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公開番号
2025068414
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-28
出願番号
2023178310
出願日
2023-10-16
発明の名称
閉断面リブ鋼床版及び閉断面リブ鋼床版の製造方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類
E01D
19/12 20060101AFI20250421BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約
【課題】溶接ルート部を起点とするデッキ貫通亀裂の発生を抑制する。
【解決手段】本発明の閉断面リブ鋼床版1は、デッキプレート11と閉断面リブ12とによって囲まれる閉断面空間Aと、閉断面リブ12の端面とデッキプレート11の裏面とが溶着される溶着部41と、を有し、デッキプレート11の表面には、溶接残留応力を緩和するピーニング処理が施される処理領域11aが設けられ、ピーニング処理は、少なくとも2回以上処理領域11aを打撃する処理であり、打撃の中心位置は、デッキプレート11の橋軸方向に直交する橋軸直交方向において、溶接ルート部Pを通る直線Lに対して閉断面空間Aと同一側に位置し、橋軸直交方向において、溶接ルート部Pから打撃の中心位置Cまでの距離dはデッキプレート11の厚みTHの2倍以下、打撃の幅wはデッキプレート11の厚みTHの1/8以上であることを特徴としている。
【選択図】 図4
特許請求の範囲
【請求項1】
板状のデッキプレートと、前記デッキプレートの裏面側に溶接固定される閉断面リブと、を有する閉断面リブ鋼床版であって、
前記閉断面リブ鋼床版は、
前記デッキプレートと前記閉断面リブとによって囲まれる閉断面空間と、
前記閉断面リブの端面と前記デッキプレートの裏面とが溶接金属によって溶着される溶着部と、
を有し、
前記デッキプレートの表面には、前記デッキプレートに残留する溶接残留応力を緩和するピーニング処理が施される処理領域が設けられ、
前記ピーニング処理は、当該ピーニング処理における打撃の中心位置が同一位置となる、又は前記打撃のずれ量が所定の範囲内となるように、前記処理領域を少なくとも2回以上打撃する処理であり、
前記ピーニング処理における前記打撃の中心位置は、前記デッキプレートの橋軸方向に直交する橋軸直交方向において、前記溶着部と前記デッキプレートの裏面との交点を通りかつ前記橋軸方向及び前記橋軸直交方向の各々に直交する直線を基準にしたとき、当該直線に対して前記閉断面空間と同一側に位置し、
前記交点から前記ピーニング処理における前記打撃の中心位置までの距離は、前記橋軸直交方向において、前記デッキプレートの厚みの2倍以下であり、
前記ピーニング処理における前記打撃の幅は、前記橋軸直交方向において、前記デッキプレートの厚みの1/8以上である
ことを特徴とする閉断面リブ鋼床版。
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
前記ピーニング処理は、前記橋軸直交方向において前記デッキプレートの複数の位置で実行され、
前記複数の位置で実行される前記ピーニング処理の幅の合計は、前記デッキプレートの板厚tの1/8以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の閉断面リブ鋼床版。
【請求項3】
前記デッキプレート又は前記閉断面リブのいずれか一方の材質は、耐疲労鋼である
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の閉断面リブ鋼床版。
【請求項4】
板状のデッキプレートと、前記デッキプレートの裏面側に溶接固定される閉断面リブと、を有する閉断面リブ鋼床版の製造方法であって、
前記デッキプレートと前記閉断面リブとによって閉断面空間を形成した状態で、前記閉断面リブの端面と前記デッキプレートの裏面とを溶接金属により溶着する工程と、
前記閉断面リブが溶接固定された前記デッキプレートの表面に設けられた処理領域に対してピーニング処理を施す工程と、
を有し、
前記ピーニング処理は、当該ピーニング処理における打撃の中心位置が同一位置となる、又は前記打撃のずれ量が所定の範囲内となるように、前記処理領域を少なくとも2回以上打撃する処理であり、
前記ピーニング処理における前記打撃の中心位置は、前記デッキプレートの橋軸方向に直交する橋軸直交方向において、前記閉断面リブの端面と前記デッキプレートの裏面との溶着部及び前記デッキプレートの裏面との交点を通り、かつ、前記橋軸方向及び前記橋軸直交方向の各々に直交する直線を基準にしたとき、当該直線に対して前記閉断面空間と同一側に位置し、
前記交点から前記ピーニング処理における前記打撃の中心位置までの距離は、前記橋軸直交方向において、前記デッキプレートの厚みの2倍以下であり、
前記ピーニング処理における前記打撃の幅は、前記橋軸直交方向において、前記デッキプレートの厚みの1/8以上である
ことを特徴とする閉断面リブ鋼床版の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、デッキプレートの裏面に、閉断面リブを溶接固定した閉断面リブ鋼床版及び閉断面リブ鋼床版の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、橋梁に用いられる床版として鋼床版が挙げられる。鋼床版は、鋼板からなる平板状のデッキプレートと、略U字状、V字状、円弧状、楕円弧状などの断面形状からなる閉断面リブ(縦リブとも称される)や横リブなどの補剛部材と、から構成され、デッキプレートの下面に閉断面リブや横リブを溶接した閉断面リブ鋼床版が一般的に用いられている。このような鋼床版は、RC床版や合成床版に比べて軽量であるとともに、工場で一定の大きさまで製作した上で現場に搬入して設置できるという利点がある。
【0003】
このような閉断面リブ鋼床版では、デッキプレートを貫通する亀裂(デッキ貫通亀裂)が発見されている。デッキ貫通亀裂は、デッキプレートと閉断面リブとの溶着部と、デッキプレートの裏面との2か所の交点のうち、デッキプレート及び閉断面リブで形成される閉断面空間の近傍に位置する交点(以下、溶接ルート部と称する場合がある)を起点とした疲労亀裂が進行することで発生することが明らかになっている。デッキ貫通亀裂は、デッキプレートの陥没を引き起して直ちに交通への重大な影響を及ぼす可能性があり、危険である。したがって、デッキ貫通亀裂への対策技術の確立が必要とされている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示される鋼床版は、デッキプレートと閉断面リブとで形成される閉鎖領域の内側に、デッキプレートと閉断面リブとを連結する板状の内側補強材を配置し、デッキプレートと閉断面リブの溶接部から進展するデッキ貫通亀裂などの疲労亀裂を抑制するものである。
【0005】
また、特許文献2に開示される鋼床版は、デッキプレートの裏面と溶接金属との境界で閉空間側に形成される溶接ルート部から、閉空間側に所定の離間距離で離間させた位置に橋軸方向に沿って延びる溝部をデッキプレートの裏面に形成するものである。特許文献2に開示される鋼床版では、溶接ルート部から、閉空間側に所定の離間距離で離間させた位置に橋軸方向に沿って延びる溝部をデッキプレートの裏面に形成することで、溶接ルート部の近傍での応力集中を回避し、溶接ルート部を起点としたデッキ貫通亀裂などの疲労亀裂の発生を防止しようとするものである。
【0006】
さらに、特許文献3では、目的の箇所に対応する裏側の面に、例えばハンマーピーニング施工などの処理を施した鋼床版が開示されている。特許文献3に開示される鋼床版では、例えばハンマーピーニング施工などの処理を施すことで、デッキプレートと閉断面リブとの溶接部位に圧縮残留応力を導入して、その疲労性能を改善するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2017-133320号公報
特開2016-205024号公報
特開2014-172043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示される鋼床版は、デッキプレートと閉断面リブとで形成される閉鎖領域の複数の位置に、板状の内側補強材を新たに取り付ける構成となる。その結果、鋼床版の全体重量が増加して、鋼床版の優位性である軽量性が損なわれる。また、既設の鋼床版に対して内側補強材を取り付ける場合には、デッキプレートと閉断面リブとで形成される閉鎖領域の内部に内側補強材を通すための穴隙が閉断面リブに必要となることから、既設の鋼床版に対して内側補強材を取り付ける作業は困難な作業となる。
【0009】
また、特許文献2に開示される鋼床版は、デッキプレートの裏面に溝部を形成する処理が新たに必要となる。その結果、鋼床版の製造効率が低下する。また、デッキプレートの裏面に溝部を設けた構成とすることで、溶接ルート部の近傍での応力集中を回避することができるが、溝部が形成される部位が新たな応力集中箇所となって、溝部周辺において疲労亀裂が発生することが懸念される。
【0010】
また、特許文献3に開示される鋼床版では、例えばデッキプレートと閉断面リブとの溶接部位に導入される圧縮残留応力により疲労亀裂の進展速度が抑えられる。しかしながら、疲労亀裂の進展速度は抑えられることができるが、疲労亀裂自体の発生を抑制することができない可能性がある。
(【0011】以降は省略されています)
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