面のうち、レーザ光の散乱光が直接届く散乱光到達表面に、焦げ部が生じるのを抑制できる蓄電デバイスの製造方法等を提供すること。
【解決手段】蓄電デバイス1の製造方法は、蓋アセンブリ7のうち蓋部材30で本体部材20の開口部21を塞ぐ閉塞工程S2と、本体部材20の開口部21及び蓋部材30の周縁部31を全周にわたりレーザ溶接する溶接工程S3とを備える。樹脂部材70,80は、外表面70m,80mのうち、レーザ光LBの散乱光LCが直接届く散乱光到達表面70ma,80maの少なくとも一部を、表面粗度Raが0.6μm以下の平滑化領域FMとしてなる。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
開口部を有する有底筒状の本体部材、及び、上記開口部を閉塞する形態で上記本体部材に全周にわたりレーザ溶接された蓋部材を有するケースと、
上記蓋部材を蓋厚み方向に貫通する挿通孔内に挿通された端子部材と、
上記蓋部材の上記挿通孔を囲む挿通孔周囲部と上記端子部材との間を絶縁しつつ、上記蓋部材の上記挿通孔周囲部及び上記端子部材にそれぞれ接合した樹脂部材と、を備える
蓄電デバイスの製造方法であって、
上記蓋部材に上記樹脂部材を介して上記端子部材を一体化した蓋アセンブリのうち上記蓋部材で、上記本体部材の上記開口部を塞ぐ閉塞工程と、
上記本体部材の上記開口部及び上記蓋部材の周縁部にレーザ光を照射し、上記開口部及び上記周縁部を全周にわたりレーザ溶接して、上記ケースを形成する溶接工程と、を備え、
上記樹脂部材は、
上記ケースの外部に露出する外表面のうち、上記本体部材の上記開口部及び上記蓋部材の周縁部のうち上記レーザ光が照射された被照射部位から放射される散乱光が直接届く散乱光到達表面の少なくとも一部を、表面粗度Raが0.6μm以下の平滑化領域としてなる
蓄電デバイスの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
前記閉塞工程に先立って、前記蓋部材の前記挿通孔内に前記端子部材を挿通した状態で、前記樹脂部材をインサート成形して、前記蓋アセンブリを形成する蓋アセンブリ形成工程を更に備え、
上記蓋アセンブリ形成工程は、
上記樹脂部材の前記外表面を成形する表面成形面のうち、前記平滑化領域を成形する平滑化領域成形面を鏡面仕上げとした金型を用いて、上記平滑化領域を含む上記樹脂部材を成形する
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
前記樹脂部材は、
前記外表面の全面を、前記平滑化領域としてなる
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
前記閉塞工程に先立って、前記蓋部材の前記挿通孔内に前記端子部材を挿通した状態で、前記樹脂部材をインサート成形して、前記蓋アセンブリを形成する蓋アセンブリ形成工程を更に備え、
上記蓋アセンブリ形成工程は、
上記樹脂部材の前記外表面を成形する表面成形面の全面を鏡面仕上げとした金型を用いて、上記外表面の全面が前記平滑化領域となった上記樹脂部材を成形する
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項5】
開口部を有する有底筒状の本体部材、及び、上記開口部を閉塞する形態で上記本体部材に全周にわたりレーザ溶接された蓋部材を有するケースと、
上記蓋部材を蓋厚み方向に貫通する挿通孔内に挿通された端子部材と、
上記蓋部材の上記挿通孔を囲む挿通孔周囲部と上記端子部材との間を絶縁しつつ、上記蓋部材の上記挿通孔周囲部及び上記端子部材にそれぞれ接合した樹脂部材と、を備える
蓄電デバイスであって、
上記樹脂部材は、
上記ケースの外部に露出する外表面のうち、上記本体部材の上記開口部及び上記蓋部材の周縁部のうちレーザ光が照射された被照射部位から放射される散乱光が直接届く散乱光到達表面の少なくとも一部を、表面粗度Raが0.6μm以下の平滑化領域としてなる
蓄電デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の蓄電デバイスであって、
前記樹脂部材は、
前記外表面の全面を、前記平滑化領域としてなる
蓄電デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースに樹脂部材を介して端子部材が固設された、電池やキャパシタなどの蓄電デバイスの製造方法及び蓄電デバイスに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
蓄電デバイスとして、直方体箱状のケースに樹脂部材を介して正負の端子部材がそれぞれ固設された角形の電池が知られている。具体的には、ケースは、矩形環状の開口部を有する有底角筒状の本体部材と、開口部を閉塞する形態で本体部材に全周にわたりレーザ溶接された矩形板状の蓋部材とからなる。また正負の端子部材は、蓋部材に穿設された一対の挿通孔内にそれぞれ挿通されて、ケース内部からケース外部に延びている。そして、一対の樹脂部材が、蓋部材と正負の端子部材との間をそれぞれ絶縁しつつ、蓋部材及び端子部材にそれぞれ接合している。関連する従来技術として、例えば特許文献1が挙げられる(特許文献1の図1、図2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-086813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような電池の製造過程において、予め端子部材を固設しておいた蓋部材で、本体部材の開口部を塞ぎ、本体部材の開口部と蓋部材の周縁部とを全周にわたりレーザ溶接する際に、レーザ光の散乱光が、蓋部材と端子部材との間を絶縁する樹脂部材の外表面に直接届いて、この散乱光が直接届いた散乱光到達表面に、焦げ部が生じることがある。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、本体部材と蓋部材とをレーザ溶接してケースを形成する際に、蓋部材と端子部材との間を絶縁する樹脂部材の外表面のうち、レーザ光の散乱光が直接届く散乱光到達表面に、焦げ部が生じるのを抑制することができる蓄電デバイスの製造方法及び蓄電デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するための本発明の一態様は、開口部を有する有底筒状の本体部材、及び、上記開口部を閉塞する形態で上記本体部材に全周にわたりレーザ溶接された蓋部材を有するケースと、上記蓋部材を蓋厚み方向に貫通する挿通孔内に挿通された端子部材と、上記蓋部材の上記挿通孔を囲む挿通孔周囲部と上記端子部材との間を絶縁しつつ、上記蓋部材の上記挿通孔周囲部及び上記端子部材にそれぞれ接合した樹脂部材と、を備える蓄電デバイスの製造方法であって、上記蓋部材に上記樹脂部材を介して上記端子部材を一体化した蓋アセンブリのうち上記蓋部材で、上記本体部材の上記開口部を塞ぐ閉塞工程と、上記本体部材の上記開口部及び上記蓋部材の周縁部にレーザ光を照射し、上記開口部及び上記周縁部を全周にわたりレーザ溶接して、上記ケースを形成する溶接工程と、を備え、上記樹脂部材は、上記ケースの外部に露出する外表面のうち、上記本体部材の上記開口部及び上記蓋部材の周縁部のうち上記レーザ光が照射された被照射部位から放射される散乱光が直接届く散乱光到達表面の少なくとも一部を、表面粗度Raが0.6μm以下の平滑化領域としてなる蓄電デバイスの製造方法である。
【0007】
上述の蓄電デバイスの製造方法では、外表面の散乱光到達表面の少なくとも一部を、表面粗度Raが0.6μm以下の平滑化領域とした樹脂部材を有する蓋アセンブリを用いる。これにより、溶接工程において、平滑化領域では、レーザ光の散乱光が直接届いても反射され易く、樹脂部材に吸収され難くなる。このため、平滑化領域で焦げ部が生じ難く、散乱光到達表面に焦げ部が生じるのを抑制することができる。
【0008】
なお、樹脂部材の外表面のうち「平滑化領域」とするのは、散乱光到達表面の少なくとも一部であればよく、散乱光到達表面の一部のみでもよいし、散乱光到達表面の全面でもよく、更には、散乱光到達表面を含む外表面の全面でもよい。また平滑化領域の表面粗度Raは、0.3μm以下、更には0.1μm以下とするのが好ましい。レーザ光の散乱光が平滑化領域で更に反射され易くなって、平滑化領域で焦げ部が更に生じ難くなるからである。
【0009】
また、散乱光到達表面など樹脂部材の外表面の表面粗度Raを0.6μm以下とする手法としては、例えば以下の手法が挙げられる。
(1)樹脂部材を成形する金型のうち、樹脂部材の外表面を成形する表面成形面を鏡面加工する。
(2)樹脂部材の外表面を研磨する。
(3)樹脂部材の外表面を薬剤で処理する。
(4)樹脂部材の外表面に赤外線を照射して表面を溶融させる。
(5)樹脂部材の外表面に熱板を押し付けて表面を溶融させる。
また、樹脂部材の外表面の表面粗度Raは、公知の接触式粗さ計で測定することができる。また、公知の非接触式粗さ計で測定することもできる。
「蓄電デバイス」としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタ、全固体電池などが挙げられる
【0010】
(2)更に(1)に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、前記閉塞工程に先立って、前記蓋部材の前記挿通孔内に前記端子部材を挿通した状態で、前記樹脂部材をインサート成形して、前記蓋アセンブリを形成する蓋アセンブリ形成工程を更に備え、上記蓋アセンブリ形成工程は、上記樹脂部材の前記外表面を成形する表面成形面のうち、前記平滑化領域を成形する平滑化領域成形面を鏡面仕上げとした金型を用いて、上記平滑化領域を含む上記樹脂部材を成形する蓄電デバイスの製造方法とすると良い。
(【0011】以降は省略されています)

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