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公開番号2023106019
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-08-01
出願番号2022007115
出願日2022-01-20
発明の名称樹脂積層材
出願人日本電気株式会社
代理人個人
主分類B32B 27/36 20060101AFI20230725BHJP(積層体)
要約【課題】アクリル樹脂の特徴である優れた透明性、耐擦傷性及び耐候性を保持しつつ、高度な耐衝撃性及び難燃性を実現する樹脂積層材を提供する。
【解決手段】ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)を含む組成物から成るA層と、アクリル樹脂(B)を含む組成物から成るB層と、を有する樹脂積層材であって、前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)は、ポリカーボネート樹脂が、式(I)で表されるポリシロキサン化合物により変性されたものであり、前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)におけるSiに結合した全有機基中のアリール基の比率は75モル%~95モル%であり、前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)中のポリシロキサン部分は0.3~3.0質量%である、樹脂積層材。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)を含む組成物から成るA層と、
アクリル樹脂(B)を含む組成物から成るB層と、
を有する樹脂積層材であって、
前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)は、ポリカーボネート樹脂が、式(I):
TIFF
2023106019000011.tif
39
167
(式中、R

、R

、R

、R

及びR

は、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子で全部又は一部が置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基であり、R

及びR

は、互いに独立して、2価の有機基であり、190≧q≧0であり、10≧r>0であり、数平均分子量は500~30000である)
で表されるポリシロキサン化合物により変性されたものであり、
前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)におけるSiに結合した全有機基中のアリール基の比率は75モル%~95モル%であり、
前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)中のポリシロキサン部分は0.3~3.0質量%である、樹脂積層材。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記アクリル樹脂層の厚さが50~300μmである、請求項1に記載の積層材。
【請求項3】
前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂層の厚さが500μm~5000μmである、請求項1又は2に記載の積層材。
【請求項4】
前記アクリル樹脂層が、前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂層上に直接積層されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層材。
【請求項5】
前記アクリル樹脂層上にハードコート層が積層されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層材。
【請求項6】
リン化合物、塩素化合物、及び臭素化合物を実質的に含まない、請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂積層材。
【請求項7】
前記ポリカーボネート樹脂の数平均分子量が10,000~100,000である、請求項1~6のいずれか一項に記載の積層材。
【請求項8】
式(I):
TIFF
2023106019000012.tif
39
167
(式中、R

、R

、R

、R

及びR

は、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子で全部又は一部が置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基であり、R

及びR

は、互いに独立して、2価の有機基であり、190≧q≧0であり、10≧r>0であり、数平均分子量は500~30000である)
で表される側鎖にジアミノ基を有するポリシロキサン化合物と、ポリカーボネート樹脂とを、溶融状態下において混合し、ポリシロキサン変性ポリカーボネート(A)を調製する工程と;
ここで、前記ポリシロキサン化合物の配合量は、前記ポリカーボネート樹脂と前記ポリシロキサン化合物の合計質量に対して、0.3~3.0質量%であり、
前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)を含む組成物と、アクリル樹脂(B)を含む組成物とを共押出成形して、前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂を含む組成物から成るA層と前記アクリル樹脂を含む組成物から成るB層とを積層する工程と;
を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂積層材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂との積層材に関し、詳しくは、優れた透明性、耐擦傷性、耐候性、耐衝撃性及び難燃性を同時に実現する樹脂積層材に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
アクリル樹脂は、優れた透明性、耐擦傷性、耐候性、電気特性等を有することから、液晶表示装置分野等で利用されているが、耐衝撃性や難燃性の要求特性を満たしていない。そこで、例えば、特開2003-165184号公報のように、アクリル樹脂をポリカーボネート樹脂と積層することにより、透明性を維持しつつ、耐衝撃性を改善することが図られている。しかしながら、OA機器、情報・通信機器、家庭電化機器等の電気・電子機器の液晶表示装置分野においては、高度の難燃性を要求される分野があるが、アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との樹脂積層材は、難燃性が不十分である場合があり、より優れた方法が求められている。
【0003】
他方で、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂の難燃性を向上するために、ハロゲン化ビスフェノールA、ハロゲン化ポリカーボネートオリゴマー等のハロゲン系難燃剤が、酸化アンチモン等の難燃助剤と共に用いられてきた。しかしながら、これらを添加すると液晶表示装置分野に必須である透明性が失われるという欠点があった。さらに近年、安全性や廃棄・焼却時の環境への影響の観点から、ハロゲンを含まない難燃剤による難燃化方法が市場より求められている。
【0004】
これに対して、ポリカーボネート樹脂にポリシロキサン化合物を配合することによって、燃焼時に有害なガスを発生することなく難燃性を付与できることも知られている。たとえば、特開平10-139964号公報には、特定の構造や分子量を有するポリシロキサン化合物からなる難燃剤が開示されている。これは、難燃特性や耐衝撃性が優れたものであるが、ポリカーボネート樹脂の特徴である透明性が失われる場合がある。さらにポリカーボネート樹脂は、耐擦傷性及び耐候性に劣るため、液晶表示装置分野に使用するには十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特2003-165184号公報
特開平10-139964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記現状の下、アクリル樹脂の特徴である優れた透明性、耐擦傷性及び耐候性を保持しつつ、高度な耐衝撃性及び難燃性を実現する樹脂積層材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、樹脂積層材の透明性、耐衝撃性、難燃性等の改良について鋭意検討した。その結果、特定のシロキサン化合物で変性したポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂を、アクリル樹脂と積層することにより、透明性、耐衝撃性及び難燃性を高いレベルに向上し、さらに耐擦傷性及び耐候性を同時に実現できることを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0008】
すなわち、本発明は、ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)を含む組成物から成るA層と、
アクリル樹脂(B)を含む組成物から成るB層と、
を有する樹脂積層材であって、
前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)は、ポリカーボネート樹脂が、式(I):
TIFF
2023106019000001.tif
39
167
(式中、R

、R

、R

、R

及びR

は、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子で全部又は一部が置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基であり、R

及びR

は、互いに独立して、2価の有機基であり、190≧q≧0であり、10≧r>0であり、数平均分子量は500~30000である)
で表されるポリシロキサン化合物により変性されたものであり、
前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)におけるSiに結合した全有機基中のアリール基の比率は75モル%~95モル%であり、
前記ポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)中のポリシロキサン部分は0.3~3.0質量%である、樹脂積層材の提供を、その要旨とするものである。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明より明らかなように、本発明に従う樹脂の積層材によれば、ポリカーボネート樹脂の特性の損なわれておらず、且つ、ポリシロキサン化合物の構造にて与えられる各種の優れた特性、特に優れた難燃性が付与され、優れた透明性、耐擦傷性及び耐候性を保持しつつ、高度な耐衝撃性及び難燃性を実現する樹脂積層材を得ることができる。
【0010】
また、本発明によれば、ポリカーボネート樹脂中に、水素結合を介して、ジアミノ基を有するポリシロキサン構造が効率的に結合し得ることから、ブリードアウト現象の発生が効果的に抑制され、難燃性に優れたポリシロキサン変性ポリカーボネート樹脂(A)が得られ、さらにアクリル樹脂(B)との積層材とすることにより、難燃性と透明性、耐候性に優れた積層材を得ることができる。本発明の積層材は、耐衝撃性を損なうことなく高度な難燃性や透明性を具備し、且つ、リン化合物等からなる可塑剤及び/又は塩素、臭素化合物等からなる難燃剤を含まなくてよいことから燃焼時に当該難燃剤に起因するハロゲンを含むガスの発生の懸念もなく、環境保護の面においても優れた性能も併せ持つ。したがって、これらの性能が要求される用途において特に好適に用いることが可能であり、例えば、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、EL用基板、カラーフィルターなど、各種部材等に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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