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公開番号2024049374
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2023162438
出願日2023-09-26
発明の名称多孔質中空糸膜およびその製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 69/08 20060101AFI20240402BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】擦過による分離性低下を防ぐことができる多孔質中空糸膜を提供すること。
【解決手段】熱可塑性樹脂からなり、2つ以上の領域を有する多孔質中空糸膜であって、球状構造体を有し、かつ中空糸膜の長手方向に垂直な断面における空隙率が50%以上80%未満であるA領域、中空糸膜の長手方向に垂直な断面における空隙率が5%以上20%未満の緻密構造からなるB領域を含む多孔質中空糸膜。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂からなり、2つ以上の領域を有する多孔質中空糸膜であって、球状構造体を有し、かつ中空糸膜の長手方向に垂直な断面における空隙率が50%以上80%未満であるA領域、中空糸膜の長手方向に垂直な断面における空隙率が5%以上20%未満の緻密構造からなるB領域を含む多孔質中空糸膜。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
最外表面側が前記A領域である請求項1に記載の多孔質中空糸膜。
【請求項3】
最内表面側が前記B領域である請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜。
【請求項4】
前記A領域を構成する球状構造体の平均直径が0.5μm以上15μm以下である請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜。
【請求項5】
前記B領域を構成する構造体太さの平均が1μm以上25μm以下である請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜。
【請求項6】
前記A領域の最外表面における平均長さRSmが5μm以上20μm以下、二乗平均平方根高さRqが0.5μm以上5μm以下である請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜。
【請求項7】
前記B領域の中空糸膜の長手方向に垂直な断面における平均孔径が0.01μm以上1.0μm以下である請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜。
【請求項8】
前記A領域の厚みが5μm以上300μm以下である請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜。
【請求項9】
前記B領域の厚みが1μm以上100μm以下である請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜。
【請求項10】
前記A領域とB領域の間に、平均孔径が1.0μm以上2.0μm以下であり、かつ断面における空隙率が20%以上40%以下の中間領域(C領域)を有する請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理、浄水処理、工業用水製造などの水処理用途、ならびに食品、医薬の製造などの用途に用いられる多孔質中空糸膜およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
精密ろ過膜や限外ろ過膜などの分離膜は、水処理用途や食品・医薬用途において、清澄化、濃縮、分離といった目的で使用されているが、近年、分離膜の適用範囲拡大に伴い、ろ過難度の高い高濁度の被ろ過液や高精度な分離が要求される用途への適用が検討されており、ろ過安定性(目詰まりしにくさ)、機械的耐久性、分離性を兼ね備えた分離膜への要求は一層高まっている。
【0003】
分離膜を用いたろ過プロセスにおいてはろ過液を多く得たいため、単位体積あたりの有効膜面積を大きくすることができる中空糸膜が一般に多く採用されている。中空糸膜はその形状から耐圧性が高く、平膜よりも高いろ過一次圧をかけることができ、多くの処理水を得ることができる点からも好適に採用されている。
【0004】
中空糸膜を用いたろ過方式としては、膜の内表面側から外表面側に向けてろ過する内圧ろ過方式と、外表面側から内表面側に向けてろ過する外圧ろ過方式がある。これらのうち、被ろ過液と接触する側の表面積が大きく取れて、より単位表面積当たりの濁質負荷量を小さくでき、中空部での濁質体積による流路閉塞も起こらない外圧ろ過方式が、特に高濁度の被ろ過液に対して好適に用いられる。
【0005】
中空糸膜は糸束状で容器内に充填され中空糸膜モジュールとして使用されるのが一般的であるが、濁質を多く含む被ろ過液をろ過する場合、ろ過の継続に伴って被ろ過液の濁質濃度が高くなり中空糸膜への負荷が大きくなるため、中空糸膜には糸切れしない高い強伸度が必要である。また、中空糸膜の洗浄工程で実施される逆洗やエアスクラビングによって、中空糸膜表面は濁質および中空糸膜同士の接触にさらされるため、分離性低下を防ぐために分離機能層には高い耐久性が求められる。
【0006】
ろ過安定性と機械的強度に優れた多孔質中空糸膜として、例えば、球状構造体が三次元的に連結した多孔質中空糸膜が開示されている(特許文献1)。
【0007】
また、機械的強度と分離性を兼ね備えた中空糸膜としては、例えば、球状構造体の多孔質中空糸膜の表面に分離機能層を積層させる方法が開示されている(特許文献2)。
【0008】
分離機能層の耐久性を高め長期にわたって分離性を維持するために、例えば分離機能層に使用する熱可塑性樹脂の分子量を大きくして耐久性を高める方法(特許文献3)や、多孔質中空糸膜の開孔率の傾斜度を制御して耐久性を高める方法(特許文献4)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2016/006611号
特開2006-263721号公報
特開2016-196006号公報
国際公開第2015/053366号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1ではろ過安定性と機械的強度に優れるものの分離性向上に課題があり、一方、特許文献2のように中空糸膜の外表面に分離機能層を設ける場合では、特に高濁度の被ろ過液に対して好適に行われる外圧ろ過方式において擦過による分離性低下が懸念される。特許文献3や特許文献4のように、分離機能層の物性や孔構造により耐久性を高める提案がされているものの抜本的な課題解決にはなっておらず、被ろ過液中に予期せず擦過性の高い濁質(例えば無機粒子など)が含まれた場合には、以前として分離機能層の破損が懸念される。
(【0011】以降は省略されています)

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