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公開番号2024010320
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-24
出願番号2022111595
出願日2022-07-12
発明の名称金型の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 33/38 20060101AFI20240117BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】
十分な強度をもつ高アスペクト構造を有する金型を、簡便な方法で製造できる金型の製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明のニッケルリンめっきで形成された構造体を有する金型の製造方法は、硝酸水により溶解しない被覆で表面が離散的に覆われたニッケルリンめっき膜の上記被覆で覆われていない部分を、硝酸水によって選択的に溶解除去することで、上記硝酸水によって溶解除去されずに残る上記構造体を形成する工程を有し、上記溶解除去する処理を、溶解除去されずに残る凸部のそれぞれが、上記ニッケルリンめっき膜の面から観察した面積に対して当該凸部の側面の面積が4倍以上になるまで行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ニッケルリンめっきで形成された構造体を有する金型の製造方法であって、
硝酸水により溶解しない被覆で表面が離散的に覆われたニッケルリンめっき膜の前記被覆で覆われていない部分を、硝酸水によって選択的に溶解除去することで、前記硝酸水によって溶解除去されずに残る前記構造体を形成する工程を有し、
前記溶解除去する処理を、溶解除去されずに残る凸部のそれぞれが、前記ニッケルリンめっき膜の面から観察した面積に対して当該凸部の側面の面積が4倍以上になるまで行う、
金型の製造方法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
ニッケルリンめっきで形成された構造体を有する金型の製造方法であって、
硝酸水により溶解しない被覆で、当該被覆で覆われていない部分が離散的に残るように、表面が覆われたニッケルリンめっき膜の前記被覆で覆われていない部分を、硝酸水によって選択的に溶解除去することで、前記硝酸水によって溶解除去されずに残る前記構造体を形成する工程を有し、
前記溶解除去する処理を、溶解除去される凹部のそれぞれが、前記ニッケルリンめっき膜の面から観察した面積に対して当該凹部の側面の面積が4倍以上になるまで行う、
金型の製造方法。
【請求項3】
前記硝酸水により溶解除去する工程を、濃硝酸水により溶解除去した後に希硝酸水により溶解除去することで行う、請求項1または2の金型の製造方法。
【請求項4】
前記ニッケルリンめっき膜に含まれるリンの濃度が8~15質量%である、請求項1または2の金型の製造方法。
【請求項5】
前記硝酸水により溶解除去する工程の後に、前記被覆を除去して前記ニッケルリンめっき膜を露出させ、当該露出したニッケルリンめっき膜の表面を切削加工する工程を有する、請求項1または2の金型の製造方法。
【請求項6】
前記硝酸水により溶解除去する工程の前に、前記ニッケルリンめっき膜の表面に凹凸が形成された金属部材を加熱しながら押圧し、前記ニッケルリンめっき膜の前記金属部材の凸部分と接触している部分を熱変性させることによって、当該熱変性した部分を前記被覆とする工程を有する、請求項1または2の金型の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高いアスペクト比を有する微細構造の形成方法および、その方法により形成された微細構造を有する金型の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、光学、半導体、医療などの各種分野で、微細構造を形成する技術の重要性が高まっている。光学分野では高精度な微細構造形成技術が、また半導体分野においては高精度な微細構造形成技術に加えて、半導体集積回路の集積度向上のために加工寸法の微細化が要求されている。医療分野においては、血液等のさまざまな液体から、細胞など特定サイズの対象物を分離するために、ナノサイズからミクロンサイズなどのさまざまな孔径を有する微細フィルタなどの製造が求められている。ここで、樹脂に対する微細構造形成技術として、樹脂をガラス転移温度以上の温度に加熱して軟化させ、表面に、同じく加熱した金型をプレスすることで金型の形状を樹脂表面に転写する熱インプリント技術が提案され、これらの製品開発に応用されている。
【0003】
熱インプリント技術により、これらの成形を行う際は、成形品の微細構造に対応し、その凹凸が反転した形状の金型が必要となる。例えば、微細フィルタの成形においては、成形品の厚み以上の高さを有するピラー形状の金型が必要である。
【0004】
これら、金型の製造方法としては、切削性のよい材料を被削材として切削により加工する方法や、各種金属やシリコンなどにマスクをもうけ、エッチング加工を施す方法、厚膜レジストをフォト加工したのちに、電気鋳造により反転して金型とする方法などがある。
【0005】
しかし、切削による加工では、被削材および加工工具の剛性により、特に1桁μm以下の微細な構造において、アスペクト2程度以上の高アスペクト構造を加工することは困難である。
【0006】
また、各種金属のエッチング加工では、エッチングが深さ方向だけでなく、平面方向にも進行する等方エッチングとなるため、アスペクト0.5以上の構造を加工することは困難である。
【0007】
また、レジストを用いたフォト加工と電気鋳造の組み合わせでは、MEMS対応の厚膜レジスト材料などを用いることにより、高アスペクト構造を形成することはできるが、レジスト材料の解像度により、1桁μm台以下の微細かつ高アスペクト構造の形成は困難である。シリコンを深堀する方法としては、シリコンの結晶異方性によって高アスペクト形状を形成することはできるが、任意形状の形成は困難であり、簡便な製法とはいえない。また、シリコンを用いて、ドライエッチングにより深堀加工を行う技術はあるが、狭い範囲のみを加工することはできるが、大きな金型を加工するのに適した簡便な方法とはいえない。
【0008】
このほか、微細な高アスペクト構造の金型を成形する方法として、陽極酸化ポーラスアルミナを用いる方法がある(例えば、特許文献1)。この方法によれば、陽極酸化ポーラスアルミナの表面にレジストパターンを形成した後、湿式エッチングにより陽極酸化ポーラスアルミナを選択的に溶解除去することで、高アスペクト構造を持つインプリントモールドを製造できる、とある。
【0009】
他方、ニッケルリンめっき被膜を硝酸水溶液に浸漬することで、被膜表面に無数の密集した微細孔が形成されることが知られている(例えば、特許文献2)。ただし、この微細孔はその密集により黒色被膜を形成するためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2013-57102号公報
特開昭57-114655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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