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公開番号
2025035803
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2023143069
出願日
2023-09-04
発明の名称
プレス成形方法およびプレス成形装置
出願人
株式会社ジーテクト
代理人
個人
主分類
B21D
22/26 20060101AFI20250307BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約
【課題】簡易な設備でワークに圧縮応力を付与してスプリングバックを防ぐことが可能なプレス成形方法を提供する。
【解決手段】断面ハット状の予備成形品1を肩部5aに成形代(余肉部3)を残して成形する予備成形工程と、最終的な形状に成形する本成形工程とを有する。本成形方法においては、帽子部5の高さ方向に移動する第2の可動金型39で予備成形品1の開口側端部を拘束した状態で、帽子部5の天板2側に第1の可動金型38を押し付けて成形する。第2の可動金型39を押す押圧力は、第1の可動金型38を押す押圧力より小さい。
【選択図】 図17
特許請求の範囲
【請求項1】
天板と両側の縦板とからなる帽子部の開口端にフランジ部を有する断面ハット状の成形品を予備成形用の金型によって前記帽子部の両側の肩部に成形代が残るように成形する予備成形工程と、
前記予備成形工程によって成形された予備成形品を本成形用の金型によって圧縮して最終形状の成形品を成形する本成形工程とを有し、
前記本成形用の金型は、
前記フランジ部の先端面が当接する壁と、前記帽子部の中に入る凸部と、前記壁と前記凸部との間に形成された凹部とを有し、前記最終形状の成形品の内面を成形する成形面を有する固定金型と、
前記帽子部の高さ方向に移動可能に構成され、前記帽子部の前記天板側を前記固定金型の前記凸部との間に挟んで最終形状に成形する第1の可動金型と、
前記帽子部の高さ方向に移動可能に構成され、前記帽子部の開口端側を含む前記予備成形品を前記固定金型の前記凹部との間に挟んで最終形状に成形する第2の可動金型とを有し、
前記本成形工程は、
前記固定金型の前記凸部に前記予備成形品を載置する第1の本成形工程と、
前記予備成形品を前記固定金型の前記凹部と前記第2の可動金型とによって挟む第2の本成形工程と、
前記予備成形品が前記第2の可動金型によって前記固定金型の前記凹部に押し付けられている状態で前記予備成形品を前記固定金型の前記凸部と前記第1の可動金型とによって最終形状に成形する第3の本成形工程とを有し、
前記第2の本成形工程で前記第2の可動金型が前記予備成形品を押す際の押圧力は、前記第3の本成形工程で前記第1の可動金型が前記予備成形品を押す際の押圧力より小さい
ことを特徴とするプレス成形方法。
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【請求項2】
請求項1に記載のプレス成形方法において、
前記固定金型と前記第2の可動金型とにおける、前記帽子部の前記縦板と前記フランジ部との接続部を成形する部分は、それぞれ湾曲した断面形状となる丸め部によって形成され、
前記第2の本成形工程において、前記第2の可動金型が成形終了位置に移動する過程で前記第2の可動金型の前記丸め部が前記予備成形品の前記縦板を前記固定金型に向けて押すことを特徴とするプレス成形方法。
【請求項3】
請求項2に記載のプレス成形方法において、
前記固定金型の前記壁の先端部には面取部が形成され、
前記第2の本成形工程において、前記面取部に近接する位置を前記フランジ部の先端部分が通過することを特徴とするプレス成形方法。
【請求項4】
請求項1に記載のプレス成形方法において、
前記固定金型の前記壁は、前記固定金型の他の部分とは別体の金型部品によって形成されて着脱可能に構成され、
前記凹部の底面と前記壁との境界が直角形状となり、第3の本成形工程で前記フランジ部の先端面が前記壁に隙間なく当接することを特徴とするプレス成形方法。
【請求項5】
天板と両側の縦板とからなる帽子部の開口端にフランジ部を有する断面ハット状の成形品を前記帽子部の両側の肩部に成形代が残るように成形する予備成形用の金型と、
前記予備成形用の金型によって成形された予備成形品を圧縮して最終形状の成形品を成形する本成形用の金型とを有し、
前記本成形用の金型は、
前記本成形用の金型は、
前記フランジ部の先端面が当接する壁と、前記帽子部の中に入る凸部と、前記壁と前記凸部との間に形成された凹部とを有し、前記最終形状の成形品の内面を成形する成形面を有する固定金型と、
前記帽子部の高さ方向に移動可能に構成され、前記帽子部の前記天板側を前記固定金型の前記凸部との間に挟んで最終形状に成形する第1の可動金型と、
前記帽子部の高さ方向に移動可能に構成され、前記帽子部の開口端側を含む前記予備成形品を前記固定金型の前記凹部との間に挟んで最終形状に成形する第2の可動金型とを有し、
前記第1の可動金型は、前記第2の可動金型が前記予備成形品を前記固定金型の前記凹部に押し付けている状態で前記予備成形品を前記固定金型の前記凸部に押し付けて最終形状に成形するものであり、
前記第2の可動金型が前記予備成形品を押す際の押圧力は、前記第1の可動金型が前記予備成形品を押す際の押圧力より小さいことを特徴とするプレス成形装置。
【請求項6】
請求項5記載のプレス成形装置において、
前記固定金型と前記第2の可動金型とにおける、前記帽子部の前記縦板と前記フランジ部との接続部を成形する部分は、それぞれ湾曲した断面形状となる丸め部によって形成されていることを特徴とするプレス成形装置。
【請求項7】
請求項5に記載のプレス成形装置において、
前記固定金型の前記壁の先端部には面取部が形成され、
前記面取部は、前記第2の可動金型が前記予備成形品を前記固定金型に押し付けることにより移動する前記フランジ部の移動軌跡の外に形成されていることを特徴とするプレス成形装置。
【請求項8】
請求項5に記載のプレス成形装置において、
前記固定金型の前記壁は、前記固定金型の他の部分とは別体の金型部品によって形成されて着脱可能に構成され、
前記凹部の底面と前記壁との境界が直角形状となり、最終形状の成形品の前記フランジ部の先端面が前記壁に隙間なく当接することを特徴とするプレス成形装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板を断面ハット状に曲げるプレス成形方法およびプレス成形装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のボディに用いられる鋼材として、高張力鋼より強度が高く、引張強さが1000MPaを超える超高張力鋼が用いられるようになってきた。この種の超高張力鋼は、冷間で曲げ加工されて所定の形状に成形されている。超高張力鋼は、一般的な高張力鋼に較べると曲げ加工後のスプリングバック量が多くなる。このため、従来は、スプリングバックを見越して目標とする寸法精度を得るために、金型の削り直しが行われている。
【0003】
金型の削り直しは多大な工数が必要であり、削り直しで対応できない場合は金型を作り直すこともある。そうすると金型の作り直しによって鉄の使用量が大きくなってしまい、環境にも良くない。このような金型の修正を可及的少なくするために、成形を複数回実施し、スプリングバックを修正して最終形状となるように成形を行うプレス成形方法が考えられている。
スプリングバックを修正する従来のプレス成形方法としては、例えば特許文献1に記載されている方法がある。特許文献1に示すプレス成形方法は、スプリングバックの発生を抑制しながら鋼板を断面ハット状に成形する方法である。断面ハット状とは、天板と両側の縦板とからなる帽子部の開口端にフランジ部が設けられた形状である。特許文献1に示すプレス成形方法は、鋼板を断面ハット状に成形するにあたって、予備成形工程と本成形工程との二つの工程で成形品を最終形状に成形する構成が採られている。
【0004】
予備成形工程においては、スプリングバックが生じることを許容して断面ハット状の予備成形品が成形される。本成形工程は、予備成形品の両側の縦壁と両端のフランジとを側方から横移動式のダイによって固定金型であるパンチに押圧しながら、帽子部をパッドとパンチとによって挟んで成形し、予備成形品が圧縮されて最終的な形状に成形されるように行っている。予備成形品が圧縮されることでスプリングバックの発生が抑制される。横移動式のダイは、帽子部を成形するパッドと連動するように、パッドを含む上型の上下方向への移動をカム機構によって水平方向への移動に変換して駆動されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-39327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示す成形方法では、横移動式のダイを駆動するためにカム機構が必要であるから、金型が複雑になるとともに大型化するという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、簡易な設備でワークに圧縮応力を付与してスプリングバックを防ぐことが可能なプレス成形方法およびプレス成形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために本発明に係るプレス成形方法は、天板と両側の縦板とからなる帽子部の開口端にフランジ部を有する断面ハット状の成形品を予備成形用の金型によって前記帽子部の両側の肩部に成形代が残るように成形する予備成形工程と、前記予備成形工程によって成形された予備成形品を本成形用の金型によって圧縮して最終形状の成形品を成形する本成形工程とを有し、前記本成形用の金型は、前記フランジ部の先端面が当接する壁と、前記帽子部の中に入る凸部と、前記壁と前記凸部との間に形成された凹部とを有し、前記最終形状の成形品の内面を成形する成形面を有する固定金型と、前記帽子部の高さ方向に移動可能に構成され、前記帽子部の前記天板側を前記固定金型の前記凸部との間に挟んで最終形状に成形する第1の可動金型と、前記帽子部の高さ方向に移動可能に構成され、前記帽子部の開口端側を含む前記予備成形品を前記固定金型の前記凹部との間に挟んで最終形状に成形する第2の可動金型とを有し、前記本成形工程は、前記固定金型の前記凸部に前記予備成形品を載置する第1の本成形工程と、前記予備成形品を前記固定金型の前記凹部と前記第2の可動金型とによって挟む第2の本成形工程と、前記予備成形品が前記第2の可動金型によって前記固定金型の前記凹部に押し付けられている状態で前記予備成形品を前記固定金型の前記凸部と前記第1の可動金型とによって最終形状に成形する第3の本成形工程とを有し、前記第2の本成形工程で前記第2の可動金型が前記予備成形品を押す際の押圧力は、前記第3の本成形工程で前記第1の可動金型が前記予備成形品を押す際の押圧力より小さい方法である。
【0009】
本発明は、前記プレス成形方法において、前記固定金型と前記第2の可動金型とにおける、前記帽子部の前記縦板と前記フランジ部との接続部を成形する部分は、それぞれ湾曲した断面形状となる丸め部によって形成され、前記第2の本成形工程において、前記第2の可動金型が成形終了位置に移動する過程で前記第2の可動金型の前記丸め部が前記予備成形品の前記縦板を前記固定金型に向けて押してもよい。
【0010】
本発明は、前記プレス成形方法において、前記固定金型の前記壁の先端部には面取部が形成され、前記第2の本成形工程において、前記面取部に近接する位置を前記フランジ部の先端部分が通過してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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