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公開番号2025054789
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023163939
出願日2023-09-26
発明の名称触媒充填装置
出願人ソフタード工業株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類B01J 8/02 20060101AFI20250331BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】簡易な構成で触媒を安息角充填できる触媒充填装置を提供すること。
【解決手段】触媒充填装置10は、反応塔1内に触媒2を充填する装置であって、触媒2を散布可能に反応塔1内に配置される散布装置20と、散布するための触媒2を散布装置20に供給する供給装置50とを備える。供給装置50は、触媒2が通る流通管52を備える。散布装置20は、反応塔1のA方向において拡径および縮径可能に傘状に形成される傘状案内部21と、傘状案内部21を流通管52に対して連結する連結部31とを備える。流通管52は、傘状案内部21の中央位置に対して上方に対向する位置に配置され、傘状案内部21の周縁は、中央位置よりも下側の位置に配置される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
反応塔内に触媒を充填する触媒充填装置であって、
前記触媒を散布可能に前記反応塔内に配置される散布装置と、散布するための前記触媒を前記散布装置に供給する供給装置とを備え、
前記供給装置は、前記触媒が通る流通管を備え、
前記散布装置は、前記反応塔の径方向において拡径および縮径可能に傘状に形成される傘状案内部と、前記傘状案内部を前記流通管に対して連結する連結部とを備え、
前記流通管は、前記傘状案内部の中央位置に対して上方に対向する位置に配置され、
前記傘状案内部の周縁は、前記中央位置よりも下側の位置に配置される触媒充填装置。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記流通管には、上下方向に沿った軸心周りで回転駆動させる回転駆動部が連結される請求項1に記載の触媒充填装置。
【請求項3】
前記流通管は、上下方向に伸縮可能に複数の管状体が相互回転不能に入れ子式に連なって構成される請求項1に記載の触媒充填装置。
【請求項4】
前記連結部は、前記流通管に固定される基部材と、前記基部材に対して前記径方向に進退移動可能に連結されるスライドアームと、一端が前記スライドアームに対して回動可能に連結されると共に他端が前記傘状案内部に対して回動可能に取り付けられる回動アームと、前記基部材に装着されると共に前記スライドアームを前記径方向に進退移動させる駆動装置とを備える請求項1に記載の触媒充填装置。
【請求項5】
前記流通管は、前記触媒を前記傘状案内部の前記中央位置に向けて供給する供給口を有し、
前記供給口には、前記径方向に放射状の整流板が設けられる請求項1に記載の触媒充填装置。
【請求項6】
前記傘状案内部は、前記径方向に開閉可能な放射状の骨部材と、前記骨部材に取り付けられる案内シートとを備え、
前記骨部材は、前記傘状案内部が最も縮径した状態では上下方向に沿って配置される請求項1に記載の触媒充填装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、石油精製設備や化学工業設備等の反応塔に触媒が充填されて構成される触媒充填装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
石油精製設備や化学工業設備等では、化学反応を促進させるために、各種の触媒が利用されている。触媒は、例えば顆粒状に造形され、原料流体を流通させる反応塔の内部に充填される。このような触媒の充填には触媒充填装置が用いられている。
例えば、特許文献1に記載の触媒充填装置は、触媒を回転散布する散布装置を備えており、この散布装置は、エアモータなどの攪拌駆動部の作動によって、触媒を攪拌する攪拌翼を回転させながら触媒を反応塔内に回転散布する。この触媒充填装置では、制御装置によって攪拌駆動部を制御しながら攪拌翼の回転速度を調整することで反応塔内へ触媒を所望に充填する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-059009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、反応塔内を流動する原料流体の流量は、所謂ウォールエフェクトによって当該反応塔内の中央側よりも周縁側で増し、稼働時間が長くなるに連れて中央側の流路における抵抗力が周縁側の流路における抵抗力よりも大きくなって、触媒層での流量が再分配されるおそれがあり、このように再分配されると、反応塔の中央側へ流れる原料流体の流量が減少していってしまって当該中央側に反応熱が蓄積して触媒の固結部分(所謂ホットスポット)が生じ、触媒性能が低下するおそれがあり、また触媒の活性を残したままになるので、触媒の性能を最大限利用できなくなる。
る。また、このように高温固結した触媒を抜き出す抜出作業は困難であるので工期延長となってしまい、膨大なコストがかかるおそれもある。ここで、反応塔内の全体における原料流体の流量の均一化によって触媒性能の低下を抑制できるように、触媒を反応塔の中央側から周縁側に向かうに連れて高く充填する安息角充填を行うことが考えられる。この安息角充填を行うことで、稼働時における反応塔内の周縁側の触媒密度を中央側の触媒密度よりも高め得て、原料流体の径方向への流量の均一化を図り得る。
【0005】
ところで、特許文献1に記載の触媒充填装置では、制御装置による制御に基づいて攪拌翼の回転速度を調整しながら触媒を反応塔内に回転散布する構成とされているので、前述した触媒の安息角充填も行い得るものであるが、制御装置などの電機的な構成が必要となってしまって構成が複雑化し得ると共に制御装置による制御に手間を要するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、簡易な構成で触媒を安息角充填できる触媒充填装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の触媒充填装置は、反応塔内に触媒を充填する触媒充填装置であって、前記触媒を散布可能に前記反応塔内に配置される散布装置と、散布するための前記触媒を前記散布装置に供給する供給装置とを備え、前記供給装置は、前記触媒が通る流通管を備え、前記散布装置は、前記反応塔の径方向において拡径および縮径可能に傘状に形成される傘状案内部と、前記傘状案内部を前記流通管に対して連結する連結部とを備え、前記流通管は、前記傘状案内部の中央位置に対して上方に対向する位置に配置され、前記傘状案内部の周縁は、前記中央位置よりも下側の位置に配置される。
本発明の触媒充填装置によれば、傘状案内部の周縁がその中央位置よりも下側の位置に配置されるので、傘状案内部の中央位置に対して上方に対向する位置に配置された流通管から供給される触媒が、傘状案内部に沿ってその中央位置から周縁に案内されながら落下する。このため、簡易な構成で反応塔内の周縁側に触媒を散布しつつ反応塔内に充填することができ、また、触媒の充填面の安息角を超えて高く積もった触媒が自然に崩れることで、反応塔の中央側にも触媒が充填される。このようにして、簡易な構成で触媒を安息角充填することができる。
また、傘状案内部は拡径および縮径可能であるので触媒を落下させる位置を適宜調整し得るので、様々な内径寸法を有する各反応塔に対して好適に触媒の安息角充填を行い得る。
更に、前述したように安息角充填をするにあたり、供給装置から供給される触媒は傘状案内部に沿って反応塔の周縁側に案内されるだけであるので、触媒が破砕されるおそれをなくし得て、所望の触媒充填を行い得る。
このように、本発明の触媒充填装置では、前述したように触媒を安息角で充填できるので、触媒の大小の差を利用して質量の大きいものから中央側に向けて崩れ落ちるため密度差を形成しながら反応塔の上部まで充填を継続して行え、これにより、安息角を利用して中央側を疎密に且つ周縁側を高密にすることができて触媒性能の低下を抑制できる。
【0008】
(2)本発明の触媒充填装置では、前記流通管には、上下方向に沿った軸心周りで回転駆動させる回転駆動部が連結されてもよい。
このような構成によれば、回転駆動部によって流通管を回転させることで傘状案内部も回転するので、この状態で触媒を供給することで、反応塔内に充填する触媒を周方向に容易に分散させ得る。また、例えば傘状案内部が流通管に対して相対的に連続して回転するなどの機械的な連続運動は生じないので、触媒が破砕されるおそれを低減できる。
【0009】
(3)本発明の触媒充填装置では、前記流通管は、上下方向に伸縮可能に複数の管状体が相互回転不能に入れ子式に連なって構成されてもよい。
このような構成によれば、複数の管状体が入れ子式に連なって流通管を構成するので、触媒を反応塔内に徐々に充填していくに連れて高くなる充填面の位置に応じて当該流通管を上下方向に伸縮することで傘状案内部を上下方向における適切な位置に配置でき、そのうえ、複数の管状体が相互回転不能に連なるので、流通管を回転させることで傘状案内部も回転させることができ、反応塔内に触媒を周方向に好適に分散させることができる。
【0010】
(4)本発明の触媒充填装置では、前記連結部は、前記流通管に固定される基部材と、前記基部材に対して前記径方向に進退移動可能に連結されるスライドアームと、一端が前記スライドアームに対して回動可能に連結されると共に他端が前記傘状案内部に対して回動可能に取り付けられる回動アームと、前記基部材に装着されると共に前記スライドアームを前記径方向に進退移動させる駆動装置とを備えてもよい。
このような構成によれば、例えば、駆動装置の駆動によってスライドアームを反応塔の周縁側に向かって径方向に前進移動させることで、回動アームに回動を生じさせながら傘状案内部を拡径するように開くことができる。
また例えば、駆動装置の駆動によってスライドアームを反応塔の中央側に向かって径方向に後退移動させることで、回動アームに回動を生じさせながら傘状案内部を縮径するように閉じることができる。
これにより、様々な内径寸法を有する各反応塔に対して、より容易に且つ好適に触媒の安息角充填を行い得る。
(【0011】以降は省略されています)

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