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公開番号2024042190
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2022146733
出願日2022-09-15
発明の名称液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 67/04 20060101AFI20240321BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高い成形温度かつ高い射出速度で成形した場合に、優れた流動性を有し、かつ安定して連続成形することが可能な液晶ポリエステル樹脂組成物を得ること。
【解決手段】液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位を20~80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を10~40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を10~40モル%含む液晶ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、無機充填材として板状充填材(B)10~100重量部を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、
剪断速度1000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点における溶融粘度(P1)と、剪断速度10000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点における溶融粘度(P2)の比(P1/P2)が2.0以上4.2以下であり、
剪断速度1000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点+40℃における溶融粘度(P3)と、剪断速度10000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点+40℃における溶融粘度(P4)の比(P3/P4)が2.0以上5.0以下である、液晶ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位を20~80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を10~40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を10~40モル%含む液晶ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、無機充填材として板状充填材(B)10~100重量部を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、
剪断速度1000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点における溶融粘度(P1)と、剪断速度10000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点における溶融粘度(P2)の比(P1/P2)が2.0以上4.2以下であり、
剪断速度1000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点+40℃における溶融粘度(P3)と、剪断速度10000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点+40℃における溶融粘度(P4)の比(P3/P4)が2.2以上5.0以下である、液晶ポリエステル樹脂組成物。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記液晶ポリエステル樹脂組成物中の無機充填材総量を100重量%としたとき、板状充填材(B)は85~100重量%である、請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
【請求項3】
板状充填材(B)が少なくともマイカを含む、請求項2に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
【請求項4】
液晶ポリエステル樹脂(A)が、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位として、下記構造単位(I)を2~15モル%含む、請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
TIFF
2024042190000007.tif
49
170
【請求項5】
液晶ポリエステル樹脂(A)が、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対して、芳香族ジオールに由来する構造単位として、下記構造単位(II)を2~20モル%含む、請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
TIFF
2024042190000008.tif
30
170
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物からなる成形品。
【請求項7】
成形品が、コネクタ、リレー、スイッチ、コイルボビン、およびカメラモジュールのアクチュエータ部品からなる群から選択されるいずれかである請求項6に記載の成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。より詳しくは、液晶ポリエステル樹脂組成物、ならびにそれを用いて得られる成形品に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
液晶ポリエステル樹脂は、耐熱性、流動性および寸法安定性に優れるため、それらの特性が要求される電気・電子部品に用いられている。このような電気・電子部品は、近年の機器の小型化や軽量化に伴い、薄肉化が進んでおり、さらに高い薄肉流動性が求められている。また、薄肉成形品を成形するためには、高い成形温度かつ高い射出速度で成形するという過酷な条件で成形する必要があり、過酷な条件でも安定して連続成形可能であることが求められる。
【0003】
液晶ポリエステル樹脂の耐熱性や強度を保持しつつ、薄肉流動性を向上させる方法としては、タルクやマイカといった板状充填材を配合することが知られている。例えば、特許文献1には、タルクとマイカを併用することで高い流動性を有しながら、高い薄肉強度を有する材料が得られることが開示されている。また、特許文献2には、所定の末端基を有する液晶ポリエステル樹脂に対し、所定の体積平均粒径およびアスペクト比を有するマイカを配合することで、低そり性などに優れる材料が得られることが開示されている。
【0004】
一方で、特許文献3~7には、液晶ポリエステル樹脂の構成モノマーを種々好適なものとしたうえで、タルクやマイカを配合し、耐熱性などに優れた材料が得られることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-109096号公報
国際公開第2013/128887号
国際公開第2018/101214号
国際公開第2012/137636号
国際公開第2013/051346号
特開2017-137438号公報
特開2017-052876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2に示された発明では、高い成形温度かつ高い射出速度で成形した場合、成形時にハナタレ(成形時にノズル先端部分から漏れて垂れ下がる現象)や糸引き(金型の型開き時、固化しきらなかった樹脂がスプルー頂点から糸状に伸びる現象)が生じることにより、安定して連続成形することは困難であった。また、特許文献3~7に示された発明では、高い成形温度かつ高い射出速度で成形した場合の流動性が不十分であった。
【0007】
本発明の課題は、高い成形温度かつ高い射出速度で成形した場合に、優れた流動性を有し、かつ安定して連続成形することが可能な液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、液晶ポリエステル樹脂に対して板状充填材を含有し、かつ融点における剪断速度依存性と融点+40℃における剪断速度依存性が所定の値となる液晶ポリエステル樹脂組成物が、高い成形温度かつ高い射出速度で成形した場合に、優れた流動性を有し、かつ安定して連続成形することが可能となることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明は以下のとおりである:
(1)液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位を20~80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を10~40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を10~40モル%含む液晶ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、無機充填材として板状充填材(B)10~100重量部を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、
剪断速度1000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点における溶融粘度(P1)と、剪断速度10000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点における溶融粘度(P2)の比(P1/P2)が2.0以上4.2以下であり、
剪断速度1000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点+40℃における溶融粘度(P3)と、剪断速度10000/秒の条件下で測定した液晶ポリエステル樹脂組成物の融点+40℃における溶融粘度(P4)の比(P3/P4)が2.2以上5.0以下である、液晶ポリエステル樹脂組成物。
(2)前記液晶ポリエステル樹脂組成物中の無機充填材総量を100重量%としたとき、板状充填材(B)は85~100重量%である、(1)に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
(3)板状充填材(B)が少なくともマイカを含む、(1)または(2)に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
(4)液晶ポリエステル樹脂(A)が、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位として、下記構造単位(I)を2~15モル%含む、(1)~(3)のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
【0010】
TIFF
2024042190000001.tif
51
170
(【0011】以降は省略されています)

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