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公開番号2024046876
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-05
出願番号2022152219
出願日2022-09-26
発明の名称多層積層フィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240329BHJP(光学)
要約【課題】 本発明は、正面方向からの光の透過性よりも広角に光を透過させることが求められる用途に好適な多層積層フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 異なる複数の熱可塑性樹脂層が交互に51層以上積層されてなる多層積層フィルムであって、フィルム面の法線に対して入射角度θで波長450~1600nmのp偏光およびs偏光を入射させて1nm間隔で透過率を測定したときの最大透過率(%)、最小透過率(%)をそれぞれTpmaxθ、Tpminθ、Tsmaxθ、Tsminθとし、(Tpmaxθ-Tpminθ)/2、(Tsmaxθ-Tsminθ)/2となる波長の中での最短波長と最長波長の間の帯域におけるp偏光およびs偏光の平均透過率をそれぞれTpθ(%)、Tsθ(%)としたときに、Tp20≦Tp40<Tp60を満たし、かつTp0とTs0の平均が80%以下であることを特徴とする、多層積層フィルム。

【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
異なる複数の熱可塑性樹脂層が交互に51層以上積層されてなる多層積層フィルムであって、
フィルム面の法線に対して入射角度θで波長450~1600nmのp偏光およびs偏光を入射させて1nm間隔で透過率を測定したときの最大透過率(%)、最小透過率(%)をそれぞれTpmaxθ、Tpminθ、Tsmaxθ、Tsminθとし、(Tpmaxθ-Tpminθ)/2、(Tsmaxθ-Tsminθ)/2となる波長の中での最短波長と最長波長の間の帯域におけるp偏光およびs偏光の平均透過率をそれぞれTpθ(%)、Tsθ(%)としたときに、Tp20≦Tp40<Tp60を満たし、かつTp0とTs0の平均が80%以下であることを特徴とする、多層積層フィルム。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記Tp20と前記Tp60が、Tp60-Tp20≧1を満たす、請求項1に記載の多層積層フィルム。
【請求項3】
前記Tp60の方位角ばらつきが10%以下である、請求項1または2に記載の多層積層フィルム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の多層積層フィルム、及び位相差板と偏光板の少なくとも一つを備える、積層体。
【請求項5】
請求項1または2に記載の多層積層フィルムと、前記積層フィルムに光を照射する光源を備える、表示装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の多層積層フィルムを備える、ガラス部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の多層積層フィルムとは異なる光学特性を有する多層積層フィルムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
PETフィルムなどの一般的な透明部材は、正面方向の光に対しても、斜め方向の光に対しても高い透過性を有している。一方、特許文献1では、特定の偏光に対して反射性を有する多層積層フィルムが開示されている。特許文献1に記載されている多層積層フィルムは、延伸方向によって異なる光学特性(視野角制御性)を示しており、フィルム面に対して特定の方向について、その方向に対して平行に振動する光は、正面から入射した場合も斜めから入射した場合も変わらない反射性能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表平09-507308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のフィルムは、正面方向からの光の透過性が高く斜め方向からの光の透過性が低いものであり、当該フィルムは正面方向からの光のみの透過が求められる用途には適する。しかしながら、例えばミニLED等の極小光源の上面に重ねることで輝度ムラ抑制と輝度向上の両立するディスプレイ用途等、所望の波長帯域において、正面方向からの光の透過性よりも広角に光を透過させることが求められる用途に適用することは困難であった。そこで本発明は、所望の波長帯域において、正面方向からの光の透過性よりも広角に光を透過させることが求められる用途に好適な多層積層フィルムを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の多層積層フィルムは、上記の課題を解決せんとするものであって、以下の構成からなる。すなわち、異なる複数の熱可塑性樹脂層が交互に51層以上積層されてなる多層積層フィルムであって、フィルム面の法線に対して入射角度θで波長450~1600nmのp偏光およびs偏光を入射させて1nm間隔で透過率を測定したときの最大透過率(%)、最小透過率(%)をそれぞれTpmaxθ、Tpminθ、Tsmaxθ、Tsminθとし、(Tpmaxθ-Tpminθ)/2、(Tsmaxθ-Tsminθ)/2となる波長の中での最短波長と最長波長の間の帯域におけるp偏光およびs偏光の平均透過率をそれぞれTpθ(%)、Tsθ(%)としたときに、Tp20≦Tp40<Tp60を満たし、かつTp0とTs0の平均が80%以下であることを特徴とする、多層積層フィルムである。
【0006】
また、本発明の多層積層フィルムは以下の態様とすることができ、また、これを用いて積層体、表示装置、ガラス部材を得ることもできる。
(1) 異なる複数の熱可塑性樹脂層が交互に51層以上積層されてなる多層積層フィルムであって、フィルム面の法線に対して入射角度θで波長450~1600nmのp偏光およびs偏光を入射させて1nm間隔で透過率を測定したときの最大透過率(%)、最小透過率(%)をそれぞれTpmaxθ、Tpminθ、Tsmaxθ、Tsminθとし、(Tpmaxθ-Tpminθ)/2、(Tsmaxθ-Tsminθ)/2となる波長の中での最短波長と最長波長の間の帯域におけるp偏光およびs偏光の平均透過率をそれぞれTpθ(%)、Tsθ(%)としたときに、Tp20≦Tp40<Tp60を満たし、かつTp0とTs0の平均が80%以下であることを特徴とする、多層積層フィルム。
(2) 前記Tp20と前記Tp60が、Tp60-Tp20≧1を満たす、(1)に記載の多層積層フィルム。
(3) 前記Tp60の方位角ばらつきが10%以下である、(1)または(2)に記載の多層積層フィルム。
(4) (1)~(3)のいずれかに記載の多層積層フィルム、及び位相差板と偏光板の少なくとも一つを備える、積層体。
(5) (1)~(3)のいずれかに記載の多層積層フィルム、または(4)に記載の積層体と、前記積層フィルムまたは前記積層体に光を照射する光源を備える、表示装置。
(6) (1)~(3)のいずれかに記載の多層積層フィルム、または(4)に記載の積層体を備える、ガラス部材。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、所望の波長帯域において、正面方向からの光の透過性よりも広角に光を透過させることが求められる用途に好適な多層積層フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施態様である多層積層フィルムの層厚み分布を示すグラフである。
本発明の一実施態様である多層積層フィルムにおける光(p偏光)の入射角度と平均透過率を示すグラフである。
方位角を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態について述べるが、本発明の多層積層フィルムは以下の実施例を含む実施の形態に限定して解釈されるものではなく、発明の目的を達成できて、かつ、発明の要旨を逸脱しない範囲内においての種々の変更は当然あり得る。また、説明を簡略化する目的で一部の説明は、本発明の好ましい態様の一つである、異なる2種の熱可塑性樹脂層が交互に積層された構成を有する多層積層フィルムを例にとり説明する。但し、3種以上の熱可塑性樹脂を用いた場合においても、同様に理解されるべきものである。
【0010】
本発明の多層積層フィルムは、異なる複数の熱可塑性樹脂層が交互に51層以上積層されてなる多層積層フィルムであって、フィルム面の法線に対して入射角度θで波長450~1600nmのp偏光およびs偏光を入射させて1nm間隔で透過率を測定したときの最大透過率(%)、最小透過率(%)をそれぞれTpmaxθ、Tpminθ、Tsmaxθ、Tsminθとし、(Tpmaxθ-Tpminθ)/2、(Tsmaxθ-Tsminθ)/2となる波長の中での最短波長と最長波長の間の帯域におけるp偏光およびs偏光の平均透過率をそれぞれTpθ(%)、Tsθ(%)としたときに、Tp20≦Tp40<Tp60を満たし、かつTp0とTs0の平均が80%以下であることを特徴とする。以下、本発明の多層積層フィルムについてより具体的に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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