TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024087761
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2023164178
出願日2023-09-27
発明の名称サイジング剤塗布炭素繊維束
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D06M 15/53 20060101AFI20240624BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】サイジング剤塗布炭素繊維束が取り扱い性に優れる場合であっても、良好な水分散性を示し、塗布するサイジング剤の量の低減や多様なサイジング剤が使用可能といった設計自由度が高いサイジング剤塗布炭素繊維束を提供する。
【解決手段】以下の(i)~(iv)を満たすサイジング剤塗布炭素繊維束。
(i)サイジング剤付着量Xが、サイジング剤塗布炭素繊維束に対して、0.05質量%以上6.00質量%以下である。
(ii)上記(i)で規定されるサイジング剤付着量Xと明細書記載の条件で50秒間水洗した後のサイジング剤付着量Yの比であるY/Xが0.70以下である。
(iii)炭素繊維束から無作為に30本抽出した炭素繊維の単繊維における、繊維軸のゆらぎ幅の平均値が9.0μm以上100.0μm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の(i)~(iii)を同時に満たすサイジング剤塗布炭素繊維束。
(i)サイジング剤付着量Xが、サイジング剤塗布炭素繊維束中、0.05質量%以上6.00質量%以下である。
(ii)上記(i)で規定されるサイジング剤付着量Xと明細書記載の条件で50秒間水洗した後のサイジング剤付着量Yの比であるY/Xが0.70以下である。
(iii)炭素繊維束から無作為に30本抽出した炭素繊維の単繊維における、繊維軸のゆらぎ幅の平均値が9.0μm以上100.0μm以下である。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
ゆらぎ幅の平均値が9.0μm以上45.0μm以下である請求項1に記載のサイジング塗布炭素繊維束。
【請求項3】
ゆらぎ幅の平均値が11.0μm以上である請求項1または2に記載のサイジング塗布炭素繊維束。
【請求項4】
単繊維直径の平均値が6.0μm以上である請求項1~3のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項5】
引張弾性率の平均値が200GPa以上である請求項1~4のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項6】
引張弾性率Eと単繊維の平均結晶子サイズL

が式(1)を満たす請求項1~5のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
E≧110×L

・・・式(1)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、サイジング剤塗布炭素繊維束の取り扱い性に適した収束性を示し、かつ不織布の製造工程などに代表される水分散プロセスにおいて水への良好な分散性を示すサイジング剤を塗布したサイジング剤塗布炭素繊維束に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維は、軽量でありながら、強度および弾性率に優れるため、種々のマトリクス樹脂と組み合わせた複合材料として、航空機部材、宇宙機部材、自動車部材、船舶部材、土木建築材およびスポーツ用品等の多くの分野に用いられている。炭素繊維は極細の繊維からなるため、複合材料への加工時に取り扱い性に優れ、ローラーへの毛羽の巻き付きや破断を低減することが重要である。そのため炭素繊維束にはサイジング剤が塗布されることで取り扱い性の向上や耐擦過性の向上による毛羽発生の抑制が図られている。(特許文献1および2)。
【0003】
炭素繊維束は様々なタイプの複合材料として利用されている。そのなかの一つに、一定長にカットされた炭素繊維をウェブ状に加工し、不織布などにすることがある。その方法としてカットされた炭素繊維を液体中に分散させておき、紙漉きの要領で漉き取る方法が知られている。特許文献3では炭素繊維束の取り扱い性と水分散性を両立するサイジング剤が提案されている。また、特許文献4ではサイジング剤組成物を塗布してカットした炭素繊維束を紙や不織布、強化コンクリート、電池用電極材など水を媒体として製造される製品に用いる目的で水により容易に除去できる脱サイジング編織物用炭素繊維が提案されている。また、サイジング剤の組成によっては、炭素繊維束を熱可塑性樹脂と複合化する際にサイジング剤由来の熱分解残渣が介在することを嫌い、例えば特許文献5では、熱可塑性樹脂と複合化する際の熱分解物を減らし、高品質な複合材料を得るために、水溶性の高いサイジング剤が提案されている。
【0004】
一方、炭素繊維に撚り形状を付与することでサイジング剤を塗布する前の炭素繊維束そのものに収束性を付与する例も知られている。例えば特許文献6や7では、炭素化処理する前に繊維束に撚りをかけた状態とすることで、炭素化処理後の炭素繊維束に収束性を付与する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許第3957716号明細書
特開昭57-171767号公報
国際公開第2006/019139号
特開2000-54269号公報
国際公開第2021/149656号
特開昭51-105419号公報
特開2019-151956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、背景技術には次のような課題がある。
【0007】
特許文献1,2によれば、炭素繊維束の取り扱い性や耐擦過性の向上は認められるものの、水への分散性に何ら効果を与えるものではない。
【0008】
また、特許文献3、4によれば、サイジング剤の組成によってサイジング剤塗布炭素繊維の取り扱い性と水分散性を両立しているが、その効果のためにはサイジング剤塗布炭素繊維束に対して、少なくともサイジング剤付着量0.8質量%程度が必要であり、サイジング剤の設計自由度も制限されるものであった。
【0009】
また、特許文献5によれば、サイジング剤塗布炭素繊維束には高い水溶性が付与されているものの、サイジング剤の成分に界面活性剤を含むといった制限があり、収束性への具体的な効果も明記されていない。
【0010】
また、特許文献6,7によれば、得られた炭素繊維束の収束性は高いものの、水への分散性については何ら言及されていない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
積層体
7日前
東レ株式会社
分離膜
22日前
東レ株式会社
溶融紡糸設備
13日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
8日前
東レ株式会社
流体分離膜エレメント
今日
東レ株式会社
サイジング剤塗布炭素繊維束
2日前
東レ株式会社
二軸配向ポリエステルフィルム
6日前
東レ株式会社
材料特性評価方法および解析方法
13日前
東レ株式会社
除害装置、除害方法及び半導体製造方法
14日前
東レ株式会社
X線検査装置、及び風車ブレードの検査方法
13日前
東レ株式会社
分離膜およびそれを用いた分離膜モジュール
22日前
東レ株式会社
電力変換装置、無線通信装置、センサおよび無線給電装置
今日
東レ株式会社
一方向コンポジット、スパーキャップおよび風車ブレード
16日前
東レ株式会社
繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法、および繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物
1日前
東レ株式会社
架橋アクリル-スチレン重合体粒子、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及びその製造方法。
2日前
東レ株式会社
架橋アクリル-スチレン重合体粒子含有ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いたポリエステルフィルム
2日前
東レ株式会社
積層体、積層体の製造方法、樹脂フィルムの製造方法、プラスチック成形品、ディスプレイ、センサー、および製造工程用材料
5日前
東レ株式会社
予備学習済みモデル用の学習用データ生成方法、学習済みモデル生成方法、物性推定方法、予備学習済みモデル用の学習用データ生成プログラム、学習済みモデル生成プログラムおよび物性推定プログラム
今日
個人
ハンガー
今日
東レ株式会社
人工皮革
2か月前
東レ株式会社
人工皮革
1か月前
個人
靴下干しホルダー
2か月前
ツカサ電工株式会社
脱水機
2か月前
キヤノン電子株式会社
強化繊維不織布
1か月前
株式会社日進産業
柔軟性遮熱素材
2か月前
株式会社槌屋
加飾用表皮材
27日前
東レ株式会社
サイジング剤塗布炭素繊維束
2日前
東レ株式会社
人工皮革およびその製造方法
2か月前
花王株式会社
洗濯方法
1か月前
花王株式会社
洗濯方法
1か月前
株式会社abien
衣類用アイロン
1か月前
星朋商工株式会社
安全カバープレート
2か月前
個人
洗濯物干し具
1か月前
アキレス株式会社
表皮一体発泡成形用の表皮材
22日前
シャープ株式会社
洗濯機
2か月前
学校法人国士舘
製造方法および塑性加工方法
2か月前
続きを見る