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公開番号
2025059101
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-09
出願番号
2024168644
出願日
2024-09-27
発明の名称
有機無機ハイブリッド膜複合体、ガス分離および/または濃縮方法、ガス分離膜モジュール、ならびに、有機無機ハイブリッド膜複合体の製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
B01D
71/02 20060101AFI20250401BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】パーミエンスに優れる、新たな有機無機ハイブリッド膜複合体、およびその関連技術を提供する。
【解決手段】本開示の有機無機ハイブリッド膜複合体は、多孔質支持層、および、多孔質支持層上に製膜された分離関連層を備える。分離関連層は、有機無機ハイブリッド膜を含み、分離関連層は、マトリックス樹脂と、ガスの選択性を有する無機フィラーと、を含む。分離関連層の膜厚が15μm以下であり、有機無機ハイブリッド膜複合体の断面における、多孔質支持層に浸透したマトリックス樹脂の占有割合が60%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
多孔質支持層、および、前記多孔質支持層上に製膜された分離関連層を備えた有機無機ハイブリッド膜複合体において、
前記分離関連層は、有機無機ハイブリッド膜を含み、
前記分離関連層は、
マトリックス樹脂と、
ガスの選択性を有する無機フィラーと、を含み、
前記分離関連層の膜厚が15μm以下であり、
前記有機無機ハイブリッド膜複合体の断面における、前記多孔質支持層に浸透した前記マトリックス樹脂の占有割合が60%以下である、
有機無機ハイブリッド膜複合体。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
前記有機無機ハイブリッド膜複合体の表面の算術平均粗さの、前記分離関連層の膜厚に対する比が0.050以上である、
請求項1に記載の有機無機ハイブリッド膜複合体。
【請求項3】
前記分離関連層の膜厚に対する、連続する前記無機フィラーの最大長の割合の最大値が20%以上である、
請求項1に記載の有機無機ハイブリッド膜複合体。
【請求項4】
前記分離関連層の膜厚に対する、連続する前記無機フィラーの最大長の割合の最大値が20%以上である、
請求項2に記載の有機無機ハイブリッド膜複合体。
【請求項5】
前記無機フィラーが少なくとも2つの粒度分布のピークを有し、第1の無機フィラーおよび第1の無機フィラーよりも平均粒子径が小さい第2の無機フィラーを含み、
前記第1の無機フィラーの平均粒子径が1μm以上である、請求項1に記載の有機無機ハイブリッド膜複合体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド膜複合体を用いる、ガス分離およびガス濃縮のうち少なくとも一方を行う方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド膜複合体を備えた、ガス分離膜モジュール。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド膜複合体の製造方法であって、
マトリックス樹脂の前駆体および中間体のうちの少なくとも一方、ならびに、前記ガスの選択性を有する無機フィラーを含む分散液を前記多孔質支持層上に塗布するキャスト工程と、
前記マトリックス樹脂の前駆体および中間体のうちの少なくとも一方を硬化させ、前記多孔質支持層上に前記有機無機ハイブリッド膜を製膜する硬化工程と、を含む、
有機無機ハイブリッド膜複合体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機無機ハイブリッド膜複合体、ガス分離および/または濃縮方法、ガス分離膜モジュール、ならびに、有機無機ハイブリッド膜複合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ガスの分離精製方法には、膜分離法、吸着分離法、吸収分離法、深冷分離法がある。膜分離法は圧力を駆動力として、膜を透過するガスの速度差によって分離する手法であり、ガス分離にあっては、分離の途中で相変化をほとんど伴わないため、他のガス分離・精製方法に比べ消費エネルギーが小さい。世界的な気候変動から、温室効果ガスの削減が求められている昨今、消費エネルギーが少ない膜分離法は、従来の分離手法の代替や、温室効果ガスの分離回収の手段として注目を集めている。
【0003】
ガス分離用の膜としては、1970年代から提案されている高分子膜や、セラミックス支持体上に作製したゼオライト膜、高分子膜に無機フィラーを入れたMixed Matrix Membrane(以下MMM)と呼ばれる有機無機ハイブリッド膜が存在している。
【0004】
例えば、高分子膜と無機膜のそれぞれの欠点を解消し、長所を併せ持つ膜として、マトリックス樹脂にガス分離能を持つゼオライトなどの無機フィラーを入れて製膜したMMMすなわち有機無機ハイブリッド膜が注目されている(非特許文献1)。
【0005】
有機無機ハイブリッド膜においては、マトリックス樹脂より高い分離・透過性能を持つ無機フィラーを多く混合するほど、無機フィラーに近いガス分離性能を示すと考えられる。しかしながら、実際には、ゼオライトなどの無機フィラーの割合が一定以上になるとマトリックス樹脂と無機フィラーの間に空隙(void)が生じ、空隙をガスが通過するなどして無機フィラーの分離性能が使われなくなることで、かえって性能が低下するケースが多く報告されている(非特許文献1)。無機フィラーとマトリックス樹脂の間の空隙生成を抑制するため、無機フィラーを修飾し、マトリックス樹脂との親和性を向上させる試みも多く行われているが、その効果は限定的である。
【0006】
一方、有機無機ハイブリッド膜でマトリックス樹脂と無機フィラーの間に生じる空隙の原因として、製膜時に界面にかかるストレスが挙げられている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Progress in Materials Science 102 (2019) 222-295.
Journal of Molecular Structure 739 (2005) 87-98.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、ガスのパーミエンスをより向上させる観点から、従来の有機無機ハイブリッド膜には改善の余地がある。本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、パーミエンスに優れる、新たな有機無機ハイブリッド膜複合体、およびその関連技術の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、マトリックス樹脂とガスの選択性を有する無機フィラーを含む有機無機ハイブリッド膜において、分離関連層を15μm以下の膜厚で形成し、多孔質支持層への、分離関連層に含まれる樹脂の浸透割合を60%以下とすることで、パーミエンスに優れる有機無機ハイブリッド膜複合体となることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
即ち、本発明の要旨は、下記[1]~[8]に存する。
[1] 多孔質支持層、および、前記多孔質支持層上に製膜された前記分離関連層を備えた有機無機ハイブリッド膜複合体において、前記分離関連層は、有機無機ハイブリッド膜を含み、前記分離関連層は、マトリックス樹脂と、ガスの選択性を有する無機フィラーと、を含み、前記分離関連層の膜厚が15μm以下であり、前記有機無機ハイブリッド膜複合体の断面における、前記多孔質支持層に浸透した前記マトリックス樹脂の占有割合が60%以下である、有機無機ハイブリッド膜複合体。
[2] 前記有機無機ハイブリッド膜複合体の表面の算術平均粗さの、前記分離関連層の膜厚に対する比が0.050以上である、[1]に記載の有機無機ハイブリッド膜複合体。
[3] 前記分離関連層の膜厚、に対する、連続する前記無機フィラーの最大長の割合、の最大値が20%以上である、[1]に記載の有機無機ハイブリッド膜複合体。
[4] 前記分離関連層の膜厚、に対する、連続する前記無機フィラーの最大長の割合、の最大値が20%以上である、[2]に記載の有機無機ハイブリッド膜複合体。
[5] 前記無機フィラーが少なくとも2つの粒度分布のピークを有し、第1の無機フィラーおよび第1の無機フィラーよりも平均粒子径が小さい第2の無機フィラーを含み、前記第1の無機フィラーの平均粒子径が1μm以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド膜複合体。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド膜複合体を用いる、ガス分離およびガス濃縮のうち少なくとも一方を行う方法。
[7] [1]~[5]のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド膜複合体を備えた、ガス分離膜モジュール。
[8] [1]~[5]のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド膜複合体の製造方法であって、
マトリックス樹脂の前駆体および中間体のうちの少なくとも一方、ならびに、前記ガスの選択性を有する無機フィラー、を含む分散液を前記多孔質支持層上に塗布するキャスト工程と、
前記マトリックス樹脂の前駆体および中間体のうちの少なくとも一方を硬化させ、前記多孔質支持層上に前記有機無機ハイブリッド膜を製膜する硬化工程と、を含む、
有機無機ハイブリッド膜複合体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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