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公開番号
2025054862
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-08
出願番号
2023164054
出願日
2023-09-26
発明の名称
エンドトキシン吸着材
出願人
ナガセケムテックス株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01J
20/281 20060101AFI20250331BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】無機材料を基材とするET吸着材であって、タンパク質の吸着を抑えながらETを効果的に吸着できるものを提供する。
【解決手段】窒素原子を含むカチオン性基を有する無機基材を備え、細孔を有しないか、又は細孔を有していても細孔径が40nm以下である、エンドトキシン吸着材。無機基材の材料はシリカ基材であることが好ましい。窒素原子を含むカチオン性基は、スペーサーを介して、又は介さずに無機基材に結合していればよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
窒素原子を含むカチオン性基を有する無機基材を備え、細孔を有しないか、又は細孔を有していても細孔径が40nm以下である、エンドトキシン吸着材。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
無機基材がシリカ基材である、請求項1に記載のエンドトキシン吸着材。
【請求項3】
窒素原子を含むカチオン性基が、スペーサーを介して、又は介さずに無機基材に結合している、請求項1又は2に記載のエンドトキシン吸着材。
【請求項4】
窒素原子を含むカチオン性基が、スペーサーを介して無機基材に結合しており、スペーサーがエポキシ基、イソシアネート基、若しくは水酸基と、無機基材が有する官能基と反応可能な官能基を有する分子鎖、又は開環によりこれらの官能基を生じる化合物である、請求項3に記載のエンドトキシン吸着材。
【請求項5】
粒子状であり、平均粒子径が1~1000μmである、請求項1又は2に記載のエンドトキシン吸着材。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のエンドトキシン吸着材を充填したカラムを含む、エンドトキシン除去用カラム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のエンドトキシン吸着材と、タンパク質及びエンドトキシンを含む処理対象液とを接触させる工程を含む、このタンパク質を含みエンドトキシンが除去された液体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドトキシン吸着材、及びそれを用いたエンドトキシンが除去された材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
エンドトキシン(endotoxin;ET)(以下、「ET」ということもある)は、毒性物質の1つであり、具体的には、グラム陰性細菌の外膜の成分であるリポ多糖(lipopolysaccharide;LPS)を指す。ETは、多糖とリピドAで構成され、主にリピドAが毒性に寄与する。ETは、注射用溶液等への混入により生体内に取り込まれた場合、発熱やショック反応を引き起こす。そのため、日本薬局方には、注射用溶液のET濃度を10~100pg/ml(0.1~1.0 endotoxin unit (EU)/ml)以下にすることが規定されている。また、例えば、近年、遺伝子組み換え大腸菌等からDNAを分離精製してDNAワクチンとして用いる試みがなされているが、そのようにして得られるDNAには菌体由来のETが残存している。従って、そのようにして得られるDNAをDNAワクチンとして生体に投与するためには、残存しているETを除去する必要がある。このため、医薬品からETを除去する方法の開発が切望されている。また、食品もETを含まないことが必要であり、加工食品の材料からETを除去することも求められている。
【0003】
ETを除去する方法の一つとして、各種ET吸着材を利用する方法が知られている。
例えば、特許文献1は、窒素原子を有するカチオン性基を有するセルロースナノファイバーを備えるET吸着材を開示している。リポ多糖であるETは、N-アセチルガラクトサミンやN-アセチルグルコサミンといったアニオン性ヘテロ糖や、アニオンであるリン酸水素イオンを有するため、一般に、カチオン性基を有するET吸着材をカチオン性基を有する物質を含む材料からのETの除去に使用すると、ET吸着材とカチオン性基を有する物質との間でET吸着の競合が起きて、ETを十分に除去することができない。それにも拘わらず、特許文献1のET吸着材は、カチオン性基を有する物質を含む材料から十分にETを除去することができる。
しかし、特許文献1のET吸着材は有機材料からなるため、高温滅菌や放射線滅菌すると変性し易い。このため、吸着材の高温滅菌や放射線滅菌が必要な医療材料からのET除去には使用し難い。
【0004】
無機材料からなるET吸着材を開示している文献として特許文献2がある。特許文献2は、アミノ基を有するシランカップリング剤をシリカゲルに結合させた吸着材が、アミノ酸の吸着を抑えながらETを吸着したことを記載している。
しかし、特許文献2のET吸着材は、タンパク質の吸着を十分に抑制することができない。タンパク質を目的成分とする医薬品、食品、化粧品が多数市販されているが、タンパク質は生体由来成分であるためETが混入している恐れがある。従って、目的タンパク質の吸着を抑えながらETを特異的に吸着及び除去することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開2017/018524号
特開平4-256434号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、無機材料を基材とするET吸着材であって、タンパク質の吸着を抑えながらETを効果的に吸着できるものを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討を重ね、窒素原子を含むカチオン性基を有する無機基材を含み、細孔を有しないか、又は細孔を有していても細孔径が40nm以下である材料が、タンパク質の吸着が極めて少なく、かつ極めて効率よくETを吸着できることを見出した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の〔1〕~〔7〕を提供する。
〔1〕 窒素原子を含むカチオン性基を有する無機基材を備え、細孔を有しないか、又は細孔を有していても細孔径が40nm以下である、エンドトキシン吸着材。
〔2〕 無機基材がシリカ基材である、〔1〕に記載のエンドトキシン吸着材。
〔3〕 窒素原子を含むカチオン性基が、スペーサーを介して、又は介さずに無機基材に結合している、〔1〕又は〔2〕に記載のエンドトキシン吸着材。
〔4〕 窒素原子を含むカチオン性基が、スペーサーを介して無機基材に結合しており、スペーサーがエポキシ基、イソシアネート基、若しくは水酸基と、無機基材が有する官能基と反応可能な官能基を有する分子鎖、又は開環によりこれらの官能基を生じる化合物である、〔3〕に記載のエンドトキシン吸着材。
〔5〕 粒子状であり、平均粒子径が1~1000μmである、〔1〕~〔4〕の何れかに記載のエンドトキシン吸着材。
〔6〕 〔1〕~〔5〕の何れかに記載のエンドトキシン吸着材を充填したカラムを含む、エンドトキシン除去用カラム。
〔7〕 〔1〕~〔5〕の何れかに記載のエンドトキシン吸着材と、タンパク質及びエンドトキシンを含む処理対象液とを接触させる工程を含む、このタンパク質を含みエンドトキシンが除去された液体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のET吸着材は、細孔を有する場合もその細孔径が40nm以下であることにより、優れたET吸着能を有しながら、タンパク質の吸着が効果的に抑制されている。従って、タンパク質を目的成分とする試料からのET除去に好適に使用できる。
【0010】
医療材料や食品材料からのET除去に用いるためには、吸着材を高温滅菌や高温高圧滅菌、放射線滅菌する必要がある。この点、本発明のET吸着材は、基材が無機材料であるため、高温滅菌や高温高圧滅菌、放射線滅菌によっても変性し難く、医療材料や食品材料からのET除去に好適に使用できる。
(【0011】以降は省略されています)
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