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公開番号2024050484
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2023161809
出願日2023-09-26
発明の名称ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 81/02 20060101AFI20240403BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
本発明によれば、優れた難燃性、柔軟性、靱性を兼ね備えたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形品を得ることができる。
【解決手段】
(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂、(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂、(c)反応性官能基を有する難燃剤、および(d)(c)成分と反応する反応性化合物を配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であって、(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対し、(b)成分の配合量が1~40重量部であるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂、(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂、(c)反応性官能基を有する難燃剤、および(d)(c)成分と反応する反応性化合物を配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であって、(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対し、(b)成分の配合量が1~40重量部であるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物のモルフォロジーにおいて、(a)成分が連続相を形成し、(b)成分が分散相を形成することを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物のモルフォロジーにおいて、(b)成分からなる分散相の数平均分散粒子径が1μm以下であることを特徴とする請求項2に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項4】
前記(c)成分の反応性官能基量が2000μmol/g以上である請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項5】
前記(c)成分の反応性官能基は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、カルボジイミド基、およびビニル基から選択される少なくとも1種類である請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項6】
前記(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対し、(c)成分を0.1~10重量部配合してなる請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項7】
前記(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対し、(d)成分を0.1~3重量部配合してなる請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項8】
前記(b)成分は、オレフィン系エラストマーおよびポリアミド樹脂から選択される少なくとも1種類である請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項9】
前記(d)成分は、シランカップリング剤およびエポキシ化合物から選択される少なくとも1種類である請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【請求項10】
前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が、(a)成分および(b)成分の合計100重量部に対し、さらに(e)シリコーンエラストマーを1~50重量部配合してなる請求項1~9のいずれか1項に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた難燃性、柔軟性、靱性を兼ね備えたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形品に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略すことがある)樹脂は耐熱性、耐薬品性、難燃性などの特性をバランス良く有するスーパーエンジニアリングプラスチックである。また、PPS樹脂は、他のスーパーエンジニアリングプラスチックに対するコスト優位性から、五大エンプラに次ぐ汎用性の高い樹脂材料として、自動車用途や住宅設備用途、電気・電子用途など幅広い用途に使用されている。
【0003】
特に近年では、SDGsに代表される社会課題に対して、自動車用途での軽量化による省エネルギー化や、電動化による温室効果ガスの排出量抑制等が強く求められており、これらの要求に対して、PPS樹脂は、金属代替による軽量化の実現や、電動化に対する高い絶縁性・耐熱性の発現が可能なため、自動車用途での使用量が年々増加する傾向にある。
【0004】
一方、PPS樹脂の用途展開にあたり、本質的な課題として、他の樹脂に比較して、引張試験時の引張破断伸びに代表される柔軟性や靱性が低く、脆い性質を有することが挙げられる。
【0005】
そのため、柔軟性や靱性を要する用途においては、熱可塑性樹脂を配合したポリマーアロイによる改良が検討されている。例えば、特許文献1に記載の通り、オレフィン系のエラストマーを配合したPPS樹脂組成物が開発され、実用化されている。本組成物では、PPS樹脂に対してより柔軟な材料であるオレフィン系のエラストマーを配合することで、柔軟性とともに靱性の改良が実現できている。特許文献2には、ポリアミド樹脂を配合したPPS樹脂組成物管状体が開示され、靭性の改良が実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭61-21156号公報
特開2008-31233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明者らが、特許文献1に記載のPPS樹脂とオレフィン系のエラストマーからなる樹脂組成物についての難燃性を評価した結果、PPS樹脂単体に比較して、樹脂組成物の難燃性が大幅に低下することを見出した。PPS樹脂単体は高い難燃性を有するのに対して、難燃性が大幅に劣るオレフィン系エラストマーを配合することにより、組成物としての難燃性が低下したためと考えられる。本組成物は、柔軟性および靱性を有する利点がある一方で、PPS樹脂が本来有する優れた難燃性を発現しないため、用途展開が限定される課題を有する。
【0008】
特許文献2に記載のPPS樹脂組成物管状体についても、本来PPS樹脂が有する難燃性に比べて、ポリアミド樹脂の配合により難燃性が低下する傾向がある。
【0009】
一方で特許文献2では発明の効果を損なわない範囲で、種々の難燃剤を配合してもよい旨の記載があるが、本発明者らが検討したところ、十分な難燃性を得るには多量の難燃剤の配合が必要であり、その場合、柔軟性や靭性が低下することを見出した。したがって、難燃剤の配合量が少量でも高い難燃化効果を得られる手法の開発が求められる。
【0010】
以上から、本発明は、PPS樹脂の有する難燃性を維持しながらも、柔軟性、靭性を兼ね備えたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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