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公開番号2024032676
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2023135218
出願日2023-08-23
発明の名称イムノクロマトアッセイ用メンブレン
出願人東レ株式会社
代理人
主分類G01N 33/543 20060101AFI20240305BHJP(測定;試験)
要約【課題】
優れた吸水性能、タンパク質結合性能を有し、かつ、生産性および検査精度にも優れたイムノクロマトアッセイ用メンブレンを提供することを課題とする。
【解決手段】
少なくともセルロースパルプ、ナイロンナノファイバーを含む湿式不織布からなるイムノクロマト用メンブレンであって、前記湿式不織布の平均流量孔径が0.5μm以上10.0μm以下であり、空隙率が50%以上90%以下であることを特徴とするイムノクロマトアッセイ用メンブレンである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくともセルロースパルプ、ナイロンナノファイバーを含む湿式不織布からなるイムノクロマト用メンブレンであって、前記湿式不織布の平均流量孔径が0.5μm以上10.0μm以下であり、空隙率が50%以上90%以下であることを特徴とするイムノクロマトアッセイ用メンブレン。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記セルロースパルプのカナダ標準ろ水度が500mL以上800mL以下であることを特徴とする請求項1に記載のイムノクロマトアッセイ用メンブレン。
【請求項3】
前記ナイロンナノファイバーの数平均繊維直径が100nm以上500nm以下であり、含有量が5質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のイムノクロマトアッセイ用メンブレン。
【請求項4】
さらに、芯鞘型複合短繊維を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかのイムノクロマトアッセイ用メンブレン。
【請求項5】
さらに、表面に8個以上のスリットを有するスリット断面短繊維を含み、前記スリット断面短繊維の繊維径が5.0~50.0μmであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のイムノクロマトアッセイ用メンブレン。
【請求項6】
バイレック法で測定した展開速度(CFT)が70sec/40mm以上500sec/40mm以下であり、かつBCA法で測定したタンパク質結合量が10μg/cm

以上35μg/cm

以下である請求項1~5のいずれかのイムノクロマトアッセイ用メンブレン。
【請求項7】
界面活性剤の含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のイムノクロマトアッセイ用メンブレン。
【請求項8】
引張強度が5N/15mm以上であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のイムノクロマトアッセイ用メンブレン。
【請求項9】
表面粗さRaが8μm以下であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のイムノクロマトアッセイ用メンブレン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、イムノクロマトアッセイ用メンブレンに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、ウイルスや細菌等の病原体への感染、妊娠、食品中の有害物質(特定原材料、残留農薬等)等の有無を検査する診断キットとしてラテラルフロー式のイムノクロマトアッセイが使用されている。また、近年では新型コロナウイルスの流行に伴う在宅医療の増加や医療機関におけるPOCT(PointOfCareTesting)の普及に伴い、簡易、迅速、安価に検査が可能なイムノクロマトアッセイの需要が増加している。
【0003】
一般的なイムノクロマトアッセイは、被検出物質を含んだ検液を滴下するサンプルパッド、金コロイド標識抗体を含有するコンジュゲートパッド、補足抗体がライン状に固定されたテストライン/コントロールラインを有する多孔質メンブレン(以下、メンブレン)、メンブレン展開後の検液を吸収する吸収パッドから構成される。サンプルパッドに滴下された検液中の被検出物質がコンジュゲートパッド中の金コロイド標識抗体と結合した状態でメンブレン内を毛細管現象により流れ、メンブレンに固定されたテストライン(補足抗体)で補足され発色することにより陽性と判断され(被検出物質が含まれていない場合は発色しない)、コントロールラインの発色で検査が完了したことが示される。
【0004】
これらイムノクロマトアッセイ用部材のうち、メンブレンは検査時間/検査精度を決定する重要部材であり、毛細管現象により検液を展開するための吸水性能、タンパク質である補足抗体を固定するためのタンパク質結合性能が必要となる。
【0005】
ここで特許文献1には、吸水性能とタンパク質結合性能に優れたメンブレンとして、ニトロセルロース多孔質膜を界面活性剤で処理したメンブレンが提案されている。本メンブレンは、タンパク質結合性能に優れるニトロセルロース多孔質膜を界面活性剤で処理することにより吸水性能を発現させた構成であり、イムノクロマトアッセイに好適に使用することができる。
【0006】
また、特許文献2には、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のポリマーからなるナノ繊維を含む不織繊維膜が提案されている。本不織繊維膜は、前記ポリマーを電界紡糸法、電気ブロー法等で製布した後、界面活性剤で処理し吸水性能を発現させた構成であり、上述したニトロセルロース多孔質膜同様に吸水性能とタンパク質結合性能を有し、イムノクロマトアッセイに使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6008670号公報
特表2021-9065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1に開示されたイムノクロマトアッセイ用メンブレンにおいては、吸水性能とタンパク質結合性能を有するものの、ニトロセルロース多孔質膜の脆性が高く、引張、曲げ等の応力が加わった際、欠け、割れ、折れ、破れ等が発生し易く生産性に劣るという課題がある。また、ニトロセルロース多孔質膜は、化学的な安定性に劣り可燃性を有するため、生産時、使用時の取り扱いに注意が必要である。さらに、疎水性であるニトロセルロース膜多孔質膜を界面活性剤で処理し吸水性能を発現させる必要があるため、使用する界面活性剤によっては被検出物質の移動を阻害する等して検査精度が低下する可能性がある。
【0009】
一方、上述した特許文献2に開示されたイムノクロマトアッセイ用メンブレンにおいては、ナノ繊維不織繊維膜からなるメンブレンであるため脆性が低く、欠け、割れは発生し難いものの、数平均繊維直径が細いナノ繊維のみで構成されているため、折れ、破れが発生し易い傾向にあり、生産性が劣るという課題がある。また、電界紡糸法、電気ブロー法により製造した場合、生産性が劣るという課題がある。さらに、PMMA、PVDF等の樹脂を用いた場合、ニトロセルロース多孔質膜同様に界面活性剤で処理し、吸水性能を発現させる必要があるため検査精度が低下する可能性がある。
【0010】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑み、優れた吸水性能、タンパク質結合性能を有し、かつ、生産性および検査精度にも優れたイムノクロマトアッセイ用メンブレンを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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