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公開番号2025089730
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-16
出願番号2023204537
出願日2023-12-04
発明の名称帯電防止性ターポリン、及び当該ターポリンを用いてなる帯電防止性フレキシブルコンテナバッグ
出願人平岡織染株式会社
代理人
主分類B32B 27/12 20060101AFI20250609BHJP(積層体)
要約【課題】帯電防止性、及び耐熱クリープ性に優れたターポリンと、このターポリンを用いて、安全に高周波溶着してなる帯電防止性、さらには防爆性、かつ溶着部耐熱性に優れたフレキシブルコンテナバッグの提供。
【解決手段】「表面層/目開織物/裏面導電層」の断面、または「表面層/目開織物/中間層/裏面導電層」の断面を構成するエチレン系共重合体樹脂製のターポリンであって、目開織物が経糸条群、及び緯糸条群により製織され、経緯双方の糸条群各々に、マルチフィラメント糸条、及び捲縮マルチフィラメント糸条が規則的に交互配列され、その繰り返し単位が2~6本であり、15~30本/inchの混用密度で配列され、交互配列がマルチフィラメント糸条(1~4本)、及び捲縮マルチフィラメント糸条(1~2本)による組み合わせ8種の何れか1種の部分嵩高織物で、裏面導電層に導電性粉体、及び導電性液体化合物を含むターポリンとする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリン、または「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂中間層/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリンであって、前記目開織物が経糸条群、及び緯糸条群により製織され、経緯双方の糸条群各々に、マルチフィラメント糸条、及び捲縮マルチフィラメント糸条が規則的に交互配列され、その繰り返し単位が2~6本であり、15~30本/inchの混用密度で配列され、前記交互配列が前記マルチフィラメント糸条(1本、または2本、または3本、または4本)、及び前記捲縮マルチフィラメント糸条(1本、または2本)による組み合わせ8種の何れか1種の部分嵩高織物であり、前記エチレン系共重合体樹脂裏面導電層に導電性粉体、及び導電性液体化合物を含むことを特徴とする帯電防止性ターポリン。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記導電性粉体が、前記導電性液体化合物の一部または全部を吸着担持している請求項1に記載の帯電防止性ターポリン。
【請求項3】
前記導電性粉体が、アセチレンブラック単体、またはアセチレンブラックとオイルファーネス系カーボンブラックの併用である請求項1または2に記載の帯電防止性ターポリン。
【請求項4】
前記導電性液体化合物が、カチオン及びアニオンのイオン対で形成され、前記カチオンが、イミダゾリウム系、イミダゾリニウム系、ピリジニウム系、ピラゾリウム系、ピロリジニウム系、ピペリジニウム系、四級アンモニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系、から選ばれた1種、かつ前記アニオンが化学式、BF

-
、PF

-
、TaF

-
、NbF

-
、SiF

-
、AlF

-
、AlCl

-
、NO

-
、NO

-
、F
-
、Cl
-
、Br
-
、I
-
、CN
-
、AsF

-
、SbF

-
、NbF

-
、TaF

-
、CF

SO

-
、CF

SO

-
、(CF

SO




-
、p-CH

PhSO

-
、CH

CO

-
、HSO

-
、HSO

-
、CH

SO

-
、CH

SO

-
、CF

SO

-
、(CF

【請求項5】
前記エチレン系共重合体樹脂表面層、エチレン系共重合体樹脂中間層、及びエチレン系共重合体樹脂裏面導電層が、エチレン系共重合体樹脂を主体に構成され、このエチレン系共重合体樹脂が、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体樹脂、エチレン-アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体樹脂、から選ばれた1種以上で、エチレン単位の含有量が65~85質量%である請求項1~4の何れか1項に記載の帯電防止性ターポリン。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の帯電防止性ターポリンから採取した複数のパーツを溶着一体化してなる帯電防止性フレキシブルコンテナバッグ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルコンテナバッグの製造に用いるターポリン原反と、このターポリン原反から製造されたフレキシブルコンテナバッグに関し、特に帯電防止性、及び耐熱クリープ性に優れたターポリンと、このターポリンを用いてなる帯電防止性、かつ溶着部耐熱性に優れたフレキシブルコンテナバッグに関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
フレキシブルコンテナバッグは円筒型、四角柱型があり、天井部は充填口、底床部は排出口を有し、充填口と排出口の密閉/解放が自在な大型容器で、空のフレキシブルコンテナバッグは折り畳んで減容し、その取り扱いも容易である。このフレキシブルコンテナバッグは大別して、小麦粉、米、麦、大豆、小豆、胡麻、砂糖、塩などの食品原料の貯蔵、運搬用と、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂ペレット、塩化ビニル樹脂粒、炭酸カルシウム粉末、などの工業材料の貯蔵、運搬用がある。これらのフレキシブルコンテナバッグに用いるターポリン原反には、目開織物を芯材として、その両面にエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂層を積層した柔軟シートが使用されている。エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂製のフレキシブルコンテナバッグが使用される理由は、その軽量性(軟質塩化ビニル樹脂製より2~3割軽量)、化学的安定性(充填物の酸性、アルカリ性による変質を受け難い)、安全性(充填物を安定剤、可塑剤などで汚染しない)、高周波癒着性、印刷性が挙げられる。
【0003】
フレキシブルコンテナバッグの製造は、ターポリン原反から採取した複数のパーツを繋ぎ合わせ、各々端部同士を高周波溶着するラップ接合が汎用的である。このラップ接合部分では、実質的にエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂層同士の溶着のみで一体化されているため、ターポリンの強度の要となる織物は切断された状態、すなわち、2枚の織物がエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂層で接着された不安定な状態となっている。従って、フレキシブルコンテナバッグ本体に熱を帯びると、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂層が軟化することで、底部の溶着部分が破壊(糸抜破壊、または剥離破壊)する耐熱クリープ問題が生じている。この耐熱クリープ問題は特に、製造直後の蓄熱したポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂ペレットの充填時に発生し、フレキシブルコンテナバッグの移動の際、底部が破袋して、充填した樹脂ペレットが散乱する事故となっている。
【0004】
このような熱軟化による破袋事故を防ぐためには、1)エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂層の耐熱性の向上、2)及び織物とエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂層との接着性の向上がバランスよく両立させることが必要である。耐熱性の向上は、より重合度の高いエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(MFR値の低いグレード)を使用し、酢酸ビニル共重合成分含有率が低く、かつ高周波溶着が可能なグレードを使用することが周知技術であり、また接着性(耐熱クリープ性)の向上手段として本出願人は、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂層などのポリオレフィン樹脂層に環状イミノエーテル側鎖基(オキサゾリン基)を有する反応性重合体を配合すること(特許文献1)、織物を構成する糸条の一部に嵩高なタスラン糸を用いること(特許文献2)を提案して耐熱クリープ性を向上させている。しかしながら反応性重合体を扱う特許文献1の技術では、フィルム成型に掛かる時間が毎回一定で、次工程の織物と積層するまでの時間が毎回一定でないと、安定した耐熱クリープ性が得られないという制限があり、また特許文献2の技術においては、得られるターポリンにある程度の引裂強度を付与するための糸撚が必要で、嵩高タスラン糸に適度な撚りを掛けたことで嵩高効果が減衰して、フィルムとの接着性(アンカー効果)が期待を下回ることがあった。
【0005】
一方で、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂製のフレキシブルコンテナは、摩擦で静電気を帯び易すく、特にポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂ペレットや米の排出時(フレキシブルコンテナバッグ底部の開口による自由落下)には、樹脂ペレットとフレキシブルコンテナバッグ内壁との摩擦によって帯電し、とフレキシブルコンテナバッグ内壁に樹脂ペレットや米粒が静電付着して、その除去作業を要する手間があった。周囲の環境によっては、静電気火災の原因となり、さらに小麦粉、炭酸カルシウムなどの粉体排出時の粉煙が、粉塵爆発を誘発する危険があるため、帯電防止性能を付帯する防爆性フレキシブルコンテナバッグが必須となっている。これらは導電性カーボンブラックが配合されたポリオレフィン系樹脂層を含むフレキシブルコンテナ(特許文献3)、不飽和エステル単位を少なくとも10質量%含む樹脂分100質量部に対し、高分子型永久帯電防止剤を15~50質量部含む樹脂層からなるターポリン(特許文献4)などが知られている。しかしながら特許文献3の導電性カーボンブラックの使用では、高周波溶着時に通電スパーク(発火)を生じてターポリンに焦げた穴開きを生じる危険事故の可能性があり、特許文献4の高分子型永久帯電防止剤(熱可塑性樹脂)の15~50質量部の配合は、ポリオレフィン系樹脂の物性に悪影響し、高周波溶着性にも悪影響するものであった。従って十分な帯電防止性を有しながら安全な高周波溶着性を有し、しかも接合部の耐熱クリープ性にも優れた防爆性フレキシブルコンテナバッグ(JIS C61340 4-4)、及びそれを製造するための帯電防止性、及び耐熱クリープ性に優れたターポリン原反はまだ存在していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-044155号公報
特開2022-146202号公報
特開2001-191433号公報
特開2017-019145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、帯電防止性、及び耐熱クリープ性に優れたターポリンと、このターポリンを用いて、安全に高周波溶着してなる帯電防止性、さらには防爆性(JIS C61340 4-4)、かつ溶着部耐熱性に優れたフレキシブルコンテナバッグの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はかかる点を考慮し検討を重ねた結果、経緯双方の糸条群に、マルチフィラメント糸条、及び捲縮マルチフィラメント糸条が規則的に交互配列された目開織物を芯材として、エチレン系共重合体樹脂表面層、及び特定の導電性材料を配合してなるエチレン系共重合体樹脂裏面導電層を設けて得られたターポリンが帯電防止性(さらには防爆性)、及び耐熱クリープ性に優れることを見出して本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明の帯電防止性ターポリンは、「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリン、または「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂中間層/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリンであって、前記目開織物が経糸条群、及び緯糸条群により製織され、経緯双方の糸条群各々に、マルチフィラメント糸条、及び捲縮マルチフィラメント糸条が規則的に交互配列され、その繰り返し単位が2~6本であり、15~30本/inchの混用密度で配列され、前記交互配列が前記マルチフィラメント糸条(1本、または2本、または3本、または4本)、及び前記捲縮マルチフィラメント糸条(1本、または2本)による組み合わせ8種の何れか1種による部分嵩高織物であり、前記エチレン系共重合体樹脂裏面導電層に導電性粉体、及び導電性液体化合物を含むことが好ましい。このような部分嵩高織物、及びエチレン系共重合体樹脂裏面導電層を用いることによって、捲縮マルチフィラメント糸条の嵩高部分(コイル状)を、エチレン系共重合体樹脂表面層、及びエチレン系共重合体樹脂裏面導電層、またはエチレン系共重合体樹脂中間層に対する投錨接着効果に寄与させ、マルチフィラメント糸条の部分をターポリン本体の引裂強度の維持に寄与させるという役割分担を成すと同時に帯電防止性、及び耐熱クリープ性に優れたターポリンを得ることができ、このターポリンを用いることで、安全に高周波溶着してなる帯電防止性のフレキシブルコンテナバッグ、さらには防爆性(JIS C61340 4-4)、かつ溶着部耐熱性に優れたフレキシブルコンテナバッグを得ることを可能とする。本願明細書においてマルチフィラメント糸条とは、非捲縮マルチフィラメント糸条を意味し、嵩高加工が施されていないストレート糸条(但し撚りを有する)を意味する。
【0010】
本発明の帯電防止性ターポリンは、前記導電性粉体が、前記導電性液体化合物の一部または全部を吸着担持していることが好ましい。導電性粉体に導電性液体化合物を吸着担持させることで、導電性粉体粒子間をより濃密に密着させた複合導電体とすることができ、より安定性に優れ、かつ高度の帯電防止性(防爆性)を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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