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公開番号2024033732
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022137506
出願日2022-08-31
発明の名称電池
出願人東レ株式会社
代理人
主分類H01M 10/0569 20100101AFI20240306BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】容量維持性と耐デンドライト性に優れ、良好な耐熱性を有する電池を提供すること。
【解決手段】
正極、負極、非水電解質およびイオン伝導ポリマー膜を含む電池であって、
上記非水電解質がLUMOエネルギーが1.9eV以上の溶媒を含み、上記イオン伝導ポリマー膜の透気度が1000秒/100cc以上かつイオン伝導度が1.0×10-5S/cm以上である電池。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
正極、負極、非水電解質およびイオン伝導ポリマー膜を含む電池であって、
上記非水電解質がLowest Unoccupied Molecular Orbital(LUMO)エネルギーが1.9eV以上の溶媒を含み、上記イオン伝導ポリマー膜の透気度が1000秒/100cc以上かつイオン伝導度が1.0×10
-5
S/cm以上である電池。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
上記正極が下記化学式(1)で表されるリチウム含有オリビン型リン酸塩を含む請求項1に記載の電池。
LiM

Fe
1-x
PO

(1)
式中で、MはMn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nbの少なくとも1種以上を表し、0≦x≦1である。
【請求項3】
上記イオン伝導ポリマー膜の、下記の条件で測定される膜厚変化率(T0/T1)が0.3以上1.0未満である、請求項1または2に記載の電池。
(膜厚変化率の測定条件)
ポリマー膜を非水電解質(1M LiTFSI EC/DEC=1/1、三井化学社製)に25℃の環境下で24時間浸漬し、浸漬前後のポリマー膜厚みを高精度デジタル測長器(ミツトヨ社製、型番:VL-50)にて測定し、(1)式に代入して計算した。
膜厚変化率=(T0/T1) (1)
T0:非水電解質浸漬前のポリマー膜の厚み(cm)
T1:非水電解質浸漬後のポリマー膜の厚み(cm)
【請求項4】
上記負極が金属リチウムである、請求項1または2に記載の電池。
【請求項5】
上記非水電解質がエーテル系溶媒を含む、請求項1または2に記載の電池。
【請求項6】
上記LUMOエネルギーが1.9eV以上の溶媒のHighest Occupied Molecular Orbital(HOMO)エネルギーが-11.5eV以下である、請求項1または2に記載の電池。
【請求項7】
上記イオン伝導ポリマー膜が無孔領域と微多孔膜を有する複合膜である請求項1または2に記載の電池。
【請求項8】
上記無孔領域の厚みが0.1μm以上5μm以下である請求項7に記載の電池。
【請求項9】
上記イオン伝導ポリマー膜の150℃熱収縮率が10%以下である、請求項1または2に記載の電池。
【請求項10】
上記イオン伝導ポリマー膜を構成するポリマーが芳香族ポリアミドである請求項1または2に記載の電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
正極、負極、非水電解質およびイオン伝導ポリマー膜を含む電池に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電池の軽量化および高エネルギー化に向け、金属Li負極電池、電池、空気電池などが盛んに研究されており、実用化に向けて正極、負極、セパレータ、電解質等の設計が進められている。なかでも、リチウム金属は、金属の中でも理論容量が最も高く、電位も最も低いため、理想的なアノード材料である。しかしながら、リチウム金属は反応性が高いため、作製される電池の安定作動に課題がある。そのため、非水電解質として、エーテルや高塩濃度電解質を用いることが検討されてきている。(特許文献1~2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-236809号公報
特表2018-505538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1~2に記載の電池は、充放電過程でデンドライトと呼ばれる針状結晶が形成され、短絡が起こりやすい。電気自動車等に要求される高電流密度での作動においては、特にデンドライトは形成されやすい。また、エーテルを非水電解質に含む場合、正極で起こる非水電解質由来の副反応生成物が電池性能を低下させることが知られている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有するものである。
[I]正極、負極、非水電解質およびイオン伝導ポリマー膜を含む電池であって、上記非水電解質がLowest Unoccupied Molecular Orbital(LUMO)エネルギーが1.9eV以上の溶媒を含み、上記イオン伝導ポリマー膜の透気度が1000秒/100cc以上かつイオン伝導度が1.0×10
-5
S/cm以上である電池。
[II]上記正極が下記化学式(1)で表されるリチウム含有オリビン型リン酸塩を含む[I]に記載の電池。
LiM

Fe
1-x
PO

(1)
式中で、MはMn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nbの少なくとも1種以上を表し、0≦x≦1である。
[III]上記イオン伝導ポリマー膜の、下記の条件で測定される膜厚変化率(T0/T1)が0.3以上1.0未満である、[I]または[II]に記載の電池。
(膜厚変化率の測定条件)
ポリマー膜を非水電解質(1M LiTFSI EC/DEC=1/1、三井化学社製)に25℃の環境下で24時間浸漬し、浸漬前後のポリマー膜厚みを高精度デジタル測長器(ミツトヨ社製、型番:VL-50)にて測定し、(1)式に代入して計算した。
膜厚変化率=(T0/T1) (1)
T0:非水電解質浸漬前のポリマー膜の厚み(cm)
T1:非水電解質浸漬後のポリマー膜の厚み(cm)
[IV]上記負極が金属リチウムである、[I]または[II]に記載の電池。
[V]上記非水電解質がエーテル系溶媒を含む、[I]または[II]に記載の電池。
[VI]上記LUMOエネルギーが1.9eV以上の溶媒のHighest Occupied Molecular Orbital(HOMO)エネルギーが-11.5eV以下である、[I]または[II]に記載の電池。
[VII]上記イオン伝導ポリマー膜が無孔領域と微多孔膜を有する複合膜である[I]または[II]に記載の電池。
[VIII]上記無孔領域の厚みが0.1μm以上5μm以下である[VII]に記載の電池。
[IX]上記イオン伝導ポリマー膜の150℃熱収縮率が10%以下である、[I]または[II]に記載の電池。
[X]上記イオン伝導ポリマー膜を構成するポリマーが芳香族ポリアミドである[I]または[II]に記載の電池。
[XI]上記正極と上記負極の少なくとも一方とイオン伝導ポリマー膜が近接して有する[I]または[II]に記載の電池。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、容量維持性と耐デンドライト性に優れ、良好な耐熱性を有する電池を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明は正極、負極、非水電解質およびイオン伝導ポリマー膜を含む電池であって、上記非水電解質がLUMOエネルギーが1.9eV以上の溶媒を含み、上記イオン伝導ポリマー膜の透気度が1000秒/100cc以上かつイオン伝導度が1.0×10
-5
S/cm以上である電池に関する。本発明の効果を実現するため、上記特性を同時に満たす必要がある。
【0009】
本発明の実施形態において用いられる正極は、正極活物質としては例えばマンガン、コバルト、ニッケル、及びチタンから選ばれる少なくとも1種の遷移金属及びリチウムを含むリチウム金属酸化物(コバルト酸リチウムやマンガン酸リチウムなど)といった公知の正極活物質を含む。容量維持率の観点から上記正極が下記化学式(1)で表されるリチウム含有オリビン型リン酸塩であることが好ましく、リン酸鉄リチウムがより好ましい。
LiM

Fe
1-x
PO

(1)
式中で、MはMn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nbの少なくとも1種以上を表し、0≦x≦1である。
【0010】
本発明の負極は、活物質として金属イオン等を吸蔵・放出することができる材料であれば特に限られるものでは無く、例えば、Li、Sn、Si、In、リチウム合金粒子(リチウムと、チタン、マグネシウム、又はアルミニウム等とのリチウム合金粒子)、及び炭素系材料(カーボン、ハードカーボン、ソフトカーボン、及びグラファイト等)の公知の負極活物質を適宜用いることができる。なかでも、金属リチウムを用いることが、電池の高エネルギー化の観点で好ましい。さらに、負極のリチウム換算濃度は、負極全体の1.0mol/l以上が好ましい。リチウム換算濃度が1.0mol/l以上であれば、高容量化ができ、好ましい。上限値は特に限定されるものではないが、100mol/l以下である。
(【0011】以降は省略されています)

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