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公開番号2024035124
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2023134428
出願日2023-08-22
発明の名称電池
出願人東レ株式会社
代理人
主分類H01M 10/052 20100101AFI20240306BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高容量維持性と耐デンドライト性に優れ、良好な耐熱性を有する電池を提供することを目的とすること。
【解決手段】
正極、負極、非水電解質およびイオン伝導ポリマー膜を含む電池であって、正極活物質が硫黄を含み、上記イオン伝導ポリマー膜の無孔領域の厚さが0.01μm以上20μm未満である電池。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
正極、負極、非水電解質およびイオン伝導ポリマー膜を含む電池であって、
正極活物質が硫黄を含み、
上記イオン伝導ポリマー膜の無孔領域の厚さが0.01μm以上20μm未満である電池。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
上記イオン伝導ポリマー膜の透気度が1000秒/100cc以上であり、イオン伝導度が1.0×10
-5
S/cm以上である請求項1に記載の電池。
【請求項3】
上記イオン伝導ポリマー膜が、下記の条件で測定される膜厚変化率(T0/T1)が0.3以上1.1以下である、請求項1に記載の電池。
(膜厚変化率の測定条件)
ポリマー膜を非水電解質(1M LiTFSI EC/DEC=1/1、三井化学社製)に25℃の環境下で24時間浸漬し、浸漬前後のポリマー膜厚みを高精度デジタル測長器(ミツトヨ社製、型番:VL-50)にて測定し、(1)式に代入して計算した。
厚み変化=(T0/T1) (1)
T0:非水電解質浸漬前のポリマー膜の厚み(cm)
T1:非水電解質浸漬後のポリマー膜の厚み(cm)
【請求項4】
上記負極が金属リチウムである、請求項1に記載の電池。
【請求項5】
上記イオン伝導ポリマー膜の無孔領域の厚さが0.1μm以上5μm以下である、請求項1に記載の電池。
【請求項6】
上記イオン伝導ポリマー膜が無孔膜と微多孔膜を有する複合膜である請求項1に記載の電池。
【請求項7】
上記イオン伝導ポリマー膜の150℃熱収縮率が10%以下である、請求項1または6に記載の電池。
【請求項8】
上記イオン伝導ポリマー膜が主鎖に芳香環を有する、請求項1または6に記載の電池。
【請求項9】
上記イオン伝導ポリマー膜が芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリアミドイミドを含む、請求項1または6に記載の電池。
【請求項10】
上記正極と上記負極の少なくとも一方とイオン伝導ポリマー膜とが近接して有する請求項1または6に記載の電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、正極、負極、非水電解質およびイオン伝導ポリマー膜を含む電池に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電池の軽量化および高エネルギー化に向け、金属Li負極電池、全固体電池、空気電池などが盛んに研究されており、実用化に向けて正極、負極、セパレータ、電解質等の設計が進められている。なかでも、リチウム遷移金属酸化物の代替として質量あたりの理論容量が1675mAh/gと大きい硫黄を、非水電解質二次電池の正極活物質に用いる検討が進められている。しかしながら、硫黄を非水電解質二次電池の正極活物質に用いる場合、充放電中に正極で生成したリチウム多硫化物が非水電解質に溶出し、負極に到達して還元されることによって自己放電が進行するシャトル現象が課題となっている。このシャトル現象を抑制するために、正極と負極との間にカチオン交換樹脂層を配置する技術が報告されている。(特許文献1~3)
さらに、正極とカチオン交換樹脂層との間に、リチウム多硫化物を含む正極電解質を注入し、負極とカチオン交換樹脂層との間に、正極電解質よりもリチウム多硫化物の濃度が低い負極電解質を注入する技術(特許文献4)、正極と負極の間に炭素単位原子当り2個未満のフッ素原子を含有するセパレータを配置する技術(特許文献5)が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-128063号公報
国際公開第2015/083314号
特表2015-507837号公報
国際公開第2017/064842号
特開2005-71999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1~3に記載のカチオン交換膜は、正極から負極へのリチウム多硫化物の移動は抑制できるが、エネルギー密度及び充放電サイクル性能が充分に高くないという課題を有する。また、特許文献4の非水電解質二次電池に用いられているカチオン交換膜は、厚みが大きいため膜抵抗の観点で課題があり、耐熱性の点でも劣るという課題を有する。特許文献5のセパレータは、無機材料とのハイブリッドであり空隙を有する構造であるため、耐デンドライト性に劣るという課題を有する。そこで、本発明は上記事情を鑑みて、高容量維持性と耐デンドライト性に優れ、良好な耐熱性を有する電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有するものである。
[I]正極、負極、非水電解質およびイオン伝導ポリマー膜を含む電池であって、正極活物質が硫黄を含み、上記イオン伝導ポリマー膜の無孔領域の厚さが0.01μm以上20μm未満である電池。
[II]上記イオン伝導ポリマー膜の透気度が1000秒/100cc以上であり、イオン伝導度が1.0×10
-5
S/cm以上である[I]に記載の電池。
[III]上記イオン伝導ポリマー膜が、下記の条件で測定される膜厚変化率(T0/T1)が0.3以上1.1以下である、[I]または[II]に記載の電池。
(膜厚変化率の測定条件)
ポリマー膜を非水電解質(1M LiTFSI EC/DEC=1/1、三井化学社製)に25℃の環境下で24時間浸漬し、浸漬前後のポリマー膜厚みを高精度デジタル測長器(ミツトヨ社製、型番:VL-50)にて測定し、(1)式に代入して計算した。
厚み変化=(T0/T1) (1)
T0:非水電解質浸漬前のポリマー膜の厚み(cm)
T1:非水電解質浸漬後のポリマー膜の厚み(cm)
[IV]上記負極が金属リチウムである、[I]~[III]のいずれかに記載の電池。
[V]上記イオン伝導ポリマー膜の無孔領域の厚さが5μm未満である、[I]~[IV]のいずれかに記載の電池。
[VI]上記イオン伝導ポリマー膜が無孔膜と微多孔膜を有する複合膜である[I]~[V]のいずれかに記載の電池。
[VII]上記イオン伝導ポリマー膜の150℃熱収縮率が10%以下である、[I]~[VI]のいずれかに記載の電池。
[VIII]上記イオン伝導ポリマー膜が主鎖に芳香環を有する、[I]~[VII]のいずれかに記載の電池。
[IX]上記イオン伝導ポリマー膜が芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリアミドイミドを含む、[I]~[VIII]のいずれかに記載の電池。
[X]上記正極と上記負極の少なくとも一方とイオン伝導ポリマー膜とが近接して有する[I]~[IX]のいずれかに記載の電池。
[XI]負極表面における硫黄成分量が、負極活物質の質量に対して0~50000ppmである[I]~[X]のいずれかに記載の電池。
[XII]重量エネルギー密度が300~2000Wh/kgである[I]~[XI]のいずれかに記載の電池。
[XIII][I]~[XII]のいずれかに記載の電池を含む乗り物、無人輸送機、電子機器または定置電源。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、容量維持性と耐デンドライト性に優れる電池を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明は、正極、負極、非水電解質およびイオン伝導ポリマー膜を含む電池であって、上記正極が硫黄を含み、無孔領域の厚さが0.01μm以上20μm未満である電池に関する。本発明の効果を実現するため、上記特性を同時に満たす必要がある。
【0009】
本発明の実施形態において用いられる正極は、硫黄を含んでなる。正極に含まれる硫黄の態様としては特に限られるものでは無く、単体硫黄、固体Li



(nは1以上の整数)、有機硫黄、炭素-硫黄複合ポリマーなど、正極活物質として硫黄成分を含んでいればよい。また、必要に応じて硫黄以外の活物質、増粘剤、フィラー等を含んでいてもよい。正極に硫黄を含むことで、硫黄は世界的に分散して埋蔵しており、その埋蔵量も豊富であることから生産性が安定する。また、正極に硫黄を含むことで、その高い理論容量を活かして高容量の電池とすることができる。さらに、正極の硫黄換算濃度は、正極全体の1.0mol/L以上が好ましい。硫黄換算濃度が1.0mol/L以上であれば、充放電サイクル後の充放電効率が向上する。上限値は特に規定しないが、100mol/L以下である。
【0010】
本発明の負極は、活物質として金属イオン等を吸蔵・放出することができる材料であれば特に限られるものでは無く、例えば、Li、Sn、Si、In、リチウム合金粒子(リチウムと、チタン、マグネシウム、又はアルミニウム等とのリチウム合金粒子)、及び炭素系材料(カーボン、ハードカーボン、ソフトカーボン、及びグラファイト等)の公知の負極活物質を適宜用いることができる。なかでも、金属リチウムを用いることが、電池の高エネルギー化の観点で好ましい。さらに、負極のリチウム換算濃度は、負極全体の1.0mol/L以上が好ましい。リチウム換算濃度が1.0mol/L以上であれば、高容量化ができる。上限値は特に規定しないが、100mol/L以下である。
(【0011】以降は省略されています)

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