TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024038778
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-21
出願番号2022143049
出願日2022-09-08
発明の名称電池電極用黒鉛分散体
出願人三菱鉛筆株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01M 4/62 20060101AFI20240313BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】リチウムイオン電池などの電池電極などの製造に好適となる電池電極用黒鉛分散体を提供する。
【解決手段】 本発明の電池電極用黒鉛分散体は、少なくとも、平均粒子径5~50μmの黒鉛粒子と、分散剤と、水とを含むことを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも、平均粒子径5~50μmの黒鉛粒子と、分散剤と、水とを含むことを特徴とする電池電極用黒鉛分散体。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記黒鉛粒子が鱗状黒鉛粒子、薄片状黒鉛粒子、球状黒鉛粒子、膨張化黒鉛粒子、薄片化した膨張化黒鉛粒子、薄片化した鱗状黒鉛粒子から選ばれる少なくとも種であることを特徴とする請求項1に記載の電池電極用黒鉛分散体。
【請求項3】
前記分散剤が、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース又はその塩、セルロースナノファイバーから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池電極用黒鉛分散体。
【請求項4】
L*a*b*(CIE LAB)表色系での、色度(a*、b*)がそれぞれa*≦0.7、かつ、b*≦0.5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池電極用黒鉛分散体。
【請求項5】
平割面に塗布した塗膜の光沢度が20~40であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池電極用黒鉛分散体。
【請求項6】
請求項1又は2の電池電極用黒鉛分散体に、更に、黒鉛粒子以外の導電性炭素粒子を含むことを特徴とする電池電極用炭素粒子分散体。
【請求項7】
請求項6の電池電極用炭素粒子分散体に、更に、正極用活物質を含むことを特徴とする正極用スラリー。
【請求項8】
請求項6の電池電極用炭素粒子分散体に、更に、負極用活物質を含むことを特徴とする負極用スラリー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池などの電池電極などの製造に好適となる電池電極用黒鉛分散体などに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車の普及、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの携帯機器の小型軽量化及び高性能化に伴い、高いエネルギー密度を有する二次電池、さらに、その二次電池の高容量化が求められている。このような背景の下で高エネルギー密度、高電圧という特徴から非水系電解液を用いるリチウムイオン電池を含む非水系二次電池が多くの機器に使われるようになっている。
【0003】
従来、リチウムイオン電池を含む非水系二次電池に高表面積炭素材料、特に黒鉛を用いることが研究されており、特に黒鉛に層間化合物を形成させ、その層間化合物を二次電池電極材料として用いることは既知であり、数多くの技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、「正電極、負電極、セパレーター及び非水電解液を有する二次電池であって、正電極の活物質として、非炭素質材料が用いられ、負電極の活物質としてBET法比表面積A(m

/g)が0.1<A<100の範囲で、かつX線回折における結晶厚みLc(Å)と真密度ρ(g/cm

)の値が条件1.80<ρ<2.18、15<Lcかつ120ρ-227<Lc<120ρ-189を満たす範囲にある炭素質材料を用いる二次電池」が記載されている。この特許文献1には、更に、Li

イオン等を取り込ませる場合、炭素質材料はある程度の不規則構造を有している方が優れた特性を有することが記載されており、また、炭素材料の表面積が小さいと、電極表面での円滑な電気化学的反応が進行しにくく好ましくなく、比表面積が大きすぎると、サイクル寿命特性、自己放電特性、更には電流効率特性等の面で特性の低下がみられ、好ましくないことなどが記載されている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の炭素質材料を用いる二次電池は、リサイクル特性、自己放電特性が未だ満足いくものではなく、電極自体の抵抗値等に悪影響が及ぼすことがあるなどの課題があるのが現状であった。
一方、非特許文献1の「膨張黒鉛とその応用」には、層間化合物を形成させ、層状構造の黒鉛を「膨張」させたものは、膨張黒鉛と呼称され、いろいろな産業分野に利用されていることが開示されている。
【0005】
ところで、黒鉛を電極用組成物として使用したものとしては、例えば、特許文献2には、薄片状黒鉛と、結着剤と、溶剤を含む(活物質を含まない)導電ペーストの組成物が開示されている。ここでの結着剤は、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、アクリルエマルジョン、スチレン・ブタジエンゴムが挙げられている。そして、この導電ペーストの組成物には、前記の薄片化黒鉛の外にカーボンナノチューブ等の導電剤を加えることができることが記載され、更に電極用の活物質を加えることで電極用組成物とすることができることが記載されている。
【0006】
しかしながら、この特許文献2の薄片化黒鉛は、反応性官能基を有さない方が好ましいことが記載されており、この場合、水をはじめ各種溶媒への分散を行う際に分散剤の使用が困難になり、低粘度化は不可能となってしまうものである。現に、ここでの組成物は「ペースト」であり、極めて高粘度の組成物であると推測される。
通常、高粘度の「ペースト」であると、後からカーボンナノチューブ等の導電剤や活物質を加えた場合、元々高い粘度が更に高くなるのは問題にならないが、均一に分散させる、即ち、電極形成のため塗工する際に導電剤及び活物質を均一に分布させることができなくなり、サイクル特性、自己放電特性、電極自体の抵抗値等に悪影響が生じるなどの課題があるのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特公平4-24831号公報(特許請求の範囲、実施例等)
豊田昌宏(単著)、「膨張黒鉛とその応用」、炭素233巻、157頁~165頁、2008年:炭素学会発行
国際公開2021/107094号(特許請求の範囲、実施例等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の課題等について解消しようとするものであり、Li

等のイオンの出し入れや電極の抵抗値低下に悪影響を及ぼすことなく、薄片化した黒鉛等を均一に分散させ、かつ、低粘度とした分散体により、電極形成のため塗工する際に導電剤及び活物質を均一に分布させることができ、しかも、サイクル特性、自己放電特性を高度に維持した上で、電極自体の抵抗値等に悪影響が及ぼすことがなく、高効率のリチウムイオン電池などの電池電極などの製造に好適となる電池電極用黒鉛分散体などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記従来の課題について鋭意検討した結果、少なくとも、平均粒子径が所定範囲となる黒鉛粒子と、分散剤と、水とを含むことなどにより、上記目的の電池電極用黒鉛分散体などを得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0010】
すなわち、本発明の電池電極用黒鉛分散体は、少なくとも、平均粒子径5~50μmの黒鉛粒子と、分散剤と、水とを含むことを特徴とする。
前記黒鉛粒子は鱗状黒鉛粒子、薄片状黒鉛粒子、球状黒鉛粒子、膨張化黒鉛粒子、薄片化した膨張化黒鉛粒子、薄片化した鱗状黒鉛粒子から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記分散剤は、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース又はその塩、セルロースナノファイバーから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
電池電極用黒鉛分散体は、L*a*b*(CIE LAB)表色系での、色度(a*、b*)がそれぞれa*≦0.7、かつ、b*≦0.5であることが好ましい。
電池電極用黒鉛分散体は、平割面に塗布した塗膜の光沢度が20~40であることが好ましい。
前記電池電極用黒鉛分散体には、更に、黒鉛粒子以外の導電性炭素粒子を含むことが好ましい。
本発明の正極用スラリーは、電池電極用炭素粒子分散体に、更に、正極用活物質を含むことを特徴とする。
本発明の負極用スラリーは、電池電極用炭素粒子分散体に、更に、負極用活物質を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

エイブリック株式会社
半導体装置
23日前
ローム株式会社
半導体装置
22日前
株式会社GSユアサ
蓄電設備
22日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
23日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
23日前
東京パーツ工業株式会社
コイル装置
10日前
株式会社GSユアサ
蓄電素子
9日前
三菱電機株式会社
回路遮断器
18日前
三菱電機株式会社
半導体ウエハ
24日前
株式会社村田製作所
コイル部品
23日前
KOA株式会社
電子部品
23日前
株式会社村田製作所
コイル部品
23日前
株式会社村田製作所
コイル部品
23日前
NTN株式会社
圧粉磁心
8日前
キヤノン株式会社
液滴吐出装置
8日前
太陽社電気株式会社
チップ抵抗器
2日前
ローム株式会社
半導体装置
17日前
トヨタ紡織株式会社
加湿器
8日前
シャープ株式会社
通信装置
18日前
住友電気工業株式会社
半導体装置
15日前
日本航空電子工業株式会社
コネクタ
24日前
三菱電機株式会社
半導体装置
16日前
ヒロセ電機株式会社
同軸端子
16日前
三菱電機株式会社
半導体装置
8日前
富士電機株式会社
半導体装置
2日前
株式会社東芝
半導体装置
18日前
富士電機株式会社
半導体装置
3日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
17日前
日亜化学工業株式会社
発光装置
23日前
株式会社半導体エネルギー研究所
半導体装置
8日前
日亜化学工業株式会社
発光装置
23日前
富士電機株式会社
炭化珪素半導体装置
1日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
17日前
ニチコン株式会社
フィルムコンデンサ
3日前
ヒロセ電機株式会社
同軸電気コネクタ
2日前
TDK株式会社
電子部品
16日前
続きを見る