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公開番号2024058832
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2022166189
出願日2022-10-17
発明の名称車両用衝撃吸収構造体
出願人東レ株式会社
代理人個人,個人
主分類F16F 7/12 20060101AFI20240422BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】衝撃を加えた際に荷重が略一定となる特性を得ることができる車両用衝撃吸収構造体を提供する。
【解決手段】衝撃吸収部を備えた車両用衝撃吸収構造体であって、衝撃吸収部は、衝撃エネルギーを吸収可能に構成されているとともに、衝撃荷重入力側の端面が衝撃荷重反入力側に向けて膨出する湾曲部に形成され該湾曲部の少なくとも片側に平板部が接続された複数のリブが、一つのリブの湾曲部または平板部が隣接リブの湾曲部または平板部と交差するように連結された連結構造を有し、複数のリブの湾曲部の少なくとも一部が衝撃荷重反入力側外部に直接露出されている車両用衝撃吸収構造体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
衝撃吸収部を備えた車両用衝撃吸収構造体であって、
前記衝撃吸収部は、
衝撃荷重作用時に衝撃荷重入力側の端部からの変形もしくは破壊により衝撃エネルギーを吸収可能に構成されているとともに、
衝撃荷重入力側の端面が衝撃荷重反入力側に向けて膨出する湾曲部に形成され該湾曲部の少なくとも片側に平板部が接続された複数のリブが、一つのリブの湾曲部または平板部が隣接リブの湾曲部または平板部と交差するように連結された連結構造を有し、
前記複数のリブの湾曲部の少なくとも一部が衝撃荷重反入力側外部に直接露出されていることを特徴とする車両用衝撃吸収構造体。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記複数のリブのうち、前記湾曲部の両側に平板部が接続されたリブにおいては、該平板部間の距離が前記湾曲部から遠ざかるにつれて大きくなるように設定されている、請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項3】
前記複数のリブのうち少なくとも1つのリブの湾曲部頂面までの高さが、他のリブの湾曲部頂面までの高さとは異なる、請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項4】
前記複数のリブのうち少なくとも1つのリブの湾曲部の曲率が、他のリブの湾曲部の曲率とは異なる、請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項5】
前記衝撃吸収部の前記複数のリブの配列方向最外層として、衝撃荷重入力方向に沿う方向に延びる最外板状支柱が設けられている、請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項6】
前記複数のリブのうち少なくとも1つのリブの湾曲部に至るまでのリブの高さ範囲内に、衝撃荷重入力方向に沿う方向に延びる板状支柱が設けられている、請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項7】
熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂により構成されている、請求項1~6のいずれかに記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項8】
熱可塑性樹脂組成物もしくは熱硬化性樹脂組成物により構成されている、請求項1~6のいずれかに記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項9】
前記熱可塑性樹脂組成物もしくは前記熱硬化性樹脂組成物が、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維の少なくとも1つの繊維を含む繊維強化樹脂からなる、請求項8に記載の車両用衝撃吸収構造体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の衝撃吸収構造体に係り、特に、軽量化の効果的な実現と共に入力される衝撃エネルギーを有利に吸収し得るように改良された車両用衝撃吸収構造体に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
人と車両、とくに自動車との接触や車同士の正面衝突、側面衝突、後面衝突に備えて、車両の各部位には衝撃吸収構造体を設けておくことが望ましい。このような車両用衝撃吸収構造体においては、十分にエネルギーを吸収することが求められる。一方で、歩行者や乗員へ及ぼされる衝撃荷重が大きすぎると、人に傷害を発生させるおそれがあるため、衝撃荷重をある荷重以下に抑えつつエネルギー吸収量を確保するために、荷重を略一定に保つ(衝突時の荷重-変位線図を矩形波にする)ことが望ましい。
【0003】
このような中、ドアトリムの車室外側面と交差する配置で並設された複数のリブを有し、隣り合うリブがほぼ同一間隔を保持しながら波形に形成された波形リブと、前記波形リブにおいて前記ドアトリムと反対側の端縁同士を連結した天板と、前記天板と前記ドアトリムの車室外側面との間に配設され、隣り合う前記リブ同士を連結した中間板とを備えた側突用樹脂衝撃吸収体(特許文献1)、あるいは、車両部材に固定するための固定部と、衝突方向に向かって凸状に湾曲して膨出する先端部と、該先端部から前記固定部に向かって延び該先端部と前記固定部を接続する筒状の胴体部とを有し、前記胴体部は、前記先端部側から前記固定部側に向かう方向に沿って拡径されており、かつ、内部に、少なくとも前記胴体部を補強するためのリブが設けられており、前記先端部は、車両用衝撃エネルギー吸収構造体の中心軸に沿う方向に見て、先端に位置し中心軸に沿う方向に凸状に湾曲して膨出する1段目先端部と、該1段目先端部と前記胴体部の間に位置し径方向外側に向かって凸状に湾曲して膨出する2段目先端部とを有していることを特徴とする車両用衝撃エネルギー吸収構造体(特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5310012号公報
特許第6679970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のように、衝突時、衝撃荷重をある荷重以下に抑えつつエネルギー吸収量を確保するために荷重を略一定に保つことは、現状では難しい。
【0006】
例えば、特許文献1では、ドアトリムの車室外側面と交差する配置で並設された複数のS字リブを有し、隣り合うS字リブがほぼ同一間隔を保持しながら波形に形成された波形リブと、波形リブにおいてドアトリムと反対側の端縁同士を連結した天板と、天板とドアトリムの車室外側面との間に配設され、隣り合うS字リブ同士を連結した中間板とを備えた構造が提案されている。これにより、側突時に、天板から各リブに入力荷重が均一に伝達され、波形リブの曲面部分が屈曲中心となって座屈が誘導されるため、座屈時における各リブの挙動を制御することができる。そして、中間板を備えているため、天板と中間板間のリブ高さの調整が容易となり、座屈時に隣り合うリブが重なり合わない間隔で各リブを複数配置することができ、効率的に衝撃を吸収することができる。また、中間板を設けて2段構造にしたことで、1段当たりの高さを抑えつつ、2段分の高さを有する波形リブを形成することができるため、結果として波形リブの高さを高くできるとしている。しかし、この側突用樹脂衝撃吸収体で特徴としているS字リブを有する波形リブでは、座屈を誘発しやすく、負荷できる荷重が直線のリブに比べて低くなり、エネルギー吸収効率が低下する。また、同形状の波形リブが等間隔に配置されているため、荷重負荷時に複数の波形リブが同様に変形し、座屈や破断が同時に発生するため荷重を支える部分が無くなり荷重を略一定に保つことは困難であり、本構造においては荷重の変化を抑える効果は期待できない。
【0007】
特許文献2では、構造体の先端部が衝突方向に向かって凸状に湾曲して膨出する形状、つまり、ある曲率をもって凸状に湾曲膨出する形状に形成されているので、湾曲膨出の形状を適切に設定しておくことで、衝突方向(衝突角度)が多少変化しても、どの角度から衝突しても略同じ形状部位に対する衝突と略同じ状態となるようにすることが可能になる。また、その先端部に続く筒状の胴体部が、固定部側に向かう方向に沿って拡径されている形状に形成されているので、この胴体部は先端部側から固定部側に向かう方向に沿って構造体の中心軸に対し傾斜する形状に形成され、先端部に対し正面から衝撃が加えられた際にも斜めから衝撃が加えられた際にも先端部からの伝達荷重が胴体部によって同様に効率よく受け持たれることが可能になる。そして、内部に、少なくともこの胴体部を補強するためのリブが設けられているので、先端部から伝達される荷重を受け持つ胴体部は、リブを介して所望の強度を有することが可能であり、衝撃エネルギー吸収にとって好適な荷重―変位特性を持つことが可能になるとしている。すなわち、先端部の特定の構造により、どの角度からの衝突時にも略同じ形態で衝撃荷重が入力され、入力され伝達されようとする衝撃荷重が、胴体部の特定の構造により、先端部におけるどの角度からの衝突時にも略同じ形態で効率よく受け持たれることが可能になり、構造体全体として、先端部におけるどの角度からの衝突時にも略同じ荷重―変位特性を発現することが可能になるとしている。したがって、この車両用衝撃エネルギー吸収構造体は、荷重方向の違いによるエネルギー吸収量の変化を小さくすることを目的とした構造であり、エネルギー吸収の際の荷重を略一定に保つことを目的とした構造とは言えないため、荷重を略一定に保つことについては実際には達成できない。また、構造体の先端部が単一の湾曲膨出形状で構成されているため、より幅の広い衝撃吸収が求められる構造体には適していない。
【0008】
以上のように、従来の技術では、構造体の変形が進む過程においてエネルギー吸収特性を確保しつつ荷重が略一定となる特性を得ることができないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の課題は、とくに、衝撃を加えた際に荷重が略一定となる特性を得ることができる車両用衝撃吸収構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、衝撃吸収部を備えた車両用衝撃吸収構造体であって、前記衝撃吸収部は、衝撃荷重作用時に衝撃荷重入力側の端部からの変形もしくは破壊により衝撃エネルギーを吸収可能に構成されているとともに、衝撃荷重入力側の端面が衝撃荷重反入力側に向けて膨出する湾曲部に形成され該湾曲部の少なくとも片側に平板部が接続された複数のリブが、一つのリブの湾曲部または平板部が隣接リブの湾曲部または平板部と交差するように連結された連結構造を有し、前記複数のリブの湾曲部の少なくとも一部が衝撃荷重反入力側外部に直接露出されていることを特徴とする車両用衝撃吸収構造体を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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