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公開番号2024079617
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2023197137
出願日2023-11-21
発明の名称分離膜およびそれを用いた分離膜モジュール
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 71/02 20060101AFI20240604BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】
本発明によれば、膜表面でのガスの滞留を抑制し、優れた耐圧性、耐久性を有し、分離係数を維持しつつ高いガス透過性能を有する分離膜およびガス分離膜モジュールを提供する。
【解決手段】
緻密な分離層と多孔質層からなる繊維状の分離膜であって、該分離層の主成分が無機材料であって、該分離層の表面に線状の凸部を少なくとも一部に有し、該線状の凸部は連続または不連続であり、該分離膜の繊維長をL1、L1のうち該線状の凸部が存在する部分の繊維長をL2、L2のうち該線状の凸部の頂点の軌跡が該繊維状の分離膜の繊維軸に対して3度以上傾いている部分が存在する部分の繊維長をL3としたときに、L2/L1が0.3以上かつL3/L2が0.1以上である分離膜。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
緻密な分離層と多孔質層からなる繊維状の分離膜であって、該分離層の主成分が無機材料であって、該分離層の表面に線状の凸部を少なくとも一部に有し、該線状の凸部は連続または不連続であり、該分離膜の繊維長をL1、L1のうち該線状の凸部が存在する部分の繊維長をL2、L2のうち該線状の凸部の頂点の軌跡が該繊維状の分離膜の繊維軸に対して3度以上傾いている部分が存在する部分の繊維長をL3としたときに、L2/L1が0.3以上かつL3/L2が0.1以上である分離膜。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
L2/L1が0.5以上である請求項1に記載の分離膜。
【請求項3】
該線状の凸部が形成されている部分の繊維軸に垂直な断面において、該分離層が形成されている側の表面の近似円の平均周長をX1、凸部の平均幅をX2としたときにX2/X1が、0.005以上0.1以下である請求項1に記載の分離膜。
【請求項4】
該分離膜の平均繊維直径をY1、該線状の凸部の頂点の平均高さをY2としたときにY2/Y1が0.02以上0.1以下である請求項1に記載の分離膜。
【請求項5】
膜の表面積Z1に対する、線状の凸部の面積Z2の割合Z2/Z1が0.1以上0.7以下である請求項1に記載の分離膜。
【請求項6】
該分離層の主成分である無機材料が炭素またはケイ素のいずれかを含んでいる請求項1に記載の分離膜。
【請求項7】
該分離層の主成分が炭素である請求項6に記載の分離膜。
【請求項8】
気体分離用である請求項1に記載の分離膜。
【請求項9】
請求項1に記載の分離膜が複数本収納された分離膜エレメント。
【請求項10】
請求項9に記載の分離膜エレメントを1本以上収納、または請求項1に記載の分離膜が複数本ベッセルに直接収納された分離膜モジュール。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、物質の分離に使用される分離膜およびそれを用いた分離膜モジュールに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
混合ガスや混合液体から特定の成分を選択的に分離・精製する手段として、膜分離法が利用されている。
【0003】
膜分離法は相変化を伴わないため、他の流体分離法と比較して省エネルギーであり、注目されている。分離膜の種類としては、例えば、ポリイミド膜、酢酸セルロース膜などの有機高分子膜、ゼオライト膜、シリカ膜、炭素膜などの無機膜などが提案されている。
【0004】
なかでも炭素膜やゼオライト膜などの無機膜は、物質を分子ふるいにより分離することが可能であることや、耐薬品性、耐圧性に優れることから、無機材料からなる分離機能層を有する分離膜が種々提案されている。
【0005】
例えば、多孔質セラミックス中空糸膜の表面に炭素薄膜を担持させてなる多孔質セラミックス複合中空糸膜(例えば、特許文献1参照)、中空糸状の第1の炭素膜と、前記第1の炭素膜の外表面に設けられた第2の炭素膜と、を備え、前記第2の炭素膜は、金属元素と、硫黄元素とを含む、中空糸炭素膜(例えば、特許文献2参照)、共連続多孔構造を有するコア層と、前記コア層の周囲に形成された実質的に共連続多孔構造を有しないスキン層とを有する流体分離用炭素膜(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
【0006】
また、さらなる透過性能向上のため、筋状凹凸を設けた多孔質支持体と無機膜を複合化することで、膜表面積を向上させた分離膜が提案されている(例えば特許文献4参照)が、凹部にガスが滞留しやすく濃縮され分離対象ガスの分圧が向上することで膜面積向上によるガス透過性能向上の効果が小さくなり、さらに分離係数が低下する課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-99901号公報
特開2013-63415号公報
特開2016-135741号公報
特開2019-81141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、優れた耐圧性、耐久性を有し、分離係数を維持しつつ高いガス透過性能を有する分離膜およびガス分離膜モジュールの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(1) 緻密な分離層と多孔質層からなる繊維状の分離膜であって、該分離層の主成分が無機材料であって、該分離層の表面に線状の凸部を少なくとも一部に有し、該線状の凸部は連続または不連続であり、該分離膜の繊維長をL1、L1のうち該線状の凸部が存在する部分の繊維長をL2、L2のうち該線状の凸部の頂点の軌跡が該繊維状の分離膜の繊維軸に対して3度以上傾いている部分が存在する部分の繊維長をL3としたときに、L2/L1が0.3以上かつL3/L2が0.1以上である分離膜。
(2) L2/L1が0.5以上である上記(1)に記載の分離膜。
(3) 該線状の凸部が形成されている部分の繊維軸に垂直な断面において、該分離層が形成されている側の表面の近似円の平均周長をX1、凸部の平均幅をX2としたときにX2/X1が、0.005以上0.1以下である上記(1)に記載の分離膜。
(4) 該分離膜の平均繊維直径をY1、該線状の凸部の頂点の平均高さをY2としたときにY2/Y1が0.02以上0.1以下である上記(1)に記載の分離膜。
(5) 膜の表面積Z1に対する、線状の凸部の面積Z2の割合Z2/Z1が0.1以上0.7以下である上記(1)に記載の分離膜。
(6) 該分離層の主成分である無機材料が炭素またはケイ素のいずれかを含んでいる上記(1)に記載の分離膜。
(7) 該分離層の主成分が炭素である上記(6)に記載の分離膜。
(8) 気体分離用である上記(1)に記載の分離膜。
(9) 上記(1)に記載の分離膜が複数本収納された分離膜モジュール。
(10) 上記(9)に記載の分離膜エレメントを1本以上収納、または上記(1)に記載の分離膜が複数本ベッセルに直接収納された分離膜モジュール。
(11) 上記(10)に記載の分離膜モジュールを1本以上備えた膜分離システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、膜表面でのガスの滞留を抑制し、優れた耐圧性、耐久性を有し、分離係数を維持しつつ高いガス透過性能を有する分離膜およびガス分離膜モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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