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公開番号2024079995
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022192788
出願日2022-12-01
発明の名称油脂抽出蒸留設備
出願人株式会社建
代理人
主分類B01D 3/40 20060101AFI20240606BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】脱溶剤器から蒸発缶へ供給される複合ガスの温度低下、潜熱不足を防止し、蒸発缶の本来の蒸発機能を発揮し、その後工程でのエネルギー消費を節約することができる油脂抽出蒸留設備を提供する。
【解決手段】本発明の油脂抽出蒸留設備は、溶剤抽出後の油粕に向けて供給される水蒸気によって油粕を加熱して油粕に含まれるノルマルヘキサンを気化させて生成する水蒸気及びノルマルヘキサンガスを複合ガスとして供給する脱溶剤機15と、脱溶剤機15から供給される複合ガスの潜熱を熱源としてミセラを減圧下で蒸発させる第1蒸発缶22と、を備え、脱溶剤機15内の複合ガス中で浮遊する油粕の微粉を油粕に戻すように構成されており、脱溶剤機15にフラッシュタンク17Aを接続し、フラッシュ蒸気によって微粉を油粕に戻すと共にフラッシュ蒸気が合流した複合ガスによってミセラを加熱する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
溶剤抽出後の油粕に向けて供給される水蒸気によって上記油粕を加熱して上記油粕に含まれる溶剤を気化させて生成する水蒸気及び気化溶剤を複合ガスとして供給する脱溶剤機と、上記脱溶剤機から供給される上記複合ガスの潜熱を熱源として油脂抽出液を減圧下で加熱してその溶剤を蒸発させる蒸発缶と、を備え、上記脱溶剤機内の上記複合ガス中で浮遊する上記油粕の微粉を上記油粕に戻すように構成された油脂抽出蒸留設備であって、上記脱溶剤機にフラッシュ蒸気を供給するフラッシュ蒸気供給源を接続し、上記フラッシュ蒸気によって上記微粉を上記油粕に戻すと共に上記フラッシュ蒸気が合流した上記複合ガスの潜熱によって上記油脂抽出液を加熱することを特徴とする油脂抽出蒸留設備。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
上記脱溶剤機内の上記複合ガスの流路にエリミネータを設けたことを特徴とする請求項1に記載の油脂抽出蒸留設備。
【請求項3】
上記脱溶剤機内に、上記エリミネータの上方に位置する噴霧ヘッドを設け、上記噴霧ヘッドには上記フラッシュ蒸気供給源を接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油脂抽出蒸留設備。
【請求項4】
上記フラッシュ蒸気供給源がフラッシュタンクとして構成されていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の油脂抽出蒸留設備。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂原料を溶剤抽出した後の油粕に含まれる溶剤を除去する脱溶剤機を備えた油脂抽出蒸留設備に関し、更に詳しくは、脱溶剤機の後段で行われる油脂抽出液の蒸留の消費エネルギーを節約することができる油脂抽出蒸留設備に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
植物油の製造では、菜種、とうもろこし胚芽あるいは大豆等の植物油原料から菜種油、とうもろこし油あるいは大豆油などの油脂を採油する。採油方法としては、圧搾法、溶剤抽出法及び圧油法がある。菜種、とうもろこし胚芽等のように油脂成分が多い植物油原料では、原料を圧搾して油脂成分を搾り出す圧搾法が採用されている。大豆等のように油脂成分が20%に満たない油脂成分の少ない植物油原料では、加熱などの前処理後押し潰してフレーク状にした植物油原料(以下、「フレーク」と称す。)から油脂成分を例えば、溶剤(例えばノルマルヘキサン)によって抽出する溶剤抽出法が採用されている。また。菜種、とうもろこし胚芽等の圧搾後の搾り粕にも油脂成分が10数%程度残留しているため、ノルマルヘキサンを用いて搾り粕から油脂成分を抽出する、圧搾法と抽出法を組み合わせた圧抽法が採用されている。溶剤抽出法や圧抽法ではフレークや搾り粕(以下、「油粕」と称す。)から油脂成分を抽出した後、油脂抽出液を例えば350~240torrほどの減圧下で加熱して抽出溶剤であるノルマルヘキサンを蒸発させて油脂を回収する油脂抽出蒸留設備が用いられる。
【0003】
上記油脂抽出蒸留設備は、例えば図3に示すように、抽出部10及び蒸発蒸留部20を備え、抽出部10において得られた油脂抽出液(以下、「ミセラ」と称す。)が減圧下の蒸発蒸留部20へ供給され、ここでノルマルヘキサンを蒸発させて大豆油等の油脂を回収している。
【0004】
抽出部10は、固定床コンベア式抽出機(以下、単に「抽出機」と称す。)11と、その上流側と下流側にそれぞれ付設された、抽出前後の油粕を搬送する第1、第2搬送機11A、11Bと、抽出機11内にノルマルヘキサンを供給する溶剤ポンプ12と、抽出機11からのミセラ(例えば油脂20%、ノルマルヘキサン80%)を貯留するミセラタンク13と、後述する蒸発蒸留部20内の溶剤セパレータから供給される液状のノルマルヘキサンを加熱する溶剤加熱機14と、抽出機11から搬入される油粕内に含まれるノルマルヘキサンを除去する脱溶剤機15と、を備えている。以下ではノルマルヘキサンに含まれる油脂の含有率をミセラ濃度と称する。例えばノルマルヘキサン中の油脂含有率が20%であれば、ミセラ濃度20%と称する。
【0005】
また、脱溶剤機15の上部と下部にはそれぞれ第3、第4搬送機15A、15Bが付設されている。この脱溶剤機15には第2、第3搬送機11B、15Aを介して抽出機11からノルマルヘキサンを含んだ油粕が搬入される。脱溶剤機15には、油粕の下方から上方に向けて水蒸気を供給する水蒸気供給体15Cが設けられ、水蒸気供給体15Cに接続された水蒸気管からの水蒸気によって油粕全体が流動化して満遍なく加熱されて油粕に含まれるノルマルヘキサンが気化されるようになっている。油粕は、脱溶剤機15内において水蒸気で加熱されてノルマルヘキサンが除去され、トーストされた後、第4搬送機15Bを介して例えば飼料用として搬出される。水蒸気と気化したノルマルヘキサン(以下、「ノルマルヘキサンガス」と称す。)は複合ガスとして油粕の微粉を含んで脱溶剤機15の上部空間へ上昇する。
【0006】
脱溶剤機15の上部空間のガス出口にはサイクロン型スクラバー15Dが取り付けられ、このサイクロン型スクラバー15Dは溶剤加熱機14から供給されるノルマルヘキサンを用いて油粕から舞い上がる油粕の微粉を除去した後、微粉を含まない油粕から上昇する複合ガス(水蒸気及びノルマルヘキサンガス)を蒸発蒸留部20側へ供給する。
【0007】
蒸発蒸留部20は、第1、第2蒸発缶21、22及び油脂塔23を備え、減圧下で第1、第2蒸発缶21、22においてミセラのノルマルヘキサンを順次蒸発させ、真空度が徐々に高くなる油脂塔23においてミセラの残存ノルマルヘキサンを除去し、ミセラは最終的にはノルマルヘキサンが殆ど除去された油脂として回収される。第1蒸発缶21は、脱溶剤機15から供給される水蒸気及びノルマルヘキサンガスからなる複合ガスの潜熱によってミセラタンク13から受給するミセラを減圧下で加熱してノルマルヘキサンを蒸発させてミセラ濃度を高める。このミセラから蒸発したノルマルヘキサンは第1コンデンサ24によって凝縮され、溶剤セパレータ25において回収される。第1蒸発缶21から流出するミセラは第2蒸発缶22へ供給される。第2蒸発缶22では第1蒸発缶21より真空度の高い減圧下でミセラが水蒸気によって加熱されてノルマルヘキサンが蒸発し、ミセラを蒸留して油脂成分の濃度が96%の濃縮ミセラを生成し、ここで蒸発したノルマルヘキサンガスが第1コンデンサ24によって凝縮され溶剤セパレータ25で回収される。このようにミセラは第2蒸発缶22において大半のノルマルヘキサンが除去される。残りのノルマルヘキサンは油脂塔23において除去される。
【0008】
油脂塔23は、上下に分割され、下部23Bが上部23Aより高真空になっている。上下の各部23A、23Bには、それぞれ複数の棚段が設けられ、濃縮されたミセラが各棚段を流下する間に水蒸気で加熱されて徐々に蒸留される。油脂塔23において除去されたノルマルヘキサンガスは第2コンデンサ26で凝縮され溶剤セパレータ25で回収される。この液化したノルマルヘキサンには水蒸気蒸留で利用された水分が少量含まれているため、溶剤セパレータ25においてノルマルヘキサンから水が分離されて、水回収部27において水が回収される。溶剤セパレータ25で回収されたノルマルヘキサンは配管を介して溶剤加熱機14へ戻され、溶剤加熱機14から脱溶剤機15のサイクロン型スクラバー15Dに供給されるようになっている。
【0009】
従来の油脂抽出蒸留設備では、図3に示すように、抽出部10において油粕を溶剤抽出してミセラを得る。溶剤抽出後の油粕は脱溶剤機15へ搬送され、ミセラはミセラタンク13に一時的に溜められる。その後、ミセラは第1蒸発缶21へ供給され、ここで脱溶剤機15から供給される複合ガスの潜熱を熱源として減圧下でミセラを加熱してノルマルヘキサンを蒸発させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図3に示す従来の油脂抽出蒸留設備の場合には、第1蒸発缶21では脱溶剤機15から供給される複合ガスの潜熱によってミセラを加熱して濃縮しているが、複合ガスの温度が必要温度よりも低く、第1蒸発缶21で必要とされる潜熱を得ることができず、第1蒸発缶21が本来の蒸発機能が発揮できず、それだけ後工程である蒸発蒸留工程での蒸発蒸留負担が大きくなり、余分のエネルギーが消費されるという課題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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