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公開番号2024041103
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-27
出願番号2022145743
出願日2022-09-14
発明の名称スラリー含浸シートの製造装置
出願人東レ株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類B05C 9/06 20060101AFI20240319BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】スラリーの含浸量が均一なスラリー含浸シートを、生産性よく製造可能なスラリー含浸シートの製造装置を提供する。
【解決手段】本発明のスラリー含浸シートの製造装置は、繊維シートまたは多孔質シートを搬送する搬送装置と、前記繊維シートまたは多孔質シートに溶媒または第1のスラリーを塗布する第1塗布装置と、前記繊維シートまたは多孔質シートに第2のスラリーを計量塗布する第2塗布装置と、前記繊維シートまたは多孔質シートに外力を与えて粒子を前記繊維シートまたは多孔質シートの内部に含浸する含浸装置と、前記繊維シートまたは多孔質シートに外力を与えて余分な溶媒またはスラリーを絞る絞り装置と、前記絞り装置でシートから絞られた溶媒またはスラリーを、前記第1塗布装置に還流する還流装置と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粒子を溶媒に分散させたスラリーを繊維シートまたは多孔質シートに含浸させたスラリー含浸シートの製造装置であって、
前記繊維シートまたは多孔質シートを搬送する搬送装置と、
前記繊維シートまたは多孔質シートに溶媒または第1のスラリーを塗布する第1塗布装置と、
前記第1塗布装置よりもシートの搬送方向下流側にあり、前記繊維シートまたは多孔質シートに第2のスラリーを計量塗布する第2塗布装置と、
前記第2塗布装置よりもシートの搬送方向下流側にあり、前記繊維シートまたは多孔質シートに外力を与えて粒子を前記繊維シートまたは多孔質シートの内部に含浸する含浸装置と、
前記含浸装置よりもシートの搬送方向下流側にあり、前記繊維シートまたは多孔質シートに外力を与えて余分な溶媒またはスラリーを絞る絞り装置と、
前記絞り装置でシートから絞られた溶媒またはスラリーを、前記第1塗布装置に還流する還流装置と、
を有する、スラリー含浸シートの製造装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記含浸装置から前記絞り装置までのシートの搬送経路のうち、
前記含浸装置の入口のシート幅方向中央と出口のシート幅方向の中央とを結ぶ仮想直線と水平方向のなす角度、および
前記含浸装置の出口のシート幅方向中央と、前記絞り装置の入口のシート幅方向中央とを結ぶ仮想直線と水平方向のなす角度が、30゜以上90゜以下である、
請求項1に記載のスラリー含浸シートの製造装置。
【請求項3】
前記還流装置は、前記絞り装置で絞られた溶媒またはスラリーを貯留するスラリー槽を有し、
前記第1塗布装置は、前記スラリー槽と、前記繊維シートまたは多孔質シートを前記スラリー槽に浸漬する機構と、からなり、
前記第2塗布装置がダイを有する、
請求項1または2に記載のスラリー含浸シートの製造装置。
【請求項4】
前記スラリー槽は、底面に沈降した粒子を排出する排出機構を有し、
前記第1塗布装置の浸漬機構は、前記スラリー槽の液面付近に配置される、
請求項3に記載のスラリー含浸シートの製造装置。
【請求項5】
前記還流装置は、
前記絞り装置で絞られた溶媒またはスラリーを貯留するスラリー槽と、
前記スラリー槽から前記第1塗布装置に溶媒またはスラリーを送液する第1ポンプと、を有し、
前記第1塗布装置および前記第2塗布装置がダイを有する、
請求項1または2に記載のスラリー含浸シートの製造装置。
【請求項6】
前記スラリー槽は、
前記スラリー槽に貯留する溶媒またはスラリーの液面を計測する液面計を有し、
前記スラリー含浸シートの製造装置は、前記液面計の信号をもとに前記第1ポンプの流量を制御する第1制御装置を有する、請求項5に記載のスラリー含浸シートの製造装置。
【請求項7】
前記還流装置は、
送液する溶媒またはスラリーの濃度を測定する濃度計と、
送液する溶媒またはスラリーの流量を測定する流量計と、を有し、
前記スラリー含浸シートの製造装置は、前記濃度計と流量計の信号をもとに前記第2塗布装置での第2のスラリーの塗布量を制御する第2制御装置を有する、
請求項5に記載のスラリー含浸シートの製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スラリー含浸シートの製造装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を含むマトリックス樹脂を強化繊維で補強した繊維強化複合材料(FRP)は、航空・宇宙用材料、自動車材料、産業用材料、圧力容器、建築材料、筐体、医療用途、スポーツ用途など様々な分野で用いられている。FRPは強化繊維束にマトリックス樹脂を含浸して中間基材を得、これを積層、成形し、さらにマトリックス樹脂に熱硬化樹脂を用いた場合には熱硬化させて、FRPからなる部材を製造している。前記用途では平面状物やそれを折り曲げた形態のものが多く、FRPの中間基材として、部材を作製する際の積層効率や成形性の観点から2次元のシート状物が幅広く使用されている。
【0003】
2次元のシート状中間基材としては、強化繊維を一方向に配列させたシート状強化繊維束にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグが使用されている。プリプレグの製造方法の一つであるホットメルト法は、マトリックス樹脂を溶融した後、離型紙上にコーティングし、これをシート状強化繊維束の上面、下面でサンドイッチした積層構造を作製後、熱と圧力でマトリックス樹脂をシート状強化繊維束内部に含浸するものである。本方法は工程数が多く、また生産速度も上げられず、高コストとなる問題があった。
【0004】
また、ホットメルト法以外のプリプレグの製造方法として、樹脂を粉末化して溶媒に分散させたスラリーを、シート状強化繊維束に含浸後、溶媒を除去するスラリー含浸法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-255927号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、熱可塑性樹脂の粉末をアルコール等の有機溶媒に分散させたスラリー中に、ストランドの幅を調整した強化繊維シートを浸漬して、樹脂粉末をシートに付着させた後加熱して有機溶媒を乾燥させ、さらに高温で加熱して熱可塑性樹脂を溶融し、強化繊維シートを一体化することにより均一性に優れたプリプレグを製造している。しかしながら、ストランドを構成する繊維には、撚りや交絡があるため、ストランド幅を一定に制御するのは困難である。また、強化繊維シートに付着させる樹脂粒子の目付量は、ストランドの幅のみならず、ストランドの搬送張力や開繊状態、スラリー槽の粒子濃度によっても変動するため、強化繊維シートに付着させる樹脂粒子の目付量を精度よく制御することは実質的に困難であった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、スラリーの含浸量が均一なスラリー含浸シートを、生産性よく製造可能なスラリー含浸シートの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するための本発明のスラリー含浸シートの製造装置は、粒子を溶媒に分散させたスラリーを繊維シートまたは多孔質シートに含浸させたスラリー含浸シートの製造装置であって、前記繊維シートまたは多孔質シートを搬送する搬送装置と、前記繊維シートまたは多孔質シートに溶媒または第1のスラリーを塗布する第1塗布装置と、前記第1塗布装置よりもシートの搬送方向下流側にあり、前記繊維シートまたは多孔質シートに第2のスラリーを計量塗布する第2塗布装置と、前記第2塗布装置よりもシートの搬送方向下流側にあり、前記繊維シートまたは多孔質シートに外力を与えて粒子を前記繊維シートまたは多孔質シートの内部に含浸する含浸装置と、前記含浸装置よりもシートの搬送方向下流側にあり、前記繊維シートまたは多孔質シートに外力を与えて余分な溶媒またはスラリーを絞る絞り装置と、前記絞り装置でシートから絞られた溶媒またはスラリーを、前記第1塗布装置に還流する還流装置と、を有する。
【0009】
また、本発明に係るスラリー含浸シートの製造装置は、上記発明において、前記含浸装置から前記絞り装置までのシートの搬送経路のうち、前記含浸装置の入口のシート幅方向中央と出口のシート幅方向の中央とを結ぶ仮想直線と水平方向のなす角度、および前記含浸装置の出口のシート幅方向中央と、前記絞り装置の入口のシート幅方向中央とを結ぶ仮想直線と水平方向のなす角度が、30゜以上90゜以下である。
【0010】
また、本発明に係るスラリー含浸シートの製造装置は、上記発明において、前記還流装置は、前記絞り装置で絞られた溶媒またはスラリーを貯留するスラリー槽を有し、前記第1塗布装置は、前記スラリー槽と、前記繊維シートまたは多孔質シートを前記スラリー槽に浸漬する機構と、からなり、前記第2塗布装置がダイを有する。
(【0011】以降は省略されています)

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