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公開番号2024075046
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-03
出願番号2022186182
出願日2022-11-22
発明の名称脱液方法
出願人株式会社杉原工業
代理人個人
主分類B01D 29/17 20060101AFI20240527BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】固液混合原料の脱液を効果的に行い得る技術を提供する。
【解決手段】
本明細書で開示する脱液方法は、脱液機を用いて固液混合原料から液体を分離する脱液方法であって、脱液機のスクリュー体の回転羽根部間に固液混合原料を投入する投入ステップであって、スクリュー体のうちの固液混合原料が投入される部分において、固液混合原料の上側液面の高さが回転羽根部の先端の高さより低い位置に存在するように固液混合原料を投入する投入ステップと、駆動機構を駆動させることにより、回転羽根部間に投入された固液混合原料が前記出口側端部に向けて搬送されるように、脱液機のバレルとスクリュー体とを相対回転させる回転ステップと、回転羽根部間に投入された固液混合原料を出口側端部に向けて搬送するとともに、スクリュー体とバレルとの間で固液混合原料を圧搾圧密することによって固液混合原料から液体を分離させる脱液ステップとを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
脱液機を用いて固液混合原料から液体を分離する脱液方法であって、
前記脱液機は、
多数個の脱液用加工部が形成された金属製の円筒体であるバレルと、前記バレルの内側に前記バレルと同心状に配置されるスクリュー体と、駆動機構と、を備えており、
前記スクリュー体の回転羽根部間のピッチは、入口側端部から出口側端部に向けて狭くなるように形成されており、
前記駆動機構は、前記スクリュー体の前記回転羽根部間に投入された前記固液混合原料が前記出口側端部に向けて搬送されるように、前記バレルと前記スクリュー体とを相対回転させるものであり、
前記スクリュー体の前記回転羽根部間に前記固液混合原料を投入する投入ステップであって、前記スクリュー体のうちの前記固液混合原料が投入される部分において、前記固液混合原料の上側液面の高さが前記回転羽根部の先端の高さより低い位置に存在するように前記固液混合原料を投入する、前記投入ステップと、
前記駆動機構を駆動させることにより、前記回転羽根部間に投入された前記固液混合原料が前記出口側端部に向けて搬送されるように、前記バレルと前記スクリュー体とを相対回転させる、回転ステップと、
前記回転羽根部間に投入された前記固液混合原料を前記出口側端部に向けて搬送するとともに、前記スクリュー体と前記バレルとの間で前記固液混合原料を圧搾圧密することによって、前記固液混合原料から液体を分離させる脱液ステップと、を有する、
脱液方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記投入ステップでは、前記固液混合原料は、投入される前記固液混合原料の上側液面の高さが前記回転羽根部の先端の高さより低い位置に存在するような単位時間当たりの投入量で投入される、請求項1に記載の脱液方法。
【請求項3】
前記バレルに振動を加える加振ステップをさらに有する、請求項1に記載の脱液方法。
【請求項4】
前記スクリュー体は、金属材をコイル状に巻いて成形されたスクリュー型螺旋体であって、そのピッチが前記入口側端部から前記出口側端部に向けて狭くなるように形成されており、
前記脱液機は、前記スクリュー型螺旋体の内側に前記スクリュー型螺旋体と同心状に配置される軸体をさらに備えており、
前記駆動機構は、前記スクリュー型螺旋体の線間に投入された前記固液混合原料が、前記出口側端部に向けて搬送されるように、前記バレル及び前記軸体の組合せと、前記スクリュー型螺旋体と、を相対回転させる、請求項1に記載の脱液方法。
【請求項5】
前記バレルは、金属製の円筒体であるバレル用濾材と、前記バレル用濾材を保持するケーシングとを備えており、
前記バレル用濾材は、前記固液混合原料が接触する側の表面と、前記表面の反対側の裏面とを有する円筒状の濾材本体を備え、
前記濾材本体には前記多数個の脱液用加工部が形成されており、
前記多数個の脱液用加工部のそれぞれは、2本の剪断部に挟まれており、
前記2本の剪断部は、前記表面と前記裏面の間で前記濾材本体が剪断されている部分である、請求項1に記載の脱液方法。
【請求項6】
前記バレルに振動を加える加振ステップをさらに有しており、
前記2本の剪断部は前記入口側端部から前記出口側端部に向かう搬送方向に沿って形成されており、
前記ケーシングは、前記バレル用濾材のうち、前記搬送方向に沿って隣り合う2個の前記脱液用加工部の間の連結部を露出させる開口部を有しており、
前記加振ステップでは、前記開口部から露出している前記バレル用濾材の前記連結部に振動が加えられる、請求項5に記載の脱液方法。
【請求項7】
前記バレル用濾材は、半円筒状の第1濾材と半円筒状の第2濾材とを有しており、前記第1濾材と前記第2濾材とを組み合わせることにより円筒状の前記バレル用濾材が形成される、請求項6に記載の脱液方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、例えば汚泥等のように、液体と固形物が混合された状態の固液混合原料から液体と固体を分離する脱液方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スクリュー式脱液機が開示されている。スクリュー式脱液機は、多孔板製の円筒状のバレルと、バレル内に同心状に配置されるスクリュー体と、スクリュー体を回転させてバレル内に投入された濾過対象の固液混合原料(例えば汚泥等)をバレルの出口側端部に向かって送る回転機構とを有する。スクリュー体は、バレルと同心状に配置されたスクリュー軸と、スクリュー軸の外面に固定されたスクリュー羽根とを有する。スクリュー羽根の間隔(ピッチ)はバレルの出口側端部に向けて小さくなるように形成されている。バレルの入口側端部上には固液混合原料を投入するための投入口が設けられている。投入口の下にはスクリュー体が存在する。
【0003】
投入口に投入された固液混合原料は、投入口内を落下してバレルの入口側端部内に入る。投入口の下に存在するスクリュー体が回転することにより、バレル内に投入された固液混合原料が出口側端部に向かって送られる。この際、バレルの内周面とスクリュー体との間の空間(即ち固液混合原料の通路)は、出口側端部に向かって徐々に狭くなる。そのため、固液混合原料は、出口側端部に向かうに従って、バレルの内周面とスクリュー体の間に挟まれて圧搾圧密される。この結果、固液混合原料から液体が分離される。分離された液体は、バレルに設けられた多数の孔から外部に排出される。液体が除去された後の原料(即ち脱液後の固形物。ケークとも呼ばれる)は、バレルの出口側端部から外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-212697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、バレル内に固液混合原料を投入する場合、バレルの内周面とスクリュー体との間の空間(即ち固液混合原料の通路)が入口側端部から出口側端部の全範囲にわたって隙間なく固液混合原料で満たされるように密に固液混合原料を投入している。この際、投入口からバレルに至る流路も密に固液混合原料で満たされるように固液混合原料を投入している。このように固液混合原料を密に投入することで、固液混合原料が入口側端部から出口側端部に搬送される全過程において固液混合原料を圧搾圧密することを図っている。
【0006】
しかしながら、本件発明者らによる鋭意研究の結果、以下の事実が判明した。即ち、投入口からバレルに至る流路と、バレルの内周面とスクリュー体との間の空間(固液混合原料の通路)の全範囲とが隙間なく固液混合原料で満たされていると、投入口からスクリュー体に向かって押し込まれる固液混合原料の下向きの圧力により、スクリュー体とともに回転しようとする固液混合原料に対する抵抗が大きくなる場合がある。さらに、バレルの内周面やスクリュー体の表面に固液混合原料が張り付いてケーク層を形成し、通路内で固液混合原料が空回りする場合もある。その結果、固液混合原料の出口側端部への搬送がスムーズに進まず、却って液体の分離が十分に行われないおそれがある。特に、固液混合原料が非常に微細な固体を含む場合などにはこの不具合が顕著に表れる。
【0007】
本明細書では、脱液機を用いて固液混合原料の脱液を効果的に行い得る脱液方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で開示する脱液方法は、脱液機を用いて固液混合原料から液体を分離する脱液方法であって、前記脱液機は、多数個の脱液用加工部が形成された金属製の円筒体であるバレルと、前記バレルの内側に前記バレルと同心状に配置されるスクリュー体と、駆動機構と、を備えており、前記スクリュー体の回転羽根部間のピッチは、入口側端部から出口側端部に向けて狭くなるように形成されており、前記駆動機構は、前記スクリュー体の前記回転羽根部間に投入された前記固液混合原料が前記出口側端部に向けて搬送されるように、前記バレルと前記スクリュー体とを相対回転させるものであり、前記スクリュー体の前記回転羽根部間に前記固液混合原料を投入する投入ステップであって、前記スクリュー体のうちの前記固液混合原料が投入される部分において、前記固液混合原料の上側液面の高さが前記回転羽根部の先端の高さより低い位置に存在するように前記固液混合原料を投入する、前記投入ステップと、前記駆動機構を駆動させることにより、前記回転羽根部間に投入された前記固液混合原料が前記出口側端部に向けて搬送されるように、前記バレルと前記スクリュー体とを相対回転させる、回転ステップと、前記回転羽根部間に投入された前記固液混合原料を前記出口側端部に向けて搬送するとともに、前記スクリュー体と前記バレルとの間で前記固液混合原料を圧搾圧密することによって、前記固液混合原料から液体を分離させる脱液ステップと、を有する。
【0009】
上記の脱液方法では、投入ステップにおいて、スクリュー体のうちの固液混合原料が投入される部分において、固液混合原料の上側液面の高さが回転羽根部の先端の高さより低い位置に存在するように固液混合原料が投入される。このため、少なくともバレルの入口側端部近傍(搬送方向上流側)では、バレルの内周面とスクリュー体との間の空間(固液混合原料の通路)が固液混合原料で隙間なく満たされることがない。固液混合原料とバレルの内周面及びスクリュー体との間に余裕ができる。原料投入位置において固液混合原料とバレルの内周面及びスクリュー体との間に余裕があると、スクリュー体とともに回転しようとする固液混合原料に対して、外部からスクリュー体に押し込まれる固液混合原料の圧力による抵抗が加わらないため、固液混合原料の回転(搬送)が阻害され難い。さらに、バレルの内周面やスクリュー体の表面に固液混合原料が張り付く事態が抑制され、出口側端部への固液混合原料の搬送が促進される。バレルの内周面とスクリュー体との間の空間(固液混合原料の通路)内に、固液混合原料の搬送に効果的な渦流が生じやすい。固液混合原料が非常に微細な固体を含む場合などにはこれらの利点が顕著に表れる。そのため、上記の方法によると、固液混合原料の搬送がスムーズに進む。出口側に向けて搬送される間も固液混合原料からは液体が分離される。そして、出口側端部に近づくに従って、バレルの内周面とスクリュー体との間の空間(即ち固液混合原料の通路)は徐々に狭くなる。出口側端部に近づくに従って、固液混合原料はバレルの内周面とスクリュー体の間に挟まれて圧搾圧密される。この結果、固液混合原料から液体がさらに分離される。即ち上記の脱液方法によると、投入された固液混合原料の搬送と圧搾圧密が効果的に行われる。従来の脱液方法と比べ、固液混合原料の脱液を効果的に行い得る。
【0010】
前記投入ステップでは、前記固液混合原料は、投入される前記固液混合原料の上側液面の高さが前記回転羽根部の先端の高さより低い位置に存在するような単位時間当たりの投入量で投入されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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