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公開番号2024150418
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2024059554
出願日2024-04-02
発明の名称気体分離用複合膜およびそれを用いた気体分離システム
出願人東レ株式会社,人工光合成化学プロセス技術研究組合
代理人個人,個人
主分類B01D 69/02 20060101AFI20241016BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】分子径の小さなガスの高い透過性と、他種ガスとの高い選択分離性を有する気体分離用複合膜、およびそれを用いた気体分離用複合モジュール、気体分離システムを提供する。
【解決手段】少なくとも多孔性支持層、分離機能層、被覆層をこの順序で有する気体分離用複合膜であって、非凝縮性ガスをHe、凝縮性ガスをH2Oとし、温度40℃の条件でナノパームポロメトリー分析を行った際、相対湿度90%におけるHe透過度が相対湿度10%におけるHe透過度の60%以上100%以下であり、ISO 19403-1(2017)に準拠して測定した空気中における被覆層表面と純水の接触角が50°以上130°以下である気体分離用複合膜、およびそれを用いた気体分離用複合モジュール、気体分離システム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも多孔性支持層、分離機能層、被覆層をこの順序で有する気体分離用複合膜であって、
非凝縮性ガスをHe、凝縮性ガスをH
2
Oとし、温度40℃の条件でナノパームポロメトリー分析を行った際、相対湿度90%におけるHe透過度が相対湿度10%におけるHe透過度の60%以上100%以下であり、
ISO 19403-1(2017)に準拠して測定した空気中における前記被覆層表面と純水の接触角が50°以上130°以下である気体分離用複合膜。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記被覆層の表面に純水が着滴してから1秒後の接触角Xと、30秒後の接触角Yが、式1を満たす、請求項1に記載の気体分離用複合膜。
TIFF
2024150418000014.tif
9
169
【請求項3】
陽電子ビーム法により決定される前記分離機能層の平均空孔半径Rf[nm]が、0.2nm以上0.4nm以下である、請求項1に記載の気体分離用複合膜。
【請求項4】
前記分離機能層上に被覆層を有し、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)により検出される、前記被覆層側表面から深さ0~50nmの領域におけるSi
-
ピークが10000counts以上100000counts以下であることを特徴とする、請求項1に記載の気体分離用複合膜。
【請求項5】
前記分離機能層の主成分が架橋芳香族ポリアミドである、請求項1に記載の気体分離用複合膜。
【請求項6】
25℃におけるH
2
透過度が1nmol/m
2
/s/Pa以上100nmol/m
2
/s/Pa以下である、請求項1に記載の気体分離用複合膜。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の気体分離用複合膜、供給側流路材および透過側流路材が、中心管に巻囲された、スパイラル型気体分離用複合膜モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載のスパイラル型気体分離用複合膜モジュールを備える気体分離システム。
【請求項9】
請求項8記載の気体分離システムを用いたHeまたはH
2
の精製方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス混合物の中の少なくとも一成分を選択分離可能な気体分離用複合膜およびそれを用いた気体分離システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年クリーンなエネルギー源として、水素が注目されている。水素は、天然ガス及び石炭等の化石燃料を改質・ガス化し、主成分として水素と二酸化炭素などを含む混合ガスから不要ガスを除去することによって得られている。また、水を電気や光触媒によって分解し、水素と酸素、水蒸気を含む混合ガスから水素のみを取り出すことで得られている。また、水素はアンモニアを合成するハーバー・ボッシュ法にも用いられている。これは、水素と窒素を高温、高圧で反応させることでアンモニアを合成する方法であるが、生産プラントにおいて未反応の水素と窒素を分離回収するプロセスが必要である。
【0003】
低コストで混合ガスから特定のガスを濃縮させる方法として、素材の持つ気体透過性の違いを利用して、目的ガスを選択的に透過させる膜分離法が注目されている。
【0004】
特許文献1には、単層の中空糸膜に界面活性剤を付着させ、気体の選択分離性を向上させる手法が提案されている。非特許文献1には、ポリアミド複合膜の表面にポリフェニレンオキシドのコーティングを施すことでヘリウムと二酸化炭素の選択分離性を向上させる技術が記載されている。また、非特許文献2には、RO膜表面にポリジメチルシロキサンのコートを施すことでメタンとその他ガスの選択分離性を向上させる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平3-186327号公報
【非特許文献】
【0006】
Seung-Hak Choi、外2名、‘Journal of Membrane Science’、553、2018年、p.180-188
Jaesung Park、外3名、‘Journal of Membrane Science’、604、2020年、118009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、酸素、窒素、メタン等の他種ガスの透過抵抗を効率的に高めることができず、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスの高い透過性と、酸素、窒素、メタン等の他種ガスとの高い選択分離性を両立できないという問題点がある。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスの高い透過性と、酸素、窒素、メタン等の他種ガスとの高い選択分離性を有する気体分離用複合膜およびそれを用いた気体分離用複合モジュール、気体分離システム、HeまたはH

の精製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、気体分離用複合膜の性能、特に選択分離性を大幅に改善した。本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
【0010】
(1)少なくとも多孔性支持層、分離機能層、被覆層をこの順序で有する気体分離用複合膜であって、
非凝縮性ガスをHe、凝縮性ガスをH

Oとし、温度40℃の条件でナノパームポロメトリー分析を行った際、相対湿度90%におけるHe透過度が相対湿度10%におけるHe透過度の60%以上100%以下であり、
ISO 19403-1(2017)に準拠して測定した空気中における前記被覆層表面と純水の接触角が50°以上130°以下である気体分離用複合膜。
(2)前記被覆層の表面に純水が着滴してから1秒後の接触角Xと、30秒後の接触角Yが、式1を満たす、(1)に記載の気体分離用複合膜。
TIFF
2024150418000002.tif
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(3)陽電子ビーム法により決定される前記分離機能層の平均空孔半径Rf[nm]が、0.2nm以上0.4nm以下である、(1)または(2)に記載の気体分離用複合膜。
(4)前記分離機能層上に被覆層を有し、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)により検出される、前記被覆層側表面から深さ0~50nmの領域におけるSi-ピークが10000counts以上100000counts以下であることを特徴とする、(1)から(3)のいずれかに記載の気体分離用複合膜。
(5)前記分離機能層の主成分が架橋芳香族ポリアミドである、(1)から(4)のいずれかに記載の気体分離用複合膜。
(6)25℃におけるH

透過度が1nmol/m

/s/Pa以上100nmol/m

/s/Pa以下である、(1)から(5)のいずれかに記載の気体分離用複合膜。
(7)(1)から(6)のいずれかに記載の気体分離用複合膜、供給側流路材および透過側流路材が、中心管に巻囲された、スパイラル型気体分離用複合膜モジュール。
(8)(7)に記載のスパイラル型気体分離用複合膜モジュールを備える気体分離システム。
(9)(8)記載の気体分離システムを用いたHeまたはH

の精製方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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