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公開番号2025036006
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024006867
出願日2024-01-19
発明の名称微生物、微生物燃料電池用組成物、微生物燃料電池、微生物電気分解セル用組成物、及び微生物電気分解セル
出願人セイコーエプソン株式会社,学校法人東京薬科大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12N 1/20 20060101AFI20250306BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】より高い電流生成能力を有する新規な微生物、当該微生物を含む微生物燃料電池用組成物及び微生物電気分解セル用組成物、並びに当該微生物を使用した微生物燃料電池及び微生物電気分解セルの提供。
【解決手段】ゲオバクター・エスピー60473株である微生物;ゲオバクター・エスピー60473株と有機物とを含有する微生物燃料電池用組成物;ゲオバクター・エスピー60473株が燃料である有機物の分解に使用されている、微生物燃料電池;ゲオバクター・エスピー60473株と有機物とを含有する微生物電気分解セル用組成物;及び、ゲオバクター・エスピー60473株が、燃料である有機物の分解に使用されている、微生物電気分解セル。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ゲオバクター・エスピー60473株(Geobacter sp. 60473)(NITE BP-03900)である、微生物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
微生物燃料電池に用いられる、請求項1に記載の微生物。
【請求項3】
ゲオバクター・エスピー60473株(Geobacter sp. 60473)(NITE BP-03900)と有機物とを含有する、微生物燃料電池用組成物。
【請求項4】
さらに、ゲオバクター・エスピー60473株以外の電気化学活性菌を含有する、請求項3に記載の微生物燃料電池用組成物。
【請求項5】
前記有機物の少なくとも一部が、汚泥である、請求項3に記載の微生物燃料電池用組成物。
【請求項6】
ゲオバクター・エスピー60473株(Geobacter sp. 60473)(NITE BP-03900)が、燃料である有機物の分解に使用されている、微生物燃料電池。
【請求項7】
有機物を含有する水を主成分とする液体と、
前記液体を収容する収容体と、
前記液体中に配置される導電性のアノード電極と、
前記液体に少なくとも一面が接触して配置される導電性のカソード電極と、
一端が前記アノード電極に接続され、他端が前記カソード電極に接続されており、電子が流れる抵抗体と、
前記液体に含まれている、前記有機物を分解して電子を排出するゲオバクター・エスピー60473株(Geobacter sp. 60473)(NITE BP-03900)と、
を備える、微生物燃料電池。
【請求項8】
前記収容体は、プロトンを選択的に透過可能な膜により、前記アノード電極が配置されている槽と前記カソード電極が配置されている槽に仕切られており、
前記有機物と前記ゲオバクター・エスピー60473株が、前記アノード電極が配置されている槽に収容された液体中に含まれている、請求項7に記載の微生物燃料電池。
【請求項9】
前記カソード電極は、一方の面で前記収容体中の前記液体に接しており、他方の面が大気に接している、請求項7に記載の微生物燃料電池。
【請求項10】
有機泥と水を主成分とする液体とが収容された収容体と、
前記有機泥中に配置される導電性のアノード電極と、
前記液体の液中又は液面に配置される導電性のカソード電極と、
一端が前記アノード電極に接続され、他端が前記カソード電極に接続されており、電子が流れる抵抗体と、
前記有機泥に含まれている、ゲオバクター・エスピー60473株(Geobacter sp. 60473)(NITE BP-03900)と、
を備える、微生物燃料電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物燃料電池に用いられる微生物、及び当該微生物を用いた微生物燃料電池に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
温暖化や天然資源の枯渇等の問題の解決の一助として、微生物の代謝を電気化学的に制御してエネルギーや有用物質を生産するシステムである微生物電気化学システム(Bioelectrochemical system;BES)の開発が盛んである。微生物電気化学システムで利用される微生物としては、電極との間で電子の授受ができる電気化学活性菌(Electrochemically active bacteria;EAB)が挙げられる。
【0003】
微生物電気化学システムには、微生物燃料電池(microbial fuel cell:MFC)、微生物電気分解セル(槽)(microbial electrolysis cell:MEC)、微生物電気合成システム(槽)(microbial electrosynthesis System:MES)等がある。微生物燃料電池は、微生物の代謝能力を利用して、有機物などの燃料(化学エネルギーを保持した物質)を電気エネルギーに変換する装置である。微生物燃料電池は、バイオマス廃棄物を処理しながら発電する装置や省エネ型廃水処理として注目されている(非特許文献1)。微生物電気分解セルは、電気化学活性菌により有機物などの燃料から生成される電流を利用して水中のプロトンなどを還元することで水素やメタンを発生させる装置である(非特許文献2)。微生物電気合成システムは、低電位の電極から電気化学活性菌に電子を供給して二酸化炭素や窒素などから有用物質を合成する装置であり、化石燃料が枯渇する将来の人類を支えるプロセスとなることが期待される(非特許文献3)。このように、微生物電気化学システムには様々な装置が含まれているが、これらの社会実装のためには、高性能化が望まれている。
【0004】
微生物電気化学システムの各装置においては、電極面積当たりの電流値(電流密度)で評価される電気化学活性菌と電極間の電子伝達効率が、装置の性能を決めると言われている。実際に、電気化学活性菌と電極との電子の授受が、微生物電気化学システムにおける律速段階である、との報告がある(非特許文献4)。
【0005】
電気化学活性菌の活性(発電能力)を増強させる方法として、人工的に培養した外来微生物(例えば、電気化学活性菌)を微生物製剤として装置内の微生物生態系に投入して装置の性能を向上させる方法(バイオオーグメンテーション)が知られている。例えば、廃水処理用の微生物燃料電池に電気化学活性菌を含む微生物コンソーシアムを投入することにより、電流生成の立ち上がりが早くなった例が報告されている(非特許文献5)。しかし、当該例では、電流が立ち上がった後の電流値は、バイオオーグメンテーションしていない微生物燃料電池と同等であり、さらなる高性能化が望まれている。その他、微生物燃料電池のアノード電極にゲオバクター・サルファー・レデューセンス(Geobacter sulfurreducens strain) YM18を添加するバイオオーグメンテーションにより、電流生成と水素生成が促進されることが知られている(非特許文献6)。
【0006】
微生物燃料電池の発電量(出力エネルギー)を増大させる方法としては、例えば、HNQ(2-hydroxy-1,4-naphthoquinone)等の電子を伝達する化合物(電子メディエータ)を用いる方法があり、当該方法の改良方法として、光が無い環境下でも活性を有する電気化学活性菌を用い、かつ前記電子メディエータとしてポルフィリンを使用する方法が報告されている(特許文献1)。また、電気化学活性菌の活性を増強させるために、電気化学活性菌を宿主とするバクテリオファージにより当該電気化学活性菌の活性を調整する方法が報告されている(特許文献2)。しかし、メディエータの利用に関しては、微生物による分解等によって消失するため、人為的に継続して添加する必要があり、実用面においてコストが高くなるという問題があった。また、バクテリオファージの利用に関しては、病原性及び薬剤耐性に関与する遺伝子を持つファージでないことを確認するための認証にコストがかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2010-218690号公報
特開2020-14418号公報
【非特許文献】
【0008】
山田祥平及び渡邉一哉、「微生物燃料電池の基礎と応用」、燃料電池、燃料電池開発情報センター(発行)、2020年、第20巻、第33~38ページ。
落合一太ら、「微生物電気分解槽による水素生産」、微生物による発電・水素生産、シーエムシー出版(発行)、2021年、第201~206ページ。
Yamada et al., Frontiers in Chemistry, 2022, vol.9, Article 805597.
Lu and Ren, Bioresource Technology, 2016, vol.215, p.254-264.
Yanuka-Golub et al., mBio, 2021, vol.12, e03629-20.
Ochiai et al., Bioresource Technology, 2023, vol.386, 129508.
Yoshitsu et al., Microorganisms, 2023, vol.11, 598.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
微生物電気化学システムの各装置の高性能化のために、高い電流密度を達成できる電気化学活性菌が望まれている。例えば、非特許文献4で報告されているバイオオーグメンテーションの例において、微生物電気化学システム内の電気化学活性菌の活性を十分に上昇させることは未だできていないが、この原因としては電気化学活性が十分に高い電気化学活性菌を投入できていないためと考えられる。また、非特許文献6で報告されている微生物燃料電池で使用されているYM16株は、発電時間が長くなると発生電流量が低下してしまう。このため、より長時間安定した発電が可能な電気化学活性菌も求められている。
【0010】
本発明は、より高い電流生成能力を有する新規な微生物、当該微生物を含む微生物燃料電池用組成物及び微生物電気分解セル用組成物、並びに当該微生物を使用した微生物燃料電池及び微生物電気分解セルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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