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公開番号2025083000
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023196611
出願日2023-11-20
発明の名称洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム
出願人関西電力株式会社,株式会社富士システム研究所
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類B63B 43/06 20060101AFI20250523BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】浮体式の洋上風力発電設備において、好適に揺動量および喫水量を制御することができる、洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システムを提供する。
【解決手段】浮体構造部200は、支柱130を保持する保持部230と、内部に空気を蓄積する少なくとも3つのフロート210と、少なくとも3つのフロート210を保持して保持部230と連結するフロート接続部220と、少なくとも3つのフロート210の各々の内部の空気量を調整する空気量調整装置260と、風力発電設備10の揺動量を検出する揺動検出装置240と、水面からの浮体構造部200の喫水量Mを検出する喫水量検出装置250とを含む。制御部20は、揺動検出装置240および喫水量検出装置250の検出結果に基づき、空気量調整装置260を制御することで、揺動量および喫水量Mを制御する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システムであって、
風力発電装置部を支持して洋上に浮遊させる浮体構造部と、
前記浮体構造部の前記揺動量および前記喫水量を制御する制御部とを備え、
前記風力発電装置部には、風を受けて回転するブレードと、前記ブレードの回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、前記ブレードおよび前記発電機を支持する支柱とが設けられ、
前記浮体構造部は、
前記支柱を保持する保持部と、
内部に空気を蓄積する少なくとも3つのフロートと、
前記少なくとも3つのフロートを保持して前記保持部と連結するフロート接続部と、
前記少なくとも3つのフロートの各々の内部の空気量を調整する空気量調整装置と、
前記洋上風力発電設備の前記揺動量を検出する第1の検出装置と、
水面からの前記浮体構造部の前記喫水量を検出する第2の検出装置とを含み、
前記制御部は、前記第1の検出装置および前記第2の検出装置の検出結果に基づき、前記空気量調整装置を制御することで、前記揺動量および前記喫水量を制御する、洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記揺動量および前記喫水量が目標値に追従するように、前記第1の検出装置によって検出された前記揺動量および前記第2の検出装置によって検出された前記喫水量に基づき、前記空気量調整装置を制御して前記少なくとも3つのフロートの各々の内部の空気量を調整する、請求項1に記載の洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム。
【請求項3】
前記空気量調整装置は、吸入弁および排出弁を有し、
前記浮体構造部は、前記少なくとも3つのフロートのそれぞれと接続される少なくとも3つの排出パイプと、前記空気量調整装置と接続される少なくとも3つの吸入パイプとをさらに含み、
前記少なくとも3つの吸入パイプのそれぞれは、前記少なくとも3つのフロートと接続され、
前記排出パイプの排出口には、外部に排出されるフロート内部の空気の流量を制御する前記排出弁が設けられ、
前記吸入パイプの吸入口には、前記空気量調整装置からフロート内部に吸入される空気の流量を制御する前記吸入弁が設けられ、
前記少なくとも3つのフロートの各々の内部には、空気を蓄積する空気室と、前記空気室内の空気の容量を可変にする空気容量調整機構が設けられる、請求項1に記載の洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム。
【請求項4】
前記空気容量調整機構は、
前記空気室に海水を流通させる海水流通口が設けられた第1の機構と、
前記空気室の容量を可変にするベローズが設けられた第2の機構と、
前記空気室の容量を可変にする弾性部材が設けられた第3の機構と、
前記空気室の容量を可変にする摺動機構が設けられた第4の機構とを含む複数の機構のいずれかにより前記空気室の容量を可変にする、請求項3に記載の洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム。
【請求項5】
前記空気室には、
前記空気室内の空気の圧力を測定する圧力センサと、
前記空気室内の空気の容量を測定する容量センサとが設けられ、
前記空気量調整装置は、
前記吸入弁と、
前記排出弁と、
前記吸入パイプを介して前記少なくとも3つのフロートの各々に設けられた前記空気室に送出する空気を蓄積する空気タンクと、
前記空気タンクと接続されており、前記空気室に空気を送出するために駆動する送出装置とを有し、
前記制御部は、前記揺動量と前記喫水量とが特定の目標値に追従するように、前記第1の検出装置によって検出された前記揺動量および前記第2の検出装置によって検出された前記喫水量に基づき、前記吸入弁および前記排出弁の開閉動作および開閉時間を制御して、前記少なくとも3つのフロートの各々に設けられた前記空気室の空気の容量または圧力を調整する、請求項3に記載の洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム。
【請求項6】
前記第1の検出装置は、
角度、角速度または加速度を検出する少なくとも1つのセンサを有し、
前記風力発電装置部および前記浮体構造部の双方またはいずれかに設置される、請求項1に記載の洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の検出装置からの検出信号に基づき予測した前記洋上風力発電設備の揺動の方向、揺動の大きさおよび揺動の周期に基づき、前記空気量調整装置を制御して前記少なくとも3つのフロートの各々の内部の空気量を調整する、請求項6に記載の洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム。
【請求項8】
前記第2の検出装置は、
距離または圧力を検出するセンサを有し、
前記風力発電装置部および前記浮体構造部の双方またはいずれかに設置される、請求項1に記載の洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記風力発電装置部および前記浮体構造部の動作を異ならせる複数の動作モードのいずれかを設定可能であり、
設定された動作モードに応じて、前記喫水量の目標値を異ならせる、請求項2~請求項8のいずれか1項に記載の洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム。
【請求項10】
前記複数の動作モードは、
通常時における発電を行う通常発電モードと、
発電を停止する停止モードと、
前記洋上風力発電設備が受ける風の速度が第1速度以上である場合に実行される強風モードと、
前記風の速度が前記第1速度よりも大きい第2速度以上である場合に実行される暴風モードと、
前記洋上風力発電設備の点検時に実行されるメンテナンスモードとのいずれか1つ以上を含む、請求項9に記載の洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
洋上で風力発電する洋上風力発電設備の方式には、水深の深い海域にも設置可能な浮体式がある。浮体式の洋上風力発電設備としては、たとえば、特許第7347764号公報(特許文献1)が挙げられる。
【0003】
この浮体式の洋上風力発電設備では、内部に空気室が設けられた複数の浮体モジュールを連結して構成しており、この浮体モジュール上に風車等が設置されている。この浮体モジュールは、一部が海面より上に設置されており、空気室内の空気量を制御することで、浮体モジュールの浮力を調節している。複数の浮体モジュールを連結させることで、波浪による動揺や強風等による傾きを小さくして、安定性を増すという効果を奏している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7347764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の洋上風力発電設備では、複数の浮体モジュールを連結させることで、波浪による動揺や強風等による傾きを小さくさせているが、浮体モジュールが単体である場合は、このような効果が期待できない。この場合、空気室内の空気量を制御したとしても、強風等による傾きを制御することができない。また、浮体モジュールの一部が海面より上にあることが前提であるため、たとえば、浮体モジュールを水没させ、喫水量を制御することで、風力、波力の影響を低減させるといったことも検討されていない。揺動を抑えるには、大きな面積を有した浮体が必要となるが、広い製作面積の確保が必要となるとともに浮体のコストも高くなってしまう。
【0006】
本開示は、上記の課題を考慮してなされたものであり、その目的の一つは、浮体式の洋上風力発電設備において、好適に揺動量および喫水量を制御することができる、洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システムを提供することである。
【0007】
揺動を制御することで、発電量を改善することが可能となる。さらに、浮体を小型に構成することが可能となり製作に必要な面積を小さくできるとともに浮体のコストを大幅に低減することが可能となる。さらには、空気室の空気量を制御することで、水量または海水の量を制御する場合に比べ応答性に優れた揺動制御を実現することができる。また、喫水量を適切に制御することで揺動に対する抵抗成分が増加し、揺動を一層抑えることが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一局面における洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システムは、風力発電装置部を支持して洋上に浮遊させる浮体構造部と、浮体構造部の揺動量および喫水量を制御する制御部とを備える。風力発電装置部には、風を受けて回転するブレードと、ブレードの回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、ブレードおよび発電機を支持する支柱とが設けられる。浮体構造部は、支柱を保持する保持部と、内部に空気を蓄積する少なくとも3つのフロートと、少なくとも3つのフロートを保持して保持部と連結するフロート接続部と、少なくとも3つのフロートの各々の内部の空気量を調整する空気量調整装置と、洋上風力発電設備の揺動量を検出する第1の検出装置と、水面からの浮体構造部の喫水量を検出する第2の検出装置とを含む。制御部は、第1の検出装置および第2の検出装置の検出結果に基づき、空気量調整装置を制御することで、揺動量および喫水量を制御する。
【発明の効果】
【0009】
上記の一局面の洋上風力発電設備の揺動量および喫水量の制御システムによれば、浮体式の洋上風力発電設備において、好適に揺動量および喫水量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
洋上風力発電設備の概略図(側面図)である。
洋上風力発電設備の概略図(正面図)である。
洋上風力発電設備の概略図(上面図)である。
制御システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
フロートの内部構造(A-A断面)を説明するための図である。
フロートの配置例を説明するための図である。
フロートの配置例を説明するための図である。
通常発電モードにおける喫水量を説明するための図である。
強風モードおよび暴風モードにおける喫水量を説明するための図である。
停止モードにおける喫水量を説明するための図である。
メンテナンスモードにおける喫水量を説明するための図である。
密閉構成を有するフロートの一例を示す図である。
ベローズを有するフロートの一例を示す図である。
弾性部材を有するフロートの一例を示す図である。
摺動機構を有するフロートの一例を示す図である。
密閉構成を有するフロートの一例を示す図である。
1つのフロートが複数の空気室を有するフロートの一例を示す図である。
変形例に係る喫水量検出装置およびその設置例を示す図である。
制御システムの制御部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
空気タンク部の詳細を説明するための図である。
空気タンク部の詳細を説明するための図である。
フロート接続部の構成例を示す図である。
フロート接続部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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