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公開番号2025147823
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024048262
出願日2024-03-25
発明の名称合成ガスの製造方法、及び燃料製造システム
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C10J 3/00 20060101AFI20250930BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】水素を有効活用でき、エネルギー効率を向上し、且つ環境への負荷を低減する合成ガスの製造方法及び燃料製造システムを提供すること。
【解決手段】バイオマス原料から燃料を製造するための合成ガスの製造方法であって、バイオマス原料に対し、水素を、[水素ガスの質量]/[バイオマスの質量]で表される質量比が0.01~0.03となるように供給する工程を含み、水蒸気を供給する工程を含まない、合成ガスの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
バイオマス原料から燃料を製造するための合成ガスの製造方法であって、
バイオマス原料に対し、水素を、[水素ガスの質量]/[バイオマスの質量]で表される質量比が0.01~0.03となるように供給する工程を含み、
水蒸気を供給する工程を含まない、合成ガスの製造方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
バイオマス原料から燃料を製造するための合成ガスの製造方法であって、
バイオマス原料に対し、水素を、[水素ガスの質量]/[バイオマスの質量]で表される質量比が0.01~0.03となるように供給する工程を含み、
バイオマス原料に対し、水蒸気を、[水蒸気の質量]/[バイオマスの質量]で表される質量比が1.0以下となるように供給する工程を含む、合成ガスの製造方法。
【請求項3】
前記バイオマス原料のガス化が、700℃以上850℃未満で行われる、請求項1又は2に記載の合成ガスの製造方法。
【請求項4】
前記水素ガスの供給量が100L/day以上である、請求項1又は2に記載の合成ガスの製造方法。
【請求項5】
バイオマス原料から液体燃料を製造する燃料製造システムであって、
請求項1に記載の合成ガスの製造方法により、バイオマス原料、水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を反応させ、炭化水素を含む合成ガスを製造するガス化炉を含むガス化装置と、
水素を、[水素ガスの質量]/[バイオマスの質量]で表される質量比が0.01~0.03となるように前記ガス化装置に供給する水素供給手段と、
を備え、
水蒸気を前記ガス化装置に供給する水蒸気供給手段からの水蒸気の供給を停止する水蒸気供給制御手段を備えることを特徴とする燃料製造システム。
【請求項6】
バイオマス原料から液体燃料を製造する燃料製造システムであって、
請求項2に記載の合成ガスの製造方法により、バイオマス原料、水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を反応させ、炭化水素を含む合成ガスを製造するガス化炉を含むガス化装置と、
水素を、[水素ガスの質量]/[バイオマスの質量]で表される質量比が0.01~0.03となるように前記ガス化装置に供給する水素供給手段と、
を備え、
水蒸気を前記ガス化装置に供給する水蒸気供給手段から、水蒸気を、[水蒸気の質量]/[バイオマスの質量]で表される質量比が1.0以下となるように前記ガス化装置に供給する水蒸気供給制御手段を備えることを特徴とする燃料製造システム。
【請求項7】
前記ガス化炉内の温度が700℃以上850℃未満の場合に、水素を前記ガス化装置に供給する水素ガス供給制御手段(1)を備える、請求項5又は6に記載の燃料製造システム。
【請求項8】
前記ガス化装置に供給可能な前記水素ガスの供給量が100L/day以上である場合に、水素を前記ガス化装置に供給する水素ガス供給制御手段(2)を備える、請求項5又は6に記載の燃料製造システム。
【請求項9】
前記バイオマス原料のガス化率が50mol%以上である場合に、前記合成ガスを液体燃料の原料として使用するための液体燃料用合成ガス供給手段と、
前記バイオマス原料のガス化率が50mol%未満である場合に、前記合成ガスを前記ガス化炉の熱源として使用するための熱源用合成ガス供給手段と、を備える、請求項5又は6に記載の燃料製造システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、合成ガスの製造方法、及び燃料製造システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来より気候変動の緩和または影響軽減を目的とした取り組みが継続され、この実現に向けて二酸化炭素の排出量低減に関する研究開発が行われている。
近年、化石燃料の代替として、再生可能エネルギーによって発電した電力によって生成した水素とバイオマスや工場から排出される二酸化炭素等の炭素源とを原材料とした合成燃料が注目されている。
【0003】
バイオマスを原料としてメタノールやガソリン等の液体燃料を製造する一般的な手順は以下の通りである。すなわち、所定の前処理を経たバイオマス原料をガス化炉内で水や酸素とともにガス化させ、水素及び一酸化炭素を含む合成ガスを生成するガス化工程と、生成された合成ガスを洗浄しタールを取り除く洗浄工程と、洗浄工程を経た合成ガスのH

/CO比を製造しようとする液体燃料に応じた目標比に調整するH

/CO比調整工程と、H

/CO比調整工程を経た合成ガスから硫黄成分を取り除く脱硫工程と、脱硫工程を経た合成ガスから液体燃料を製造する燃料製造工程と、を経てバイオマス原料から液体燃料が製造される。
【0004】
ここでガス化工程を経て生成される合成ガスのH

/CO比は、多くの場合目標比に到達しておらず水素が不足している状態となっている。このためH

/CO比調整工程では、一酸化炭素と水とを反応させることによって水素を発生させ、H

/CO比を目標比まで上昇させる。
【0005】
特許文献1には、上述のようなバイオマス原料から合成燃料を製造する燃料製造システムにおいて、再生可能エネルギーによって発電した電力によって水素を生成し、生成した水素をガス化炉によって生成される合成ガスに混ぜることにより、H

/CO比を目標比に調整する発明が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-147505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示された燃料製造システムでは、再生可能エネルギーによって発電した電力を用いて電解装置によって水素を生成し、生成した水素を水素タンクに蓄えている。ここで特許文献1において再生可能エネルギーとして想定する風力や太陽光は、常に一定量発生しているわけではないため、水素タンク内の水素残量は環境条件に応じて大きく変動しうる。このため水素残量が水素タンクの下限に近くなれば、ガス化炉等へ十分な量の水素を供給できなくなってしまい、ひいては上述のガス化工程やH

/CO比調整工程等における二酸化炭素排出量が増加するおそれがある。このため結果として、燃料製造システムによって製造される液体燃料の二酸化炭素排出原単位(単位量の液体燃料を製造するために排出される二酸化炭素の量であり、「Carbon Intensity」とも呼称されている)が悪化する場合がある。
【0008】
また、従来は、燃料製造システムを稼働させるために、反応場や原料等を所定の温度に昇温する必要があるが、昇温中の非定常状態には合成ガスを製造できないため、エネルギー効率が悪いという問題がある。
さらに、燃料製造システムにおいて生成した水素ガスは、水素タンクの容量を超えると燃料として使用するか、あるいは排気するしかないため、水素を有効活用できていないという問題がある。
【0009】
本願は上記課題の解決のため、水素を有効活用でき、エネルギー効率を向上し、且つ環境への負荷を低減する合成ガスの製造方法及び燃料製造システムを提供することを目的としたものである。そして、延いては気候変動の緩和または影響軽減に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1] バイオマス原料から燃料を製造するための合成ガスの製造方法であって、
バイオマス原料に対し、水素を、[水素ガスの質量]/[バイオマスの質量]で表される質量比が0.01~0.03となるように供給する工程を含み、
水蒸気を供給する工程を含まない、合成ガスの製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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