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公開番号2024047655
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-08
出願番号2022153269
出願日2022-09-27
発明の名称二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを用いたフィルムロール
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20240401BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
エラー信号の抑制に優れた表面形態と、かつ長尺のフィルムをコアに巻き取る際にシワや帯電による変形欠陥が発生しにくい巻取り性を両立し、温湿度に対する寸法安定性にも優れた二軸配向ポリエステルフィルムおよび、それをコアに巻き取ってなるフィルムロールを提供することにある。
【解決手段】
二軸配向ポリエステルフィルムであって、一方の表面を形成するA層と、他方の表面を形成するB層の少なくとも2層から構成され、いずれかの表面において、高さ0.5μm以上の突起個数が1.0個/100cm2以下、高さ0.3μm以上、0.5μm未満の突起個数が7.0個/100cm2以上24.0個/100cm2以下であり、B層表面(B面)の表面平均粗さSRaBが5nm以上8nm以下かつ、A層表面(A面)の表面平均粗さSRaAよりも大きく、10点平均粗さSRzが80nm以上180nm以下である二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
二軸配向ポリエステルフィルムであって、一方の表面を形成するA層と、他方の表面を形成するB層の少なくとも2層から構成され、いずれかの表面において、高さ0.5μm以上の突起個数が1.0個/100cm

以下、高さ0.3μm以上、0.5μm未満の突起個数が7.0個/100cm

以上24.0個/100cm

以下であり、B層表面(B面)の表面平均粗さSRaBが5nm以上8nm以下かつ、A層表面(A面)の表面平均粗さSRaAよりも大きく、10点平均粗さSRzが80nm以上180nm以下である二軸配向ポリエステルフィルム。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記B層は少なくとも1種類以上の不活性粒子を含有し、前記粒子の平均粒子径は50nm以上500nm以下であり、前記B層の厚み(tB)と前記粒子の平均粒子径の最大値(dB)の比が2.0≦tB/dB≦5.0である請求項1に記載の二軸配向ポリステルフィルム。
【請求項3】
幅方向の湿度膨張係数が0ppm/%RH以上6.5ppm/%RHである請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項4】
幅方向の温度膨張係数が-3.0ppm/℃以上4.0ppm/℃以下である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項5】
総厚さが3μm以上5μm以下である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項6】
請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルムを9000m以上コアに巻き取ってなるフィルムロール。
【請求項7】
フィルムの変形を伴う欠陥を伴わずに70%以上の巻取り収率で請求項6に記載のフィルムロールを製造するフィルムロールの製造方法。
【請求項8】
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルがエチレンテレフタレートまたはエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリマーである請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項9】
塗布型デジタル記録方式の磁気記録媒体用ベースフィルムに用いられる請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、寸法安定性および表面性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関するものであり、データストレージなどの塗布型磁気記録媒体のベースフィルムに好適に用いることができる二軸配向ポリエステルフィルムおよび、それをコアに巻き取ってなるフィルムロールに関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
フィルム(特にポリエステルフィルム)はその優れた機械特性、電気的性質、寸法安定性、耐熱性、透明性、及び耐薬品性などから、各種工業材料用途、包装材料用途に使用されており、データストレージなどの塗布型磁気記録媒体のベースフィルムとしてもその有用性はよく知られている。
【0003】
磁気記録媒体においては常に高密度記録化が要求されており、その達成方法として一般にトラック数を増加させること、記録波長の短波長化、1巻あたりのテープ長を長くすることが知られている。
【0004】
トラック数を多くすると1トラックあたりの幅が狭くなるため、僅かな寸法変化がデータ欠落の原因となることがあり、テープ幅方向の寸法安定性の制御が重要となる。このような寸法変化は、熱収縮等の不可逆的変化と温度、湿度による膨張、収縮等の可逆的変化に分けられる。不可逆的変化はないことが好ましいが、加工工程でアニール等の処理により取り除くことができる。これに対して、可逆的変化は容易に取り除くことができないために、保存時に温度、湿度が変化するとフィルムの膨張や収縮が起こり、記録データが本来あるべき位置からずれることにより、読み取れなくなることがある。上記課題を解決するために、あらゆる環境変化に対応できるような温湿度領域で優れた寸法安定性を有するポリエステルフィルム(例えば特許文献1、2)が検討されている。
【0005】
また、磁気記録媒体に用いるベースフィルムは、一般に磁性面側となる平滑面と、走行面となる粗面のそれぞれを構成する2層以上の構造を持つことが一般的であるが、粗面側の突起がテープ加工時に平滑面側に転写して磁性面側の平滑性が低下することによってエラー信号が発生する(ミッシングパルス)問題があり、1トラックあたりの幅が狭くなると、より小さな突起でもテープの品質に影響を与えやすくなる。これに対して、これまで特許文献3~6に示されるような粗面に添加する粒子を微細化することや、粗面を構成する層厚みを制御することで粗面側の突起を制御し、磁性面側への転写を抑えられるフィルムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-163020号公報
特開2015-25047号公報
特開2019-155592号公報
特開2012-153100号公報
特開2020-164807号公報
特開2021-111431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、近年の記録容量が18TBを超えるような次世代データストレージテープ(例えばLTO9,10)用のベースフィルムとしては、エラー信号課題を解決しつつ生産性を両立できる表面構成を得られていないのが実情である。
【0008】
ベースフィルムの製造工程や加工工程における走行性、巻取り性を担保するためにベースフィルム中に粒子などを添加することが一般的であるが、前記エラー信号課題を解決するためにベースフィルム表面を平滑化すると、走行性、巻取り性が悪化する。その結果、ベースフィルムの製造工程や、所定の幅、長さに裁断しつつコアにベースフィルムを巻き取るスリット工程で、ベースフィルムにシワや帯電による変形欠陥が発生しやすくなり、生産性が悪化し、安定供給ができなくなる問題が発生する。
【0009】
記憶容量の増大に伴い、ベースフィルムの表面がより平滑になるだけでなく、磁気記録媒体そのものの厚みは薄くなり、テープ一巻あたりの巻長さも長尺化されるが、それに併せてベースフィルムの生産においても1製品辺りの巻長さは長尺化する必要がある。短尺であれば表面の平滑化による生産性への影響は受けにくいが長尺化するほど、表面の平滑性と生産性との関係はより顕著になる。
【0010】
本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、データストレージテープとしたときのエラー信号の抑制に優れた表面形態と、かつ長尺のフィルムをコアに巻き取る際にシワや帯電による変形欠陥が発生しにくい巻取り性を両立し、温湿度に対する寸法安定性にも優れた二軸配向ポリエステルフィルムおよび、それをコアに巻き取ってなるフィルムロールを製品として提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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