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公開番号2024089644
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2023210975
出願日2023-12-14
発明の名称流体分離膜エレメント
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 63/02 20060101AFI20240626BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】いかなる膜であっても、膜が伸縮する条件で膜の欠陥や破断を生じない流体分離膜エレメントを提供することを課題とする。
【解決手段】複数本の中空糸状無機膜がエレメント筒に収納されてなる流体分離膜エレメントにおいて、前記中空糸状無機膜の少なくとも一端部が樹脂aを含むポッティング部Aを有し、前記樹脂aの100℃におけるヤング率が0.1MPa以上1.1GPa以下である、流体分離膜エレメント。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数本の中空糸状無機膜がエレメント筒に収納されてなる流体分離膜エレメントにおいて、前記中空糸状無機膜の少なくとも一端部が樹脂層aを含むポッティング部Aを有し、前記樹脂層aの100℃におけるヤング率が0.1MPa以上1.1GPa以下である、流体分離膜エレメント。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記樹脂層aと前記中空糸状無機膜の100℃におけるヤング率が以下の式1を満たす、請求項1に記載の流体分離膜エレメント。
Y1 < Y2 ・・・式1
[式1において、Y1は樹脂層aの100℃におけるヤング率[GPa]を表し、Y2は中空糸状無機膜の100℃におけるヤング率[GPa]を表す]
【請求項3】
前記中空糸状無機膜の一端のポッティング部Aにおいて、前記エレメント筒に収納されてなるすべての前記中空糸状無機膜が前記樹脂層a中に存在する請求項1に記載の流体分離膜エレメント。
【請求項4】
前記中空糸状無機膜の一端のポッティング部Aにおいて、当該中空糸状無機膜の中空部が封止材で封止されてなる請求項1に記載の流体分離膜エレメント。
【請求項5】
前記封止材の100℃におけるヤング率が0.1MPa以上1.1MPa以下である請求項4に記載の流体分離膜エレメント。
【請求項6】
前記ポッティング部Aに隣接するストッパーを有する請求項1に記載の流体分離膜エレメント。
【請求項7】
前記ポッティング部Aにおいて、前記中空糸状無機膜の中空部が封止材で封止されてなり、封止材の100℃におけるヤング率が1.5GPa以上10GPa以下である、請求項6に記載の流体分離膜エレメント。
【請求項8】
前記中空糸状無機膜の他端部が樹脂層bを含むポッティング部Bを有し、
前記樹脂層bの100℃におけるヤング率が1.5GPa以上10GPa以下である、請求項1に記載の流体分離膜エレメント。
【請求項9】
複数本の中空糸状無機膜がエレメント筒に収納されてなる流体分離膜エレメントにおいて、前記中空糸状無機膜の一端部の中空部が封止材で封止されてなり、前記中空糸状無機膜の他端部がポッティング部Cを有する流体分離膜エレメントであって、前記中空糸状無機膜の中空部が封止された一端部が樹脂層cを含み、前記中空糸状無機膜同士および前記中空糸状無機膜と前記エレメント筒が前記樹脂層cを介して直接結合していない流体分離膜エレメント。
【請求項10】
前記樹脂層cの100℃におけるヤング率が1.5GPa以上10GPa以下である、請求項9に記載の流体分離膜エレメント。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流体分離膜エレメントに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
各種混合ガスや混合液体から特定の成分を選択的に分離・精製する手法として、膜分離法がある。膜分離法は、分離膜の供給側と透過側で生じる圧力差や濃度差を駆動力とするため、他の流体分離法と比較して省エネルギーな手法として注目されている。
【0003】
例えば天然ガス精製プラントでは、主成分であるメタンガスに含まれる不純物の二酸化炭素を分離・除去するが、膜分離法を活用することで天然ガス原ガスの数MPa以上の高い噴出圧力を分離・精製に利用できる。
【0004】
膜分離法における分離膜は、容器に両端部を固定した分離膜エレメントとして使用されるが、膜に欠陥や破断が生じると、欠陥や破断からのリークによって著しく分離性が低下する。膜の欠陥や破断を抑制する方法としては、エレメント内に充填された分離膜の端部をコーティング剤で被覆して強度を向上させる方法(特許文献1参照)や、長さ方向に炭素含有率が異なる2以上の部分領域を有する中空糸状炭素膜を用いる方法(特許文献2参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-226618号公報
特開2017-13004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、モジュールケース内に中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールであって、前記中空糸膜束を構成する中空糸膜が、その少なくとも一端部側から長さL1の範囲が合成樹脂製のコーティング剤で被覆されているものであり、さらに前記中空糸膜束が、合成樹脂製のコーティング剤で被覆された中空糸膜端部側から長さL2の範囲において接着剤で一体化されたものであり、前記合成樹脂製のコーティング剤が熱硬化性樹脂接着剤および熱可塑性樹脂接着剤から選ばれるものであり、前記の長さL1とL2の関係がL1>L2である、中空糸膜モジュールが開示されている。しかしながら、特許文献1の方法は、コーティングされた膜の端部が接着剤で固定されているため、膜が伸縮する運転条件では、伸縮による膜への歪みが緩和できず、欠陥や破断が生じる課題があった。また、膜端部へのコーティングや前処理といったプロセスの増加に伴い、膜モジュールのコストアップにつながる課題があった。
【0007】
特許文献2には、長さ方向に炭素含有率が異なる2以上の部分領域を有する中空糸状炭素膜を用いた分離膜モジュールが開示されている。しかしながら、特許文献2の方法では、連続プロセスでの焼成が困難であり、バッチ焼成によるコストアップにつながる課題があった。また、中空糸状炭素膜の両端が硬化性樹脂によって結束されており、各膜の伸縮率のバラツキが生じた際に、それぞれ独立には破断や欠陥を抑制できない課題があった。
【0008】
そこで、本発明は、膜の性状にかかわらず膜が伸縮する運転条件で欠陥や破断を生じにくい流体分離膜エレメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
複数本の中空糸状無機膜がエレメント筒に収納されてなる流体分離膜エレメントにおいて、前記中空糸状無機膜の少なくとも一端部が樹脂層aを含むポッティング部Aを有し、前記樹脂層aの100℃におけるヤング率が0.1MPa以上1.1GPa以下である、流体分離膜エレメント。
【0010】
複数本の中空糸状無機膜がエレメント筒に収納されてなる流体分離膜エレメントにおいて、前記中空糸状無機膜の一端部の中空部が封止されてなり、前記中空糸状無機膜の他端部がポッティング部Cを有する、流体分離膜エレメント。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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