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公開番号2024091450
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2023191923
出願日2023-11-10
発明の名称熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 48/69 20190101AFI20240627BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】 本発明は、異物による表面欠点の発生を軽減することができる、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 溶融した熱可塑性樹脂組成物を、濾材、支持体、及びハブリングを備える金属製フィルターで濾過する濾過工程を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、前記フィルターが、支持体の上下に濾材を有し、前記濾材の空気流動抵抗Pが450Pa以上600Pa以下であり、前記ハブリングが有する貫通孔の数をn個、前記貫通孔の面積の平均値をA(mm2)、前記貫通孔の濡れ縁長さの平均値をs(mm)とした場合にs/(4nA2)が6.0×10-3以上12.0×10-3以下であり、かつ、前記熱可塑性樹脂組成物中に2次粒子径が5.0μm以下である粒子Xを含むことを特徴とする、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶融した熱可塑性樹脂組成物を、濾材、支持体、及びハブリングを備える金属製フィルターで濾過する濾過工程を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、
前記フィルターが、支持体の上下に濾材を有し、前記濾材の空気流動抵抗Pが450Pa以上600Pa以下であり、前記ハブリングが有する貫通孔の数をn個、前記貫通孔の面積の平均値をA(mm

)、前記貫通孔の濡れ縁長さの平均値をs(mm)とした場合にs/(4nA

)が6.0×10
-3
以上12.0×10
-3
以下であり、
かつ、前記熱可塑性樹脂組成物中に2次粒子径が5.0μm以下である粒子Xを含むことを特徴とする、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記ハブリングが有する貫通孔の貫通長さをL(mm)とした場合に、Lが14.0mm以上20.0mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂フィルムが0.1質量%以上20質量%以下の粒子Xを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、異物による表面欠点の発生を軽減することができる、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂フィルムは、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、及び耐薬品性などに優れ、包装材料、電気絶縁材料、金属蒸着材料、製版材料、磁気記録材料、表示材料、転写材料、窓貼り材料、ディスプレイ材料、及びヘルスケア材料などの多くの用途で使用されている。これらの用途に用いられる熱可塑性樹脂フィルムの多くは、その表面に目的とする機能を発現するための機能層を有する。
【0003】
製造過程でこの機能層を設ける際に、例えば良好な滑り性を付与することを目的として、機能層を形成するための熱可塑性樹脂組成物に不活性粒子を添加する場合がある。不活性粒子の粒子径は目的に応じて適宜調整するが、粒子径を調整した場合においても、必要のない粗大粒子が含まれることがある。また、溶融押出工程や粗大粒子を除去する濾過工程において、配管の屈曲部、フィルターケーシング内、及びフィルター内部などで溶融した熱可塑性樹脂組成物が滞留し、粒子同士が凝集して粗大粒子が発生する場合もある。
【0004】
このような粗大粒子が熱可塑性樹脂組成物中に含まれると、当該熱可塑性樹脂組成物により形成した層を有するシートを延伸して熱可塑性樹脂フィルムを製造するときに、延伸により発生する応力が粗大粒子部分に集中してその部分に穴が空くことがあり、さらにこの穴を起点として熱可塑性樹脂フィルムに破れが発生することもある。このような問題は、製膜する熱可塑性樹脂フィルムの厚みが数μmと極めて薄い場合においてより顕著となる。
【0005】
また、粗大粒子は最終製品の特性にも影響し、使用時に様々な不具合を生じる原因となる。例えば、コーティング加工や印刷加工用途の熱可塑性樹脂フィルムであれば、粗大粒子部分の塗布抜けや印刷抜けを引き起こすことがあり、電気絶縁材料用途の熱可塑性樹脂フィルムであれば、粗大粒子が絶縁不良の原因となることがある。
【0006】
濾過工程で使用するフィルター内部での熱可塑性樹脂組成物の滞留を抑える手段として、例えばろ過精度、空隙率及び厚さの異なる2層以上の積層濾材と、該濾材にかかる濾過圧を面状に支持する支持板を備え、使用する積層濾材の層構成と流動特性を規定した濾材を使用したフィルターを用いることが知られている(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2016-196176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のようなフィルターを使用することにより、熱可塑性樹脂の滞留によるゲル状物を低減することが可能である。しかしながら、機能層を形成することを目的として熱可塑性樹脂組成物に不活性粒子を添加した場合においては、濾材の層構成と流動特性を規定しただけでは熱可塑性樹脂の滞留により、必要のない粗大粒子や異物の発生を抑えることが困難であった。
【0009】
本発明は、係る従来技術の問題点を改良し、粗大粒子や異物による表面欠点の発生を軽減することができる、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は以下の構成よりなる。すなわち、溶融した熱可塑性樹脂組成物を、濾材、支持体、及びハブリングを備える金属製フィルターで濾過する濾過工程を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、前記フィルターが、支持体の上下に濾材を有し、前記濾材の空気流動抵抗Pが450Pa以上600Pa以下であり、前記ハブリングが有する貫通孔の数をn個、前記貫通孔の面積の平均値をA(mm

)、前記貫通孔の濡れ縁長さの平均値をs(mm)とした場合にs/(4nA

)が6.0×10
-3
以上12.0×10
-3
以下であり、かつ、前記熱可塑性樹脂組成物中に2次粒子径が5.0μm以下である粒子Xを含むことを特徴とする、熱可塑性樹脂フィルムの製造方法である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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