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公開番号2024079618
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2023197138
出願日2023-11-21
発明の名称分離膜
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 71/02 20060101AFI20240604BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】優れた耐圧性、耐久性を有し、分離係数を維持しつつ高いガス透過性能を有する分離膜およびガス分離膜モジュールの提供を課題とする。
【解決手段】緻密な分離層と多孔質層からなる繊維状の分離膜であって、該分離層の主成分が無機材料であって、凸部を島成分とする凹凸を有し、同じ凸部を囲む境界点の集合を最小二乗法により楕円近似した楕円の繊維の円周方向の幅の平均値Aが3~100μmであり、凸部を囲む境界点を楕円近似した楕円の中心から繊維軸に対して10~80度を満たし、かつ楕円の中心からの距離がAの1倍以上5倍以内を満たす範囲R以内に少なくとも他の凸部を囲む境界点を楕円近似した楕円の一部を含むような凸部の個数の割合が30%以上である分離膜。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
緻密な分離層と多孔質層からなる繊維状の分離膜であって、該分離層の主成分が無機材料であって、凸部を島成分とする凹凸を有し、同じ凸部を囲む境界点の集合を最小二乗法により楕円近似した楕円の繊維の円周方向の幅の平均値Aが3~100μmであり、凸部を囲む境界点を楕円近似した楕円の中心から繊維軸に対して10~80度を満たし、かつ楕円の中心からの距離がAの1倍以上5倍以内を満たす範囲R以内に少なくとも他の凸部を囲む境界点を楕円近似した楕円の一部を含むような凸部の個数の割合が30%以上である分離膜。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記凸部の個数の割合が70%以上である請求項1に記載の分離膜。
【請求項3】
前記繊維状の分離膜の平均繊維直径が100μm~1000μmである請求項1に記載の分離膜。
【請求項4】
凸部の境界点を楕円近似した楕円の長軸の長さをa、短軸の長さをbとしたときのアスペクト比a/bの平均値が1~5である請求項1に記載の分離膜。
【請求項5】
凸部の平均高さをX2、平均繊維直径をX1としたときのX2/X1が0.01以上0.1以下である請求項1に記載の分離膜。
【請求項6】
膜面積に対する凸部を囲む境界点を楕円近似した楕円の面積の合計の割合が0.5%以上である請求項1に記載の分離膜。
【請求項7】
前記分離層が炭素を主成分とする請求項1に記載の分離膜。
【請求項8】
前記多孔質層が共連続構造を有する請求項1に記載の分離膜。
【請求項9】
前記多孔質層が炭素を主成分とする請求項1に記載の分離膜。
【請求項10】
気体分離用である請求項1に記載の分離膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、物質の分離に使用される分離膜に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
混合ガスや混合液体から特定の成分を選択的に分離・精製する手段として、膜分離法が利用されている。
膜分離法は相変化を伴わないため、他の流体分離法と比較して省エネルギーであり、注目されている。分離膜の種類としては、例えば、ポリイミド膜、酢酸セルロース膜などの有機高分子膜、ゼオライト膜、シリカ膜、炭素膜などの無機膜などが提案されている。
なかでも炭素膜やゼオライト膜などの無機膜は、物質を分子ふるいにより分離することが可能であることや、耐薬品性、耐圧性に優れることから、無機材料からなる分離機能層を有する分離膜が種々提案されている。
例えば、多孔質セラミックス中空糸膜の表面に炭素薄膜を担持させてなる多孔質セラミックス複合中空糸膜(例えば、特許文献1参照)、中空糸状の第1の炭素膜と、前記第1の炭素膜の外表面に設けられた第2の炭素膜と、を備え、前記第2の炭素膜は、金属元素と、硫黄元素とを含む、中空糸炭素膜(例えば、特許文献2参照)、共連続多孔構造を有するコア層と、前記コア層の周囲に形成された実質的に共連続多孔構造を有しないスキン層とを有する流体分離用炭素膜(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
また、さらなる透過性能向上のため、筋状凹凸を設けた多孔質支持体上と無機膜を複合化することで、膜表面積を向上させた分離膜が提案されている(例えば特許文献4参照)が、凹部にガスが滞留しやすく濃縮され分離対象ガスの分圧が向上することで膜面積向上によるガス透過性能向上の効果が小さくなり、さらに分離係数が低下する課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-99901号公報
特開2013-63415号公報
特開2016-135741号公報
特開2019-81141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れた耐圧性、耐久性を有し、分離係数を維持しつつ高いガス透過性能を有する分離膜およびガス分離膜モジュールの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題を解決すべく、本発明は次の構成を有する。
(1) 緻密な分離層と多孔質層からなる繊維状の分離膜であって、該分離層の主成分が無機材料であって、凸部を島成分とする凹凸を有し、同じ凸部を囲む境界点の集合を最小二乗法により楕円近似した楕円の繊維の円周方向の幅の平均値Aが3~100μmであり、凸部を囲む境界点を楕円近似した楕円の中心から繊維軸に対して10~80度を満たし、かつ楕円の中心からの距離がAの1倍以上5倍以内を満たす範囲R以内に少なくとも他の凸部を囲む境界点を楕円近似した楕円の一部を含むような凸部の個数の割合が30%以上である分離膜。
(2) 前記凸部の個数の割合が70%以上である上記1に記載の分離膜。
(3) 前記繊維状の分離膜の平均繊維直径が100μm~1000μmである上記1に記載の分離膜。
(4) 凸部の境界点を楕円近似した楕円の長軸の長さをa、短軸の長さをbとしたときのアスペクト比a/bの平均値が1~5である上記1に記載の分離膜。
(5) 凸部の平均高さをX2、平均繊維直径をX1としたときのX2/X1が0.01以上0.1以下である上記1に記載の分離膜。
(6) 膜面積に対する凸部を囲む境界点を楕円近似した楕円の面積の合計の割合が0.5%以上である上記1に記載の分離膜。
(7) 前記分離層が炭素を主成分とする上記1に記載の分離膜。
(8) 前記多孔質層が共連続構造を有する上記1に記載の分離膜。
(9) 前記多孔質層が炭素を主成分とする上記1に記載の分離膜。
(10) 気体分離用である上記1に記載の分離膜。
(11) 上記1に記載の分離膜が複数本収納された分離膜モジュール。
(12) 上記11に記載の分離膜エレメントを1本以上収納、または上記1に記載の分離膜が複数本ベッセルに直接収納された分離膜モジュール。
(13) 上記12に記載の分離膜モジュールを1本以上備えた膜分離システム。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、膜表面でのガスの滞留を抑制し、優れた耐圧性、耐久性を有し、分離係数を維持しつつ高いガス透過性能を有る分離膜およびガス分離膜モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明分離膜の断面図である。
縦軸に繊維軸方向の位置、横軸に円周方向の位置をとった平面に凸部を示した図である。
範囲Rの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本明細書において、「~」はその両端の数値を含む範囲を示すものとする。
【0009】
<分離膜>
本発明における分離膜は緻密な分離層と多孔質層を有する繊維状の分離膜である。
【0010】
繊維状の分離膜の平均繊維直径は、細いほど柔軟で折損に強く耐圧性も向上し、後述する分離膜モジュールとした際のモジュール体積あたりの膜面積を向上させることができるため好ましく、10,000μm以下が好ましく、1,000μm以下がより好ましく、500μm以下が特に好ましい。また、太いほど分離層を安定して保持できるほか、機械的強度に優れ、流体の圧力損失を低減できるため好ましく、10μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上が特に好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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