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公開番号2024081112
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-17
出願番号2023139592
出願日2023-08-30
発明の名称一方向コンポジット、スパーキャップおよび風車ブレード
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 70/20 20060101AFI20240610BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】
引張弾性率が高く、かつ寸法安定性に優れた一方向コンポジットを提供する。
【解決手段】
一方向に配列された炭素繊維とマトリクス樹脂とを含む一方向コンポジットであって、前記炭素繊維として、単繊維の繊維軸が右巻きらせんを有する炭素繊維、および単繊維の繊維軸が左巻きらせんを有する炭素繊維の両方を含む一方向コンポジット。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
一方向に配列された炭素繊維とマトリクス樹脂とを含む一方向コンポジットであって、前記炭素繊維として、単繊維の繊維軸が右巻きらせんを有する炭素繊維、および単繊維の繊維軸が左巻きらせんを有する炭素繊維の両方を含む一方向コンポジット。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
繊維軸が右巻きらせんを有する単繊維からなる炭素繊維束の本数をN

(本)、繊維軸が左巻きらせんを有する単繊維からなる炭素繊維束の本数をN

(本)としたときに、比N

/(N

+N

)が0.4~0.6である、請求項1に記載の一方向コンポジット。
【請求項3】
繊維軸が右巻きらせんを有する単繊維からなる炭素繊維束の本数をN

(本)、繊維軸が左巻きらせんを有する単繊維からなる炭素繊維束の本数をN

(本)としたときに、一方向コンポジットを幅方向に均等に2分割した際、分割後の2つの断片のいずれにおいても、比N

/(N

+N

)が0.4~0.6である、請求項2に記載の一方向コンポジット。
【請求項4】
50mm以上の幅を有する一方向コンポジットであって、繊維軸が右巻きらせんを有する単繊維からなる炭素繊維束の本数をN

(本)、繊維軸が左巻きらせんを有する単繊維からなる炭素繊維束の本数をN

(本)としたときに、分割後の一方向コンポジットの幅が10mm以上20mm以下となるまで、一方向コンポジットを幅方向に均等に2

分割(nは自然数)した際、分割後の2

個の断片のいずれにおいても、比N

/(N

+N

)が0.4~0.6である、請求項3に記載の一方向コンポジット。
【請求項5】
単繊維の繊維軸が右巻きらせんを有する炭素繊維束と左巻きらせんを有する炭素繊維束が、一方向コンポジットの幅方向に交互に並んでいる、請求項1または2に記載の一方向コンポジット。
【請求項6】
前記単繊維の繊維軸が右巻きらせんを有する炭素繊維、および前記単繊維の繊維軸が左巻きらせんを有する炭素繊維の繊維軸のらせんピッチの平均値が1.00cm以上かつ7.00cm以下である、請求項1または2に記載の一方向コンポジット。
【請求項7】
前記繊維軸のらせんピッチの平均値が4.00cm以上である、請求項6に記載の一方向コンポジット。
【請求項8】
前記単繊維の繊維軸が右巻きらせんを有する炭素繊維、および単繊維の繊維軸が左巻きらせんを有する炭素繊維の単繊維を側面から直線距離1mmの範囲で観察した際の繊維軸のゆらぎ幅が1.5μm以上かつ30μm未満である、請求項1または2に記載の一方向コンポジット。
【請求項9】
前記繊維軸のゆらぎ幅が3.0μm未満である、請求項8に記載の一方向コンポジット。
【請求項10】
炭素繊維の単繊維直径の平均値が6.0μm以下である、請求項1または2に記載の一方向コンポジット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一方向に配列された炭素繊維を含む引抜成形品などの一方向コンポジットに関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
一方向に配列された炭素繊維に樹脂が含浸されてなる引抜成形品に代表される一方向コンポジットは炭素繊維の代表的な利用形態のひとつであり、炭素繊維の配列方向に優れた力学特性を発揮する材料である。
【0003】
引抜成形では長手方向に一定の形状を有する材料を得ることができるため、大型部材や大量生産に適しているが、こうした場合、引張弾性率と寸法安定性とを高いレベルで両立させることが求められる。この要求に対し、強化繊維の積層構成を工夫することで寸法安定性を向上させる技術が提案されている。例えば、特許文献1では、炭素繊維束のサイジング剤付着量低減や撚糸適用によって走行糸を安定させ、引抜成形される炭素繊維束の配置を断面内で中心対称多層構造とすることで真直性能を改善した繊維強化引抜成形棒が提案されている。また、特許文献2では、引張弾性率の高い炭素繊維を最外層に配置することで寸法安定性を向上させた棒状ハイブリッド部材の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭62-256633号公報
特開2009-173026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、大型化が進んでいる風力発電用風車ブレード等の用途に適用するために、一方向コンポジットには、近年さらなる引張弾性率と寸法安定性の向上が求められるようになってきている。本発明は、引張弾性率が高く、かつ寸法安定性に優れた一方向コンポジットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特許文献1はサイジング剤付着量を低減した撚糸を用いることで走行糸を安定させる方法を提案しているが、本発明者らが検討したところによると、引抜成形時に撚糸の撚り数を大きくしていくと引抜成形時の引抜力が高くなり、サイジング付着量の低減と組み合わせることで毛羽発生が起こり、プロセスが困難になる場合があることが分かった。
【0007】
また、特許文献2は引張弾性率の高い炭素繊維を最外層に配置することで寸法安定性を向上させる方法を提案しているが、引張弾性率をさらに高めるために撚り数の多い有撚糸を用いた場合、上記した寸法安定性の低下と引抜力の上昇が見られることがあった。
【0008】
有撚糸は炭素繊維束としての収束性に優れている点や引張弾性率を向上させやすい点などの利点があり、かかる利点は撚り数を大きくすれば増大していくものの、上記のように得られた一方向コンポジット(引抜成形品をはじめとする一方向強化コンポジット)の寸法安定性との間にトレードオフの関係がある。
【0009】
上記の目的を達成するための本発明は、一方向に配列された炭素繊維とマトリクス樹脂とを含む一方向コンポジットであって、炭素繊維として、単繊維の繊維軸が右巻きらせんを有する炭素繊維、および単繊維の繊維軸が左巻きらせんを有する炭素繊維の両方を含む一方向コンポジットである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のように炭素繊維の繊維軸のらせん方向を制御することで、撚り数の多い有撚糸を用いた場合でも、反りが少なく、かつ引張弾性率の高い一方向コンポジットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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