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公開番号2025043824
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-01
出願番号2023151343
出願日2023-09-19
発明の名称カムクラッチ
出願人株式会社椿本チエイン
代理人個人,個人
主分類F16D 41/07 20060101AFI20250325BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】カムに対する付勢力を安定化し、耐久性の向上及び動作の安定性の向上を図ることのできるカムクラッチを提供すること。
【解決手段】カム130を内輪110及び外輪120に接触するよう付勢する付勢手段150を、カム収容部152及びカム付勢部153を有した基体151が円環をなすよう形成されたリボンスプリングにより構成し、リボンスプリングは、基体151の端部同士が周方向に相互に押し合うことが可能となるよう構成された端部構造155を有し、端部構造155を、径方向に延びるよう形成され内輪110、外輪120及びカム130を保持するケージリング140のいずれかに面接触する当接部156を含む構成とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
同軸に相対回転可能に配置された内輪及び外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された複数のカムと、前記カムを周方向に保持するケージリングと、前記カムを前記内輪及び前記外輪に接触するよう付勢する付勢手段とを備えたカムクラッチであって、
前記付勢手段は、カム収容部及び前記カム収容部に収容された前記カムを付勢するカム付勢部を有した基体が円環をなすよう形成されたリボンスプリングにより構成され、
前記付勢手段は、前記基体の端部同士が周方向に相互に押し合うことが可能となるよう構成された端部構造を有し、
前記端部構造は、径方向に延びるよう形成され前記内輪、前記外輪及び前記ケージリングのいずれかに面接触する当接部を含むことを特徴とするカムクラッチ。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記基体の前記カム収容部を画成する両側縁部の各々に、径方向外方または径方向内方に向かって凸となる屈曲部が前記カム付勢部と軸方向に並ぶよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカムクラッチ。
【請求項3】
前記屈曲部が前記内輪、前記外輪及び前記ケージリングのいずれかに当接可能となるよう形成されていることを特徴とする請求項2に記載のカムクラッチ。
【請求項4】
前記基体の長さ方向両端部が径方向において同一方向に屈曲するように形成されると共に先端が弧状に湾曲するように形成され、
前記当接部が、前記基体の端部同士を周方向に突き合わせるように配置することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカムクラッチ。
【請求項5】
前記基体の端部同士が径方向外方または径方向内方に向かって凸となる弾性体により連結され、前記当接部が前記弾性体により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカムクラッチ。
【請求項6】
前記付勢手段は、前記基体の端部同士を径方向に重なるよう配置することで円環をなすよう構成され、
前記基体の、長さ方向一端に最近接するカム収容部より一端側に、径方向外方または径方向内方に向かって凸となる屈曲部が形成されると共に前記屈曲部に連続して前記内輪、前記外輪及び前記ケージリングのいずれかに当接する当接部が形成され、
前記基体の長さ方向他端が前記屈曲部に当接可能となるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカムクラッチ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リボンスプリングを備えたカムクラッチに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
カムクラッチは、主として、内輪及び外輪の間に配置される複数のカムと、複数のカムを保持する保持器と、各々のカムを内輪及び外輪に対する噛み合い方向に付勢する付勢手段とを備え、複数のカムを内輪及び外輪の相対的な動きに応じて内輪及び外輪に係合・離脱させることで駆動側から従動側へのトルクの伝達及び遮断をする構成とされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、環状のリボンスプリングを付勢手段として用いたスプラグ型一方向クラッチが開示されている。このリボンスプリングは、長手方向に沿って複数のスプラグ収容孔とスプラグを付勢する舌片部とを備えた長手状の部材を丸め込むことでリング状に形成されている。長手方向の最も一端寄りに配置されるスプラグ収容孔は、長手方向の他端縁を臨むスプラグ収容孔に重ねられており、外径側に位置される長手方向他端が保持器に当接するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-152138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、複数のカムの各々を適正な付勢力で付勢するには、リボンスプリングは真円となる形態を保持することが望ましい。
しかしながら、上記のような構成のリボンスプリングでは、外径側に位置される長手方向他端の端縁を保持器に当接させることで形状を保持していることから、スプリングが直線的になってリボンスプリングの周長が変わることがある。このため、すべてのスプラグに対し適正な位置に舌片部を当接させることができず、舌片部により付勢されないスプラグが生ずることもある。特に、長手状の部材の一端に最近接するスプラグ収容孔及び他端に最近接するスプラグ収容孔にそれぞれ保持されるスプラグに対する付勢力が不安定となりやすく、これらのスプラグは、内輪及び外輪の噛み合いに寄与しないこととなる。
このような問題に対して、スプラグを適切な付勢力で付勢可能となるように舌片部を長くすることなどが考えられるが、舌片部を長くすることに伴って応力が高くなり耐久性が低下することとなる。
また、動作モードを切替可能なセレクタブルクラッチにおいて、上記のような構成のリボンスプリングを用いた場合には、カムに対する荷重のバラツキが生じやすい。このため、動作モードを切り替えるにあたって必要とされる切替推力が高くなってしまうといった問題や、舌片部の当たり場所によってはカムが動けなくなり、動作モードの切り替え自体ができなくなるといった問題が生ずることがある。
【0006】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、カムに対する付勢力を安定化し、耐久性の向上及び動作の安定性の向上を図ることのできるカムクラッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、同軸に相対回転可能に配置された内輪及び外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された複数のカムと、前記カムを周方向に保持するケージリングと、前記カムを前記内輪及び前記外輪に接触するよう付勢する付勢手段とを備えたカムクラッチであって、前記付勢手段は、カム収容部及び前記カム収容部に収容された前記カムを付勢するカム付勢部を有した基体が円環をなすよう形成されたリボンスプリングにより構成され、前記付勢手段は、前記基体の端部同士が周方向に相互に押し合うことが可能となるよう構成された端部構造を有し、前記端部構造は、径方向に延びるよう形成され前記内輪、前記外輪及び前記ケージリングのいずれかに面接触する当接部を含む構成とすることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0008】
本請求項1に係る発明によれば、付勢手段の周方向及び径方向の弾性的な変形を抑制して所期の形態を保持することができるので、カム付勢部のカムに対する当接位置の位置ずれ及びカムに対する付勢力のバラツキが生ずることを回避することができる。このため、すべてのカムを適正な付勢力で付勢することが可能となり、カムクラッチの動作の安定性を向上させることができる。
また、基体一端に最近接するカム保持部及び基体他端に最近接するカム保持部にそれぞれ保持されるカムを付勢するカム付勢部について、長さを長くしたり、厚みを大きくしたりするなどしてバネ荷重を高くする必要がない。このため、付勢手段の耐久性を向上させることができて長寿命化を図ることができると共に、所期の付勢手段をコスト的に有利に製造することができる。
さらにまた、カムクラッチをセレクタブルクラッチとして構成する場合には、動作モードの切り替えに必要な切替推力を小さくすることができるので、切替動力の小型化及び低コスト化を図ることが可能である。しかも、すべてのカムの姿勢が均等となるよう付勢することができるので、カム姿勢制御を必要とするセレクタブルクラッチなどの応用品の設計が容易となる。
【0009】
本請求項2に係る発明によれば、屈曲部を形成することで剛性を高くした部分をカム付勢部と軸方向に並ぶよう設けることで、カム付勢部のカムに対する当接位置の位置ずれ及びカムに対する付勢力のバラツキが生ずることを一層確実に抑制することができる。
本請求項3に係る発明によれば、屈曲部を内輪、外輪及びケージリングのいずれかに当接可能に形成することで、付勢手段について、一層高い形態安定性を確保することができる。
【0010】
本請求項4乃至本請求項6に係る発明によれば、すべてのカムを適正な付勢力で付勢することが可能な端部構造を形成することができ、所期の効果を確実に得ることができる。
特に、本請求項5に係る端部構造においては、基体の両端部の各々に対する曲げ加工が不要で打抜き加工のみで所期の端部構造を実現可能であるので、製造が容易であると共に曲げ加工による精度の不確定さの問題がない。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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