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公開番号2025082711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023196227
出願日2023-11-17
発明の名称離型フィルム、粘着シート及び粘着シートの使用方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B32B 27/00 20060101AFI20250522BHJP(積層体)
要約【課題】各種の粘着剤に対し超軽剥離性を実現しながらも、帯電防止性が良好である離型フィルム、及びその離型フィルムを備える粘着シートを提供すること。
【解決手段】基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられる樹脂層を備える離型フィルムであって、前記樹脂層は、シリコーン樹脂系離型剤と帯電防止剤とを含み、厚みが0.2~2.0μmであり、前記樹脂層中における、前記帯電防止剤由来の元素の厚み方向の濃度分布をXPS分析で測定し、縦軸に前記帯電防止剤由来の元素濃度(Atomic%)、横軸にスパッタ時間(秒)をプロットし、次数3の多項式近似で処理した際に得られる近似曲線が、上に凸の曲線で表され、樹脂層表面から10nm侵入した箇所における、前記帯電防止剤由来の元素濃度(C10)が0.05Atomic%以上である離型フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられる樹脂層を備える離型フィルムであって、
前記樹脂層は、シリコーン樹脂系離型剤と帯電防止剤とを含み、厚みが0.2~2.0μmであり、
前記樹脂層中における、前記帯電防止剤由来の元素の厚み方向の濃度分布をXPS分析で測定し、縦軸に前記帯電防止剤由来の元素濃度(Atomic%)、横軸にスパッタ時間(秒)をプロットし、次数3の多項式近似で処理した際に得られる近似曲線が、上に凸の曲線で表され、樹脂層表面から10nm侵入した箇所における、前記帯電防止剤由来の元素濃度(C10)が0.05Atomic%以上である離型フィルム。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記帯電防止剤由来の元素濃度の極大値(Cmax)と樹脂層表面から10nm侵入した箇所における、前記帯電防止剤由来の元素濃度(C10)の差が0.10Atomic%以上である、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項3】
前記帯電防止剤がπ共役系導電性高分子である、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項4】
前記π共役系導電性高分子が下記化合物(A)である、請求項3に記載の離型フィルム。
(A)チオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物に、他の陰イオン化合物によりドーピングされた重合体、またはチオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物中に陰イオン基を持ち自己ドープされた重合体
【請求項5】
前記樹脂層を設ける面とは反対側の表面の最大断面高さ(Rt)が、2.0μm以下である、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項6】
前記基材フィルムの前記樹脂層が設けられる面とは反対側の面が、平均粒径1~6μmの粒子を0.4~1.0質量%含有するポリエステル層を備える、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項7】
前記樹脂層のナノインデンター装置を用いて測定した、25℃における弾性率が500MPa以下である、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項8】
下記評価方法で測定した、樹脂層の常態剥離力が5g/inch以下である、請求項1に記載の離型フィルム。
<評価方法>
前記離型フィルムの樹脂層が設けられた面にアクリル系粘着テープ(Tesa製の「No.7475」)を貼り付けた後、25mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置する。その後、引張速度0.3m/minの条件下で、剥離角度180°で剥離を行う際の剥離力を常態剥離力として測定する。
【請求項9】
前記樹脂層が設けられた面、及び前記樹脂層が設けられた面とは反対側の面の少なくとも一方の表面固有抵抗率が1×10

Ω/□以下である、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項10】
前記基材フィルムがポリエステルフィルムである、請求項1に記載の離型フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、離型フィルム、粘着シート及び粘着シートの使用方法に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムは、機械的強度、寸法安定性、耐薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種用途に使用されている。例えば、液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する。)用偏光板、位相差板製造用、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する。)構成部材製造用、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する。)構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用等、各種光学用途等に使用されている。
【0003】
近年、粘着剤層を使用する用途においては、特に従来以上に耐久性が必要とされる場合がある。例えば、自動車内部に搭載されるタッチパネルの構成部材接着用として粘着層を用いる場合、当該用途においては、屋外での使用であるがゆえに、夏場の高温雰囲気下、あるいは冬場の低温環境下に晒されても、部材間同士が強固に接着していることが必要とされる。そのため、粘着層自体の耐久性向上に伴い、従来よりも粘着層自体の粘着力がさらに強くなる傾向にあった。したがって、従来、汎用的に使用していた軽剥離タイプの離型フィルムは、粘着層から剥離する際に剥離困難になることがあり、さらなる軽剥離化が要求されている。
また、近年の粘着剤のトレンドとして、段差吸収性がさらに良好となる点で、低弾性率の粘着層が嗜好される傾向にある。低弾性率の粘着層に対応する場合、離型フィルム剥離時に粘着層表面が変形しやすく、糸引き現象が発生する場合がある。そのため、離型フィルムには更なる軽剥離化、いわゆる、超軽剥離化が必要とされる。
【0004】
離型フィルムの超軽剥離化対策として、離型層の厚みを厚くして、軽剥離化しようとする方法があるが、この方法であると、使用する離型剤の種類によっては、離型層由来の移行成分が粘着剤層表面に転着し、所望する粘着力を得るのが困難になる場合がある。
【0005】
一方、離型層からの移行性を抑えるために、移行性の少ない離型剤を用いた場合には、粘着剤層表面への移行成分の転着は低減するが、離型層を厚く塗った場合に離型層表面の滑り性が悪く、ロール状にフィルムを巻き取った際に、フィルム同士がブロッキングし、フィルムにより圧力が加わるロールの下巻き部分で、離型層の剥離力が重くなったり、離型層表面の外観が悪化したりする課題がある。この課題を解決するために、離型層中に微粒子を含有させ離型フィルムのブロッキングを防止する方法が検討されている。(例えば、特許文献1、2参照)。
【0006】
また、別の検討として、フィルムの離型層を設ける面とは反対側の表面に、粒子を含有する樹脂層を設ける提案がなされている(例えば、特許文献3参照)。
さらに離型フィルムに帯電防止性を付与するため、下引きに帯電防止層を備えた構成が提案されている。(例えば、特許文献4参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2004-255704号公報
特開2017-61081号公報
特開2016-165825号公報
特開2000-52495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、下引き層に帯電防止層を備え、その上に離型層を設けた二層構成の場合、超軽剥離化のために離型層の厚みを厚くすると往々にして、帯電防止性が低下し、所望する帯電防止性を得るのが困難な状況であった。
さらに、帯電防止のために離型層中に帯電防止剤を含有させることも考えられるが、離型層中での帯電防止剤の分散状態によっては、離型層の剥離特性が変化し、安定した剥離力を得ることが困難になり、また、軽剥離性を実現することができない場合がある。
【0009】
本発明は上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、各種の粘着剤に対し超軽剥離性を実現しながらも、帯電防止性が良好である離型フィルム、及びフィルム積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィルムを用いることにより、上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の[1]~[23]を提供するものである。
[1]基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられる樹脂層を備える離型フィルムであって、
前記樹脂層は、シリコーン樹脂系離型剤と帯電防止剤とを含み、厚みが0.2~2.0μmであり、
前記樹脂層中における、前記帯電防止剤由来の元素の厚み方向の濃度分布をXPS分析で測定し、縦軸に前記帯電防止剤由来の元素濃度(Atomic%)、横軸にスパッタ時間(秒)をプロットし、次数3の多項式近似で処理した際に得られる近似曲線が、上に凸の曲線で表され、樹脂層表面から10nm侵入した箇所における、前記帯電防止剤由来の元素濃度(C10)が0.05Atomic%以上である離型フィルム。
[2]前記帯電防止剤由来の元素濃度の極大値(Cmax)と樹脂層表面から10nm侵入した箇所における、前記帯電防止剤由来の元素濃度(C10)の差が0.10atomic%以上である、上記[1]に記載の離型フィルム。
[3]前記帯電防止剤がπ共役系導電性高分子である、上記[1]又は[2]に記載の離型フィルム。
[4]前記π共役系導電性高分子が下記化合物(A)である、上記[3]に記載の離型フィルム。
(A)チオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物に、他の陰イオン化合物によりドーピングされた重合体、またはチオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物中に陰イオン基を持ち自己ドープされた重合体
[5]前記樹脂層を設ける面とは反対側のフィルム表面の最大断面高さ(Rt)が、2.0μm以下である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の離型フィルム。
[6]前記基材フィルムの前記樹脂層が設けられる面とは反対側の面が、平均粒径1~6μmの粒子を0.4~1.0質量%含有するポリエステル層を備える、上記[1]~[5]のいずれかに記載の離型フィルム。
[7]前記樹脂層のナノインデンター装置を用いて測定した、25℃における弾性率が500MPa以下である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の離型フィルム。
[8]下記評価方法で測定した、樹脂層の常態剥離力が5g/inch以下である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の離型フィルム。
<評価方法>
前記離型フィルムの樹脂層が設けられた面にアクリル系粘着テープ(Tesa製の「No.7475」)を貼り付けた後、25mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置する。その後、引張速度0.3m/minの条件下で、剥離角度180°で剥離を行う際の剥離力を常態剥離力として測定する。
[9]前記樹脂層が設けられた面、及び前記樹脂層が設けられた面とは反対側の面の少なくとも一方の表面固有抵抗率が1×10

Ω/□以下である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の離型フィルム。
[10]前記基材フィルムがポリエステルフィルムである、上記[1]~[9]のいずれかに記載の離型フィルム。
[11]前記ポリエステルフィルムが三層構成である、上記[10]に記載の離型フィルム。
[12]前記樹脂層表面の中心線平均粗さ(Ra(A))が30nm以下である、上記[1]~[11]のいずれかに記載の離型フィルム。
[13]基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられる樹脂層を備える離型フィルムであって、
前記樹脂層が、硬化型シリコーン樹脂、帯電防止剤および軽剥離化剤を含む樹脂層組成物の硬化物であり、前記軽剥離化剤が下記式(I)で示されるジメチルシロキサン骨格(DM)および下記式(II)で示されるメチルフェニルシロキサン骨格(MP)を有し、厚みが0.2~2.0μmである、離型フィルム。
JPEG
2025082711000001.jpg
40
75
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2025082711000002.jpg
59
70
[14]前記軽剥離化剤の質量平均分子量が1万以上10万以下である、上記[13]に記載の離型フィルム。
[15]上記[1]~[14]の何れかに記載の離型フィルムである第一離型フィルムと、粘着層と、前記粘着層を介して、前記第一離型フィルムと貼り合わされた第二離型フィルムとを備える粘着シート。
[16]前記粘着層がアクリル系粘着層組成物から形成される、上記[15]に記載の粘着シート。
[17]前記粘着層の25℃における弾性率が6.0MPa以下である、上記[15]又は[16]に記載の粘着シート。
[18]前記粘着層が、(メタ)アクリル系重合体を含む粘着層組成物から形成され、(メタ)アクリル系重合体を構成する単量体が、2-エチルヘキシルアクリレート及びブチルアクリレートの少なくともいずれかを含む、上記[15]~[17]のいずれかに記載の粘着シート。
[19]光学用透明粘着シートである、上記[15]~[18]のいずれかに記載の粘着シート。
[20]ディスプレイ用である、上記[1]~[14]のいずれかに記載の離型フィルム。
[21]フォルダブルディスプレイ用である、上記[1]~[14]のいずれかに記載の離型フィルム。
[22]上記[15]~[18]のいずれかに記載の粘着シートにおいて、前記第一離型フィルムを剥がした後、露出する粘着層表面を光学部材に貼り合わせる、粘着シートの使用方法。
[23]前記光学部材が偏光板またはタッチセンサーである、上記[22]に記載の粘着シートの使用方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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