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公開番号2024093170
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022209369
出願日2022-12-27
発明の名称光ファイバー
出願人東レ株式会社
代理人
主分類G02B 6/02 20060101AFI20240702BHJP(光学)
要約【課題】海部に相当量の着色物質を含有させても、安定して所望の寸法通りにコアや海部を形成することが可能な光ファイバーを提供すること。
【解決手段】
複数のコアと、前記コアの周囲を覆う海部を有する、光ファイバーであって、
前記海部は、着色物質を含有し、
式(1)~(3)の条件を満たす、光ファイバー。
1.0<L2/L1≦3.8 ・・・(1)
0.002≦C3×(W/10)3≦3.000 ・・・(2)
0.17≦(W/10)3/C3≦300.00 ・・・(3)
(L1;海部外周から最も近い位置にあるコアについて、海部外周から当該コアまでの最小距離(μm)、L2;海部外周から2番目に近い位置にあるコアについて、海部外周から当該コアまでの最小距離(μm)、W;海部の最狭距離(μm)、C;海部を構成する樹脂組成物の100μm当たり光学濃度)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
複数のコアと、前記コアの周囲を覆う海部を有する、光ファイバーであって、
前記海部は、着色物質を含有し、
式(1)~(3)の条件を満たす、光ファイバー。
1.0<L2/L1≦3.8 ・・・(1)
0.002≦C

×(W/10)

≦3.000 ・・・(2)
0.17≦(W/10)

/C

≦300.00 ・・・(3)
(L1;海部外周から最も近い位置にあるコアについて、海部外周から当該コアまでの最小距離(μm)、L2;海部外周から2番目に近い位置にあるコアについて、海部外周から当該コアまでの最小距離(μm)、W;海部の最狭距離(μm)、C;海部を構成する樹脂組成物の100μm当たり光学濃度)
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記コアは、着色物質を含有しないか、又は、着色物質の含有率が0.01重量%以下である、請求項1に記載の光ファイバー。
【請求項3】
さらに式(4)を満たす、請求項1に記載の光ファイバー。
1≦L1/W≦25 ・・・(4)
【請求項4】
前記コアと前記海部との間に、前記コアの周囲を取り囲むクラッドを有する、請求項1に記載の光ファイバー。
【請求項5】
前記クラッドは着色物質を含有し、
前記クラッド中の着色物質の含有率(重量%)は、前記海部中の着色物質の含有率(重量%)よりも小さい、請求項1に記載の光ファイバー。
【請求項6】
前記海部中の着色物質は、平均一次粒子径が0.1~10μmのカーボンブラックであり、
前記海部中の前記カーボンブラックの含有率は、0.3~5重量%である、請求項1に記載の光ファイバー。
【請求項7】
前記コアの内径の平均値Dと標準偏差値σとの関係が、σ/D≦4.0である、請求項1に記載の光ファイバー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、海部に着色物質が含有された光ファイバーの発明であって、とくに、大容量通信用に適用できるマルチコアの光ファイバーに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、屈折率の高い透明なコア樹脂からなる7本以上10000本以下のコア繊維、各々の該コア繊維の周りを取り囲み該コア樹脂の屈折率よりも低い屈折率を有する透明な第1鞘樹脂からなる第1鞘層、及び各々の該第1鞘層の外側を取り囲み該第1鞘樹脂より屈折率が低い第2鞘樹脂に着色物質を分散させた第2鞘樹脂組成物からなる第2鞘層が一まとめの繊維状になるように複合紡糸法によって製造された長さが50cm以上5m以下である1本以上の多コアプラスチック光ファイバー、発光素子、並びに受光素子からなることを特徴とする光ファイバーセンサーの発明があった(特許文献1)。
【0003】
当該特許文献1の発明は、第2鞘樹脂組成物の着色物質がカーボンブラックであり、第2鞘樹脂組成物に対するカーボンブラックの含有量が0.1重量%~2.0重量%である。また、第1鞘層の厚みは0.8~3.0μmである。また特許文献1の図1(本願の図6)をみると、第2鞘層の最狭箇所は時計でいう7時の位置にあるコア繊維と9時の位置にあるコア繊維との間であり、その間隔Wは第1鞘層の1/2~2/3くらい、すなわち0.4~2.0μmであることがわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-109300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、複合紡糸法によって光ファイバーを製造する場合、第2鞘樹脂組成物に着色物質を含有させると、その含有量に対応して第2鞘樹脂組成物の溶融粘度が上昇するので、紡糸する際の押出応力を高くしないと、第2鞘層(以下、海部とする。)を所望の寸法通りに形成することが困難となる課題があった。
【0006】
そして、その押出応力は海部の最狭箇所に局所的に加える必要があるが、複合紡糸法ではそのような細かな操作は困難であり、海部の最狭箇所の間隔Wが短ければ短いほど全体的に押出応力を高くしなければならない課題があった。その結果、海部の最狭箇所と対極にある広領域6では、海部を構成する樹脂組成物の高い押出応力の影響により、コア繊維(以下、コアとする。)1や第1鞘層(以下、クラッドとする。)3が変形する問題が発生した。
【0007】
とくに、海部3の最狭箇所Wが2μm未満の海部が存在する上記特許文献1のような発明では、海部3のカーボンブラックの含有量を少なく設定したとしても、海部3を所望の寸法通りに形成しようとすると、海部3の広領域6の高い押出応力により中央を除いた外周6本全てのコア1やクラッド2が変形しやすくなる問題があった(図6参照)。
【0008】
そこで本発明は、海部の最狭箇所と広領域との差が極力少なく、かつ各コア間の間隔を海部の着色物質の含有量に応じて過不足なく効率的に配置することにより、海部に相当量の着色物質を含有させても、安定して所望の寸法通りにコアや海部を形成することが可能な光ファイバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明は、以下である。
1)
複数のコアと、前記コアの周囲を覆う海部を有する、光ファイバーであって、
前記海部は、着色物質を含有し、
式(1)~(3)の条件を満たす、光ファイバー。
1.0<L2/L1≦3.8 ・・・(1)
0.002≦C

×(W/10)

≦3.000 ・・・(2)
0.17≦(W/10)

/C

≦300.00 ・・・(3)
(L1;海部外周から最も近い位置にあるコアについて、海部外周から当該コアまでの最小距離(μm)、L2;海部外周から2番目に近い位置にあるコアについて、海部外周から当該コアまでの最小距離(μm)、W;海部の最狭距離(μm)、C;海部を構成する樹脂組成物の100μm当たり光学濃度)
2)
前記コアは、着色物質を含有しないか、又は、着色物質の含有率が0.01重量%以下である、1)に記載の光ファイバー。
3)
さらに式(4)を満たす、1)または2)に記載の光ファイバー。
1≦L1/W≦25 ・・・(4)
4)
前記コアと前記海部との間に、前記コアの周囲を取り囲むクラッドを有する、1)~3)のいずれかに記載の光ファイバー。
5)
前記クラッドは着色物質を含有し、
前記クラッド中の着色物質の含有率(重量%)は、前記海部中の着色物質の含有率(重量%)よりも小さい、1)~4)のいずれかに記載の光ファイバー。
6)
前記海部中の着色物質は、平均一次粒子径が0.1~10μmのカーボンブラックであり、
前記海部中の前記カーボンブラックの含有率は、0.3~5重量%である、1)~5)のいずれかに記載の光ファイバー。
7)
前記コアの内径の平均値Dと標準偏差値σとの関係が、σ/D≦4.0である、1)~6)のいずれかに記載の光ファイバー。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光ファイバーは、上記のように海部の最狭箇所と広領域との差が極力少なくなるようにコアと海部を配置したので、海部に相当量の着色物質を含有させても、安定して所望の寸法通りにコアや海部を形成することが可能となる。その結果、コアを伝搬する信号光が海部に漏れ出た場合でも、海部に含有された着色物質が当該漏れ出た信号光が隣接する他のコアへの到達を阻止する。そのため、隣接した隣のコアを伝搬する信号光のノイズ等の悪影響をほとんど受けない効果がある。
(【0011】以降は省略されています)

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