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公開番号2025115988
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2025034400,2022504520
出願日2025-03-05,2020-07-28
発明の名称水素の輸送または貯蔵のための多層構造体
出願人アルケマ フランス
代理人園田・小林弁理士法人
主分類B32B 5/00 20060101AFI20250731BHJP(積層体)
要約【課題】水素を輸送、分配または貯蔵するための貯槽、パイプまたはチューブから選択される多層構造体を提供する。
【解決手段】多層構造体は、内側から外側へ、少なくとも1つの密封層と少なくとも1つの複合補強層とを含み、最も内側の複合補強層は、最も外側の隣接する密封層に溶接され、密封層は、Tmが、280℃未満、特に265℃未満である、少なくとも1種の半結晶性の熱可塑性ポリマーP1を主に含む組成物からなり、各密封層の少なくとも1種の熱可塑性ポリマーは、同じでも異なっていてもよく、複合補強層の少なくとも1つは、少なくとも1種の、特に半結晶性である熱可塑性ポリマーP2を主に含む組成物が含浸された連続繊維の形態の繊維材料からなり、熱可塑性ポリマーP2は、構造体の最大使用温度(Tu)より高いTgを有し、Tg≧Tu+20℃であり、Tuは50℃より高く、特に100℃より高い。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水素の輸送、分配、または貯蔵を目的とする貯槽、パイプまたはチューブから選択される多層構造体であって、前記多層構造体が、内側から外側へ、少なくとも1つの密封層と少なくとも1つの複合補強層とを含み、
最も内側の複合補強層は、最も外側の隣接する密封層に溶接されており、
前記密封層は、Tmが、ISO11357-3:2013に従って測定して、280℃未満、特に265℃未満である、少なくとも1種の半結晶性の熱可塑性ポリマーP1i(i=1~n、nは密封層の数である)を主に含む組成物からなり、
各密封層の前記少なくとも1種の熱可塑性ポリマーは、同じでも異なっていてもよく、前記複合補強層の少なくとも1つは、少なくとも1種の、特に半結晶性である熱可塑性ポリマーP2j(j=1~m、mは補強層の数である)を主に含む組成物が含浸された連続繊維の形態の繊維材料からなり、前記熱可塑性ポリマーP2jは、ISO11357-3:2013に従って測定して、前記構造体の最大使用温度(Tu)より高いTgを有し、Tg≧Tu+20℃、特にTg≧Tu+30℃であり、Tuは50℃より高く、特に100℃より高い、
多層構造体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
各密封層の各ポリマーP1iが、隣接層の各ポリマーP1jと部分的にまたは完全に混和性であり、各補強層の各ポリマーP2jが、隣接層の各ポリマーP2jと部分的にまたは完全に混和性であり、ポリマーP21が、それに隣接するポリマーP11と部分的にまたは完全に混和性であり、
前記ポリマーの完全または部分的な混和性は、混合物以前の2つの樹脂のガラス転移温度の差に対する混合物中の2つの樹脂のガラス転移温度の差によって定義され、前記差が0に等しい場合、混和性が完全であり、前記差が0と異なる場合、混和性が部分的である、請求項1に記載の多層構造体。
【請求項3】
各密封層が、同じ種類のポリマー、特にポリアミドを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の多層構造体。
【請求項4】
各補強層が、同じ種類のポリマー、特にポリアミドを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の多層構造体。
【請求項5】
各密封層が、同じ種類のポリマー、特にポリアミドを含み、各補強層が、同じ種類のポリマー、特にポリアミドを含むことを特徴とする、請求項3または4に記載の多層構造体。
【請求項6】
単一の密封層および単一の補強層を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の多層構造体。
【請求項7】
前記構造体が、貯槽または可撓性パイプであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の多層構造体。
【請求項8】
前記ポリマーP1およびP2を含む前記組成物がまた、それらが溶接に好適な照射を吸収することを可能にするカーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)またはグラフェンなどの添加剤を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の多層構造体。
【請求項9】
前記ポリマーP2jを含む前記組成物が、溶接に好適な照射に対して透過性であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の多層構造体。
【請求項10】
溶接が、レーザー、赤外線(IR)加熱、LED加熱、誘導またはマイクロ波加熱もしくは高周波(HF)加熱から選択されるシステムによって実行されることを特徴とする、請求項8または9に記載の多層構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本特許出願は、水素の輸送、分配、または貯蔵のための多層複合構造体およびそれらを作製する方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
自動車分野で求められている目標の1つは、ますます汚染の少ない車を提示することである。したがって、電池を備える電気自動車またはハイブリッド車は、ガソリン車またはディーゼル車などの内燃機関車に徐々に取って代わることを目指している。電池は、比較的複雑な車部品であることが判明している。車内のバッテリーの位置決めによっては、それを衝撃から保護し、極端な温度および変わりやすい湿度を有し得る外部環境から保護する必要がある場合がある。また、火炎の危険性を回避する必要もある。
【0003】
さらに、電池のセルを破損せずにその寿命を維持するためには、その動作温度が55℃を超えないことが重要である。逆に、例えば冬期において、その動作を最適化するように電池温度を上昇させる必要がある場合がある。
【0004】
その上、電気自動車には、今日でもいくつかの問題、つまり電池の走行距離、その資源が無尽蔵ではないレアアースのこれらの電池での使用、および電池を再充電できる各国の電力生産の問題がある。
【0005】
したがって水素は、燃料電池によって電気に変換され、電気自動車に電力を供給することができるので、電気電池の代替となる。
【0006】
ただし、水素の貯蔵は、特に移動式貯蔵に関して言えば、モル質量が非常に低く、液化温度が非常に低いため、技術的に困難で費用がかかる。しかしながら効果的であるためには、貯蔵を小体積で実行しなければならず、車が使用される際の温度において、水素は高圧下に維持されなければならないことを意味する。これは、特に、バッテリー駆動の電気ベース(base electrique)に加えて、本質的に都市用途のための、目標が約600~700km、またはそれ未満の走行距離である燃料電池ハイブリッド路上走行車の場合である。
【0007】
水素貯槽は通常、水素が漏れるのを防がなければならない金属性ライナーで作製されている。この第1のライナー自体は、貯槽の内圧(例えば700bar)に耐え、任意の衝撃または熱源に耐えるように設計された第2のライナー(通常は複合材料で作製される)によって保護されなければならない。バルブシステムも安全でなければならない。
【0008】
フランス水素燃料電池協会(AFHYPAC)のHydrogen Memento Sheet 4.2、2016年12月改訂によると、20または25MPa(I型およびII型)に膨張させた円筒状の鋼製シリンダーまたはシリンダーアセンブリを用いた加圧水素貯蔵および分配は、非常に長年にわたって標準的な慣行であった。この貯蔵方法の欠点は、メタンの100kg/m

と比較して、20MPaおよび通常の温度(21℃)でわずか14kg/m

のサイズ、ならびにとりわけ水素脆化の問題を回避するために低応力鋼を使用した結果による重量である。この状況は、III型またはIV型として公知の複合貯槽技術の出現によって根本的に変化した。それらの基本原理は、密封および機械的強度の2つの本質的な機能を分離し、互いに独立してそれらを管理することである。この型の貯槽では、ライナー(または密封シース)としても公知の樹脂(熱硬化性または熱可塑性)で作製されたブラダーが、補強層またはスリーブとしても公知の、繊維(ガラス、アラミド、炭素)からなる補強構造体と組み合わされ、それにより貯槽は、その質量を減少させ、重度の外部攻撃の場合に爆発性破裂の危険性を回避しながら、さらにより高圧で動作することが可能となる。したがって70MPa(700bar)が、実質的に現在の標準になった。
【0009】
IV型の貯槽では、ライナーおよび補強層は異なる材料で作製されており、ライナーと補強層の間の接着性の欠如を提示する欠点を有し、ライナーと複合材の間の接触面にガスの蓄積および貯槽の内圧の低下の両方がある場合、ライナー崩壊の問題を引き起こす。
【0010】
この問題は、ライナーと複合材の間の優れた耐久性のある接着性を保証するために、ライナーおよび複合材マトリックスに同じポリマーを使用することに基づくV型貯槽の開発につながった。
(【0011】以降は省略されています)

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