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公開番号2024049345
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2023145837
出願日2023-09-08
発明の名称繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 63/00 20060101AFI20240402BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
本発明は、繊維強化複合材料用途に好適に用いることができる、弾性率、強度、および硬化性、耐熱性に優れた繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、下記構成要素[A]~[C]を含み、かつ、下記条件(1)および(2)を満たす繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
[A]:エポキシ樹脂、
[B]:酸無水物硬化剤、
[C]:沸点が130℃以上、かつ、分子量mが50~250g/molの化合物であって、分子内にエポキシ基を有さず、実質的にエポキシ樹脂の硬化能を有さない、かつ、実質的に酸無水物硬化剤との反応性を有さない化合物。
(1):構成要素[C]が分子内に水素結合ドナーと水素結合アクセプターの両方を少なくとも1つずつ含む。
(2):構成要素[C]を、構成要素[A]100質量部に対して1~20質量部含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記構成要素[A]~[C]を含み、かつ、下記条件(1)および(2)を満たす繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
[A]:エポキシ樹脂、
[B]:酸無水物硬化剤、
[C]:沸点が130℃以上、かつ、分子量mが50~250g/molの化合物であって、分子内にエポキシ基を有さず、実質的にエポキシ樹脂の硬化能を有さない、かつ、実質的に酸無水物硬化剤との反応性を有さない化合物。
(1):構成要素[C]が分子内に水素結合ドナーと水素結合アクセプターの両方を少なくとも1つずつ含む。
(2):構成要素[C]を、構成要素[A]100質量部に対して1~20質量部含む。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の樹脂弾性率が3.5GPa以上である、請求項1に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
構成要素[C]として、アミド化合物、脂肪族ウレア化合物、スルホンアミド化合物、イミド化合物から選択される少なくとも1つの化合物またはその誘導体のいずれかを含む、請求項1に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
構成要素[D]硬化促進剤として、イミダゾール化合物、三級ホスフィン、四級ホスホニウム塩から選択される少なくとも1つの化合物またはその誘導体を含む、請求項1に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物と、連続強化繊維とを含んで構成される繊維強化複合材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、航空宇宙用途、一般産業用途およびスポーツ用途などの繊維強化複合材料に好適に用いられる、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、ならびに該エポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維やアラミド繊維などを強化繊維として用いた繊維強化複合材料は、その高い比強度、比弾性率を利用して、航空機や自動車などの構造材料や、テニスラケット、ゴルフシャフト、釣り竿、自転車、筐体などのスポーツ、一般産業用途などに広く利用されている。この繊維強化複合材料に用いられる樹脂組成物としては、耐熱性や生産性の観点から主に熱硬化性樹脂が用いられ、中でも強化繊維との接着性などの力学特性の観点からエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
【0003】
繊維強化複合材料の製造には、プリプレグ法、シートモールディングコンパウンド法、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、引抜成形法およびRI(Resin Infusion:樹脂注入)成形法などの方法が適用される。中でも、近年は生産性の観点で、強化繊維に樹脂組成物を含浸後に短時間で成形、硬化を行う、フィラメントワインディング法、引抜成形法およびRI成形法が好ましく用いられる。その場合、マトリックス樹脂として用いるエポキシ樹脂は硬化性に優れることが要求される。しかし、硬化性に優れるエポキシ樹脂では、強化繊維に含浸するまでの樹脂流動時間が不足する場合があることが課題であった。
【0004】
また、さらなる軽量化が求められる用途へ繊維強化複合材料を適用するには各種物性の向上も必要である。そのため、繊維強化複合材料の各種機械特性向上を目的として、マトリックス樹脂として用いるエポキシ樹脂の硬化物(以下、エポキシ樹脂硬化物ということがある。)について、弾性率、強度の向上が要求されている。しかしながら、高い弾性率を有するエポキシ樹脂硬化物は一般に脆く、強度が低くなる傾向にある。このため、樹脂硬化物について高い弾性率、強度を同時に向上することが技術的な課題であった。
【0005】
これらの課題の改善を図るため、様々な検討がなされている。例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として酸無水無物を適用し、さらに溶剤に溶解させた促進剤を組み合わせることで、比較的低温で迅速に硬化反応を進行させる手法が検討されている(特許文献1)。また、酸無水物硬化剤、促進剤にさらに芳香環を持つポリオールを配合することで硬化性と強化繊維への含浸性を両立する手法が検討されている(特許文献2)。また、芳香族ジアミンを硬化剤として適用した時に、エポキシ樹脂と芳香族ジアミンとの反応で形成される架橋構造に取り込まれることなく、その空隙部に存在することでエポキシ樹脂硬化物の弾性率を向上させる成分を配合して樹脂強度の向上を図る手法が検討されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表平11-507978号公報
特開2010-163573号公報
国際公開第2021/095629号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術を用いた場合、得られる樹脂硬化物や繊維強化複合材料の機械特性は十分とは言えず、さらなる機械特性の向上が必要であった。また、特許文献2の技術を用いた場合、優れた硬化性と含浸性を両立することができるが、弾性率や強度の向上については何ら考慮されておらず、やはりさらなる機械特性の向上が可能な技術が求められていた。また、特許文献3の技術を用いた場合、得られる樹脂硬化物は優れた弾性率や強度を有するものの、比較的低温での硬化性には劣る場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、繊維強化複合材料用途に好適に用いることができる、弾性率、強度、および硬化性、耐熱性に優れた繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、かかる課題を解決するために次のような手段を採用するものである。
1. 下記構成要素[A]~[C]を含み、かつ、下記条件(1)および(2)を満たす繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
[A]:エポキシ樹脂、
[B]:酸無水物硬化剤、
[C]:沸点が130℃以上、かつ、分子量mが50~250g/molの化合物であって、分子内にエポキシ基を有さず、実質的にエポキシ樹脂の硬化能を有さない、かつ、実質的に酸無水物硬化剤との反応性を有さない化合物。
(1):構成要素[C]が分子内に水素結合ドナーと水素結合アクセプターの両方を少なくとも1つずつ含む。
(2):構成要素[C]を、構成要素[A]100質量部に対して1~20質量部含む。
2. 前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の樹脂弾性率が3.5GPa以上である、上記1に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
3. 構成要素[C]として、アミド化合物、脂肪族ウレア化合物、スルホンアミド化合物、イミド化合物から選択される少なくとも1つの化合物またはその誘導体のいずれかを含む、上記1または2に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
4. 構成要素[D]硬化促進剤として、イミダゾール化合物、三級ホスフィン、四級ホスホニウム塩から選択される少なくとも1つの化合物またはその誘導体を含む、上記1~3のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
5. 上記1~4のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物と、連続強化繊維とを含んで構成される繊維強化複合材料。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、繊維強化複合材料用途に好適に用いることができる、弾性率、強度、および硬化性、耐熱性に優れた繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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